abc the22ndおよび4年間の振り返り

 お世話になっております。SQUEEZE OB(!)の大和田です。このたびのabcおよび4年間の学生クイズの振り返りを書いたので公開したいと思います。半分くらい反省文になってしまいました。
 勝手にいろんな人の名前を出してしまっています。すみません。もし嫌だったら連絡をください。なお、mixiに載せたものと内容は同じです。

abcに至るまで

~2020.3
 幼少期からクイズ番組が好きで、初めて買ってもらったDSのカセットが『ネプリーグ』という稀有なガキだった。今思えば当時から片鱗を見せていたのだと思う。
 高2からみんはやを開始し、早押しクイズの楽しさを覚える。その少し後くらいに東大王やQuizKnockの存在を知って本格的にクイ研を志すようになる。高3夏の文化祭ではクラス対抗のクイズ大会があり、すっかりクイズ好きのキャラを確立していた俺のために(?)クラスメイトも頑張ってくれた。おかげで決勝の早押しラウンドに進めたのだが、いつも一緒にみんはやをしていた同級生に勝てず2位。このイベントがかなり俺の原体験になっていると思う。
 より一層クイズ熱が高まり、大学受験が終わったその日のうちから、みんはやで分からなかった問題を単語帳アプリに写すなどしていた。

2020.4~12
 晴れて大学生になり、弊学にクイ研があることは知っていたので、SQUEEZEの門戸を叩く。コロナ真っ只中でオンラインでしか活動できなかったが、毎回の活動が楽しみで仕方なかった。しかし、東洋大学にクイズ熱が高い人間などたくさんいるはずもなく、思うように活動できない情勢も相まってサークルは過疎っていく一方。入会半年後くらいにはアクティブメンバーが3~4人にまで減っていた。インカレで他サークルに入会する機会もすっかり逃しており、もどかしい日々が続いた。大会もオンラインのに何回か出た程度。abcが何かもよく分からないままオンライン4択を解いた記憶はある。
 この時期は数少ない同じ大学の同期のKにお世話になった。本人があまり所在を知られたくなさそうだったので詳細は伏せるが、彼は某名門校で中学からクイズをやっていて、クイズを始めたての俺に競技クイズのいろはを教えてくれた。彼もすっかり活動に姿を見せなくなってしまったが、俺にとっては彼に追いつくのが最初の目標でもあったしとても感謝している。

2021.1~2022.3
 年始めに転機となる出来事が2つくらい起こる。1つ目はHosmiQへの入会。Fresh&Kewl後にさすがにもっとクイズをできる場所が欲しいと思い、当時関わりがあった駒澤の先輩も入っていたHosmiQの門戸を叩いた。これにより、定期的なフリバや企画の機会を得ることになる。
 もう1つは、現在まで切磋琢磨することになるりほちゃん、ながみねくんとの出会い。SQUEEZEとKOQCのオンライン交流会は以前からたまに行われていたが、りほちゃんはクイズを始めたのが11月とかであったため、初顔合わせは年が明けてからだった。とはいえ、当時からめちゃくちゃ座学をしていて、クイズ歴数ヶ月ながら俺とほぼ互角だったと思う。その鯖に少ししてからGQSが加入し、ながみねくんとも知り合うことになる。彼も銀桜杯の準優勝者として当時から名を轟かせており、実際めちゃ強かった。2人は俺にとって初めてと言っていい大スタの同期で、クイズに対する熱量も近かったのでとても刺激になった。ここでようやく俺もクイズをもっと頑張ろうという気になれた。
 そうは言いつつも大会への興味は当時それほどなく、3月のabcや6月頃のabcmorphousには予定も重なって参加しなかった。ここらへんに参加していればもう少し早く、大会を現実的な目標にできたかもしれないのだが…。
 ここらへんでもう1つ今の俺を形作る上で大切な出会いが。某日、前述のオンライン交流鯖に突如しゃにむにとかずほが襲来。別の鯖で繋がりのあったりほちゃんの紹介で企画を打ってくれるとのことだった。2人の名前を見て、Fresh&Kewlの優勝者であることはすぐにピンと来たので驚いた。こうして、本来交わる可能性は薄かったであろう、世代のトップランナーとの縁が生まれることに。2人が俺に与えた影響力は計り知れないので、本当に運が良かったなとつくづく思う。
 11月のabcmorphous the2ndにオフライン大会初参加。紙抜けには程遠かったが、初めて生で観るトッププレイヤーたちのクイズに終始感嘆していた。いつかこういう舞台で活躍してみたい…とぼんやりではあるがここで目標ができた。その後、3月のabcまでの間に見よう見まねの対策企画を打ってみたり、対ペフォルダに入ってみたりした。そして初参加のabc。プレイヤーのレベルの高さ、洗練された問題群、壇上のきらびやかさ、どこを取っても当時の自分にはあまりにも眩しく、明確にこの舞台を目指したいと思えた。俺自身はボーダーでの4択抜け、EQIDENでも2○はでき、2日後くらいの指喧嘩祭でも(紙抜け人数が多かったとはいえ)かなり惜しい点数を取っていて、この調子でいけば来年度はワンチャンあるのでは?とえらい勘違いをしていた。

