TSKaigi2024にオンライン参加してみた


はじめに

今日はTypeScriptのカンファレンスであるTSKaigiにオンラインで参加したので知見や感想などをざっくりまとめていきたいと思います。

TSKaigiとは

一般社団法人TSKaigi Associationが開催しているTypeScriptをテーマとした技術カンファレンスです。今回が初開催です。

公聴したセッション・LT

記事作成時点で登壇者の方が資料を公開してくださっているものはリンクを貼っています。基本的に公聴した順で感想を書いています。予めご了承ください。

Prisma ORMを2年運用して培ったノウハウを共有する

Read Replicaを利用するにあたって型レベルで更新用トランザクションと読み取り用トランザクションの制御を掛けるのはスマートだなと思いました。テストは「内製Runner作って効率よくやってます!」と言われたときには手元では無理そうだなと思ってましたが、まさかの内製Test RunnerをOSS化するのには驚きました。OpenTelemetryは使ったことがなかったのでタイミングを見て使ってみようと思います。

TypeScriptと型のパフォーマンス

TypeScriptがどうやって型を解決しているか等を全く知らなかったので勉強になりました。OSSコントリビューターが意識したほうが良い内容が多い気もしましたが、実務でも使えそうなのでバランスを見て取り込んでいきたいです。

TypeScriptでもLLMアプリケーション開発 / LLM Application In Typescript

JavaでもMLのライブラリがあったりするので「今のご時世TSでLLMはまぁできるんだろうなぁ」くらいに思ってました。このあたりの分野はPythonが優勢だと思っていたので、まさかTS/JSでLLMアプリ開発をするエコシステムが発展するかもとは微塵も考えてませんでした。LLMを触ってみたいとは思っていたので元気があったら試してみたいです。

tRPCを実務に導入して分かった旨味と苦味

RPCもあまりよくわからない状態で聴いていましたが、レスポンスをシリアライズするときにメタデータを付与してプレインじゃないオブジェクトも変換できるのは便利そうだなと思いました。便利さの裏返しでデメリットも発生していたので、使ってみないとわからないことを聴けたのは良かったです。

Prismaでスキーマ変更を行う際のベストプラクティス

`@ignore`があること自体初めて知りました。マイグレーションもprismaに寄せようと思うけど、prismaだとマスターデータの更新とかが管理しにくいので僕が使う機会はないかもな…と思いました。

TypeScriptとGraphQLで実現する型安全なAPI実装

孫コンポーネントからパラメータを消したときに親コンポーネントでは消し損ねたみたいなものをどうするのかなと思ったのですが、GraphQL Client Presetのフラグメントコロケーションである程度制御できるということで優秀だな~と思いました。GraphQLを全く触ったことがなく、具体的な書き方もよくわかっていなかったので貴重な話が聴けて良かったです。

TypeScriptのパフォーマンス改善

割とTypeが主流な気はしましたが、速度面で言うとType < Interfaceなのは初めて知りました。型注釈の話はコンパイラ側で型推論する手間を人間がやるということで。 型の話はType Instantiationが関わっているのかなと思いました。

Prettierの未来を考える

対応言語の多さ、多様なニーズに応えられる豊富なプラグインがPrettierの強みで、セットアップの容易さ、速度がBiomeの強みなので、どちらかが相手側の強みもできるようになると界隈全体が片方の利用に傾いていくのかなと思いました。ESLint + Prettierは雰囲気で使っている節があるので折を見て理解を深めたいです。

Documentation testsの恩恵

ちゃんと動くサンプルコードを書いておけるというのは大きな強みだなと思いました。プロダクトではviteを使っていないのですぐ利用するということはなさそうですが、どこかで使ってみたいです。

Full TypeScriptだから実現できる世界線

メリット・デメリット共に共感できる内容が多く、少人数体制のときに力を発揮するのは首がもげそうなほど頷きました。コード共通化についてはUtilのようなものが限界なのかなと思いました。

多言語化対応における TypeScript の型定義を通して開発のしやすさについて考えた

保守性と開発体験の両方を向上させていてすごいなと思いました。堅牢にしすぎたが故に隠蔽されてしまって開発体験が悪くなったことがあるので、こういったことにも目を向けていきたいです。

全体の感想

TypeScriptの型仕様の探索や運用して得られた知見などいろいろなものが聴けて楽しかったです。多くの人が使っていそうなReact、REST関連のセッションはなく、この辺りは割とネタが出尽くしているのかなという印象を受けました(たまたま応募がなかっただけかもしれませんが)。新人の人や3年目の若手の人なども登壇していて、この界隈は強い人は強いなと思いました。

終わりに

数年ぶりにカンファレンスに参加してとても楽しかったです。インプットのモチベーションが若干上がってきたので、これを機にしばらく行っていないJJUG CCCやDevelopers Summitもまた参加してみようかなと思います。TypeScriptとはもう少し向き合っていくことになりそうなので来年も参加します。

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