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弁護士から米10kgをもらった話

知り合いの弁護士から、突然お米10kgをいただいた。驚くのはその量ではない、田植えから稲刈り、精米に至るまで“完全に自分で作った米”なのだそうだ。

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「冷蔵庫で保管して早めに召し上がってください」と言う。100kg収穫したうちの10kgなのか、それとも20kg収穫したうちの10kgなのかは定かではない。日常的な好意でいただいたのか、それとも蔓延しているウイルスのせいで幼子と巣ごもりを余儀なくされたことを懸念していただいたのか、それも定かではない。(近日中に改めて聞こうと思う)

「弁護士が米作り」というその事実だけでも取材に行きたい気持ちに駆られるが、ひとまず、炊いてみることにした。

米をとぐと市販の米よりも強く濁ったが、結果、つやつやに炊けた。知り合いが作った米だと思うと無性に美味しく感じる。白米だけで何口でも箸が進む。「物でもサービスでも、その裏側を知ると人は親近感を抱きやすくなる」と心理学者が言っていた。いつもスーパーで生産者の顔が貼ってある米を買っているものの、やはり知り合いとなると親近感がひとしおだ。

仕事を辞めてからも夜型生活がなかなか治らず、朝ごはんは買いおきの菓子パンで済ましがちだ。正直なところ、朝ごはんと昼ごはんがいっしょになってしまうことも少なくない。

…おとな2人で米10kgを鮮度がいいうちに消費することを考えるとそこそこハイペースで食べないといけない。前日の夜に炊飯器のタイマーを設定し、いつもよりほんの少し早起きしてハムと目玉焼きを焼いた。いくら“朝活”といえど寝ぼけた頭で包丁を持てる自信がなかったのでサラダは千切りで売っているやつを手で皿に盛る。

朝からリビングに米の炊ける香りが漂った。ツワリ真っ只中だった1年前は嗅げば嘔吐していた臭いだったが、今ではすっかり食欲をそそる匂いだ。

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久しぶりに朝からきちんとした食事をした。思えば、ここに味噌汁があれば文句なしの朝食だ。明日は味噌汁も作ろう。米をいただいたことで、朝ごはんの箸が進んだ。当たり前の話だが、朝からしっかり食べると1日の活力が格段と違う。

免疫力が「無症状」「重症化」を分ける今だからこそ。こんなときこそ、朝ごはんを大切にしたい。


2020/04/06 こさいたろ


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