2022.4~2023.3
 7月に控えていたmorphous3rdでは本気で紙を抜けるつもりでいた。しかし、思い返せば当時の自分はフリバに出て、残った対ペを解く程度のことしかしておらず、とても抜けられる人間のルーティンではなかった。案の定、箸棒の紙落ち。問題の傾向も絶望的に合わなかったのだが、だとしても100傑にすら入れないのは結構堪えた。この大会ではしゃにむにのSF進出をはじめ多くの大スタ同期が活躍しており、さすがに焦りが芽生えた。正直、同期にはまだ活躍してほしくないとまで思っていた。加えて、いつも一緒にクイズしてきたりほちゃんも100傑次点というとても惜しい順位につけており、このままでは置いていかれる一方だと悟った。
 この時期、外的環境に大きな変化が訪れる。SQUEEZEはコロナ禍以来禁止されていた対面での活動がついに解禁される。会員がそこそこ増えてきたこともあり、オンオフ問わず安定してフリバが開催されるようになった。一方、HosmiQはサークル内のトラブルを発端に空中分解を起こし、規模を大きく縮小することに。長くお世話になっていた方々とこういう形で疎遠になるのはとても心苦しいものがあったが、毎週のようにHosmiQでフリバしていた1年半ほどの期間をなくして今の自分はないと思っているので、相当感謝しています。2年生のころ、某先輩が「最近強いから、このままバケモンになってほしい」と言ってくれていたのを俺は今でも覚えています。
 また、このままではいかんと、完全に怠惰だけで入れていなかったAnkiをついに導入。初期設定は全部りほちゃんにやってもらったのですが…。元々問題集を1回読んだくらいで覚えられるようなタイプではなかったし、フリバ感覚でひたすら問題を回すのは自分の性に合っていたようで、このあたりからペーパーの点数がメキメキと上昇。本格的に回し始めて2ヶ月くらい経った10月のmorphous4thでは紙抜けボーダーまであと1点のところまで迫ることができた。前回の3rdがボーダーまで17点差だったことを考えるととてつもない伸び。54位で名前が出た時、初めて俺というプレイヤーの存在を世に知らしめることができたと思い、本当に嬉しかった。とはいえ、まだ壇上は遠かったのも事実。続くBNS3でも4択差で紙落ちし、自分の早押しがどこまで通用するのか未知数なままだった。
 そんな状態で迎えた2月下旬の連戦。STK2ndで(abcフォーマットではないが)43位くらいに入ったものの2R1○。続くapocalypse cupではabcを1ヶ月後に控える猛者揃いの中でびっくりの48位抜け。しかしこの日も早押しでは全く歯が立たず地蔵。ペーパーは多少自信がついた一方で、早押しの自信は地に落ちていた。それでも当時は、もっと知識がつけばなんとかなるだろと楽観視していた気がする。そして迎えたabcでは積み重ねてきたペーパーの自信も一気に打ち砕かれる羽目に。合わなかったと言えばそれまでだが、前半からあらゆるミスを重ね、さすがに入れるだろうと思っていた100傑入りも逃した。この大会ではmorphous3rd同様に、同期の初通過や大活躍を目の当たりにし、喜ばしい一方で自分だけ取り残されている感覚に陥ることとなった。

2023.4~12
 SQUEEZEはいつの間にか規模が爆肥大化しており、学内への他大生の入構も許可されて、4年目にしてついに理想的なサークルライフを手に入れた。
 ついに学レギュの最上級世代となり、最初に迎える大会が思い入れの強いabcmorphousだった。今回こそは…という気持ちがめちゃくちゃ強く、その想いが通じたのか、ペーパーこそギリギリだったものの早押しでまさかの大立ち回り。明らかに自分史上1番クイズが強い日だった。おそらくこの大会をきっかけに俺のことを知った人も多いだろうし、間違いなくクイズ人生を大きく変えてくれた大会だと思います。最後に❄️を獲得できて本当によかった。
 その後、abc d‘Azurやabc west-Tokyo2ndではペーパーで黄プレと上手くいくも2Rで負け。逆にペーパーで大失敗した学生短文王は3Rまで進むなどなかなかチグハグな戦績が続く。結局、abcまでペーパーと早押し両方強い回は1回も存在しなかったな😢

abc直前期~当日

直前期
 2月中旬くらいまでは座学の内容に特に変化はなかった気がする。ちなみに、俺は基本的に雑多にいろんな問題集が入ったAnkiのデッキをひたすら回し続けるスタイルで1年半くらいやってきました(同じような問題が続くと飽きちゃうからってのが大きい)。企画準備とかで少し入るのは遅れてしまったけど、2月半ばに対ペフォルダが発足すると、解いた分は別デッキで回した。ついでに去年の対ペも少し復習していた。
 2月後半以降は大会や企画が続くありがたい日々。STUは(自分らの対策企画のおかげでペーパーとστυ1問ずつ拾えたのは良かったけど)さておき、翌日のabc d'Azur2ndは2大会連続の黄プレ→2R負け。自分の結果は可もなく不可もなくという感じで特に何も思わなかったのだが、それよりも青や黄色にあまり予想していなかった名前がちらほらあったことがだいぶ気になった。自分が知らないところで伸びている人や仕上げてきている人はたくさんいるということに気付かされた。そう考えると、緑に落ちている紙抜け常連も結構いた中で黄色に踏みとどまれた自分は偉いんじゃないかとも思えてきた。
 その周囲の伸びへの不安はabc mimicryやSTK2ndで緑プレートに甘んじたり、翠帝戦で紙落ちしたりしたことで更に大きくなった。いずれもabcのペーパーと比較するべきものではないかもしれないし、そもそも自分の出力もダメだったのだが、傾向によっては俺より強い人なんて全然いるよなと。一方でmimicryとSTKでは緑から連付5-2を抜けたし、過渡期杯や丸原の対策企画では強豪も多くいた中で決勝まで進めたりもしたので、紙さえ抜ければ早押しはどうにかなるのでは?と思ってしまった。このあたりからとにかく紙抜けすることだけに注力し、実際にボタンに触れる機会はほぼ企画の時だけになっていた。その企画でも、abc1週間前の2企画で続けて早々に負け、早押しにも一抹の不安は残すことに。それでもほぼペーパーのことしか考えてなかったあたり、心の中では紙抜けが最大目標になってしまっていたのかもしれない。
 少し話が逸れますが、今年の対ペはこれまでに参加した過去2年に比べて、良質な群がとても増えているなと感じました。クイズ界全体でノウハウが蓄積された結果かもしれないけど、直前期にこのような環境に身を置けてありがたい限り。ペーパー解くのは好きなので来年以降もフォルダにだけ入りたいな…。

前日~当日朝
 早起きが苦手かつロングスリーパーという絶望的な体質のため、八千代市内のアパホテルに前泊してコンディションを整えることに。夕方ごろ着いて夕飯を済ませてから、前日まで残していた対ペ数枚を解いたのだが、まあ感触が悪い。特に、最後のつもりで解いた青池上野渡邉ペーパーは得点ランキングが出ていたのだが、とても抜けられるような点数ではなく、当日の引きによっては100傑にすら入れないんじゃないかと焦燥に駆られた。さすがにこんな状態じゃ安心して眠れないので、急遽もう2枚ペーパーを解き(それも思うような点は取れなかったが)、ダジュール2ndの問題集に急ピッチで目を通してから寝ることにした……のだが、不安で全く寝つけない!!!!! 睡眠時間が翌日のパフォーマンスに如実に現れるタイプなので1分でも長く寝たかったのだが、寝なきゃと思えば思うほど眠れず。結局、出発ギリギリまで寝たことで4~5時間は休めたが、もし前乗りしていなかったら恐ろしかったな。
 翌日、買った時からabcに着ていくと決めていたセットアップの服を着て部屋を出た。エレベーターや近くのコンビニで同じホテルに泊まっていた多くのMutius勢に遭遇し、軽く挨拶を交わす。会場最寄りの1駅前から電車に乗ると、同じ車両にChocoがいたりした。クイズプレイヤーでごった返す八千代中央駅から会場まで歩き、他のEQIDENメンバーが揃うまではひたすらAnkiを回し続けた。今更新しいことを覚えたいとかではなく、ただただ出力の確認と、何もしないでいることによる不安を感じたくなかっただけだったと思う。ただでさえ、対ペは50枚くらいしか解けなかったし、読んでおきたかった問題集も全然消化できないまま当日を迎えてしまったので、少しでも怖さ・苦しさを紛らわせたかった。
 会場に入って席に着き、パンフレットを読むのもほどほどに最終確認。最後は苦手な漫画雑誌を叩き込んだ気がする。ペーパー前のBGMが流れているときの緊張感はやはり普段の大会以上にすごかったが、個人的にはいつもペーパーを解く時に流していたし特に気負いすることはなかったと思う。ペーパーが配られたあとは、ひたすら瞑想と深呼吸をしながら開始の合図を待った。

1R ペーパー
 いよいよ最後のabcが始まった。まずは4択。前半はわりとスムーズに埋められたが、怖い問題はかなり多かったし、俺はたまたま知ってるけど多くの人が躓きそうだなと思った問題もいくつかあった。後半になると、本当に分からず「1回飛ばすか…」となる問題が連発した。明らかに過去4~5年の中では1番難しい4択だったと思う。自分の中では、4択は筆記が強い200人を選ぶためのものだと解釈していたので、正直そのイメージとは違った。枠は拡張されたし、4択抜け自体は大丈夫だろ…と言い聞かせつつも、もしこの4択が原因で紙落ちでもしたらとても死にきれないなと内心思っていた。早押し問題まで全て目を通した今思えば、4択も意図された傾向変化なのかなと納得できる部分は大きいのだが。
 多少のモヤモヤを残しつつ、4択落ちしてない限り筆記で文句のない点を取れば何の問題ない、と切り替えることに。すると、筆記は序盤からかなりの好感触。去年は前半でボロボロ落としまくっていただけに、順調に解き進められている今年はいけるぞと自分を勢いづけられた。ある程度確信を持って埋められる問題が終盤まで多く、解き終えたときには「ワンチャンあるな」と思えた。とはいえ、自分が解けるなら他の人もみんな解けているかもしれないし、過去2年のボーダーのインフレ具合も見てきたので、この時点では紙抜けの自信は5~6割程度。まさか青プレだなんて微塵も頭にはなかった。

昼休み
 EQIDENに響くのを嫌ってか自己採点をしない人が多かった気がするが、俺はむしろ自分の点数が分からないほうが落ち着かないので普段通り自己採点をすることに。ホール内は電波が悪く、会場を出てすぐのところを陣取っていたら、早稲田の2年勢が寄ってきて囲まれながら丸つけを始めた。
 まず4択は予想外の前半満点スタート。後半は凡ミスもいくつかあったものの、感触よりは全然悪くなく85点。これでまず4択落ちの心配は払拭できた。次いで筆記も3枚目(75番)までで4ミスと想定以上の出来。80番以降は分からないものもそこそこかさんで86点。囲んでいた早稲田2年勢は「こんなに取れてないな~」的な反応で、結構高いのか?という気にはなったが、一昨年のボーダーが86だったことを思い出し、「このくらいがボーダーな気もするな~」と本気で口走っていた。この時点でも、自己採ミスとかの可能性も考慮して紙抜けの自信は7割くらい。そんな状態でしゃにむにを発見し、点数を伝えると「絶対抜けてるよ!?なんなら黄色じゃない?」と予想外の返事をもらう。どうやら、その時点でしゃにむにが把握していた中では3番目に高かったらしく、そこで初めて自分が高得点であることを知る。正直まだ疑心暗鬼だったものの、ひとまず安心してEQIDENに備えることにした。

EQIDEN予選~本戦
 俺は10区で、3年連続で予選の最終走者を務めた。おそらく俺が5区で出るのがセオリーだったと思うし、実際「10区なんだ~」と何人かに言われた。これにはかなり恣意的な理由があって、オーダー決めのときに「俺は自力でabcの壇上に行くから、りほちゃんがEQIDENの壇上に立てる可能性を高くしてあげてほしい」と懇願したことにより、りほちゃんが5区・俺が10区の布陣となった。今年のメンバーなら本戦も十分狙えると思っていたからこその案でもあった。
 組分けの発表、我々はシード外のうち4択7位くらいの好順位につけた。みんなよくやったぞ~!と思ったのも束の間、相手は京大と判明。さすがに引きが悪すぎた。半ば諦めた状態で招集場所に向かったのだが、その途中で直前期に関東EQIDEN練習会を主催してくれた東言くんからの激励をもらい、やってみなきゃ分かんねぇよな!という気持ちになった。なお、結果は手も足も出ずボロ負け。俺も木村・押切の最強コンビと相対し1○しかできず…。一度もチームを壇上に導くことが叶わず悔しいけど、来年以降の本戦進出に大いに期待しています。
 自分たち以外のところだと、SQUEEZE会員が所属していて正直当落線上かなと思っていた駒澤・お茶・上智が無事に4択通過を果たせていてよかった。特に、駒澤は去年ボタンにつくことができなかったこともあり、ゆいこが安堵の涙を流しているのを見て「みんなそれぞれの思いを抱えて臨んでる大会なんだなぁ…」と再認識した。練習会の成果もあってか、本戦に進んだ関東のチームが昨年の4校から8校に倍増していたのもとてもよかった。そんな中、慶應が予選で敗退してしまったのは結構ショックだった。関わりのある人が多く、強さを知っていたので本気で優勝候補の一角だと思っていたのだが、シード校が辞退した関係で都立大と潰し合う運命になってしまったのが何とも…。個人的には、シードの制度って必要なのかな?と思ってしまうところであった。
 本戦では、東大・中央・都立が練習会のときと同様の強さを発揮していた。中央と都立は1~4区の早押し自慢たちが爆速で繋げ、5区のエースが決め切るのが定石なのかなと見ていたのだが、まさにその通りの勝ち方を本番でもしていてすごかったな。西東京どうし隣の枠で相乗効果もあったのかなと思う。お互いの復路進出を喜び合うシーンは感動的だった。東大は上野くんがブレーキをかけてしまうのは意外だったけど、競った展開で相手に押させて誤答させたのは貫禄勝ちだと思うし、最後怖い問題で自分を信じ切って答えていたのはかっこよすぎた。一方で、予選めちゃくちゃ強かった京大や、こちらも層の厚い早稲田が思うように襷を繋げず散ってしまうのも本番の怖さ。個人戦とチーム戦の違ったドラマが生まれる贅沢な1日ですね。話を戻すと、東大の復路は圧巻としか言いようがなかった。過去2年の悔しい結果も背負って戦っていただろうし、関東の盟主としてのプライドを感じました。EQIDENに関してはほとんど観客でしかなかったので、本戦に出た全チームに見応えのある勝負をありがとうと言いたいです。途中から自分のabcのほうが気が気でなくなってしまったのだが…。

2R 連付き5○2×
・1組目
 ペーパー1位は松崎くん。93点は全てが上振れても絶対届かなかっただろうなぁ。彼の1位自体に驚きはなかったが、それよりも「上野くんじゃないんだ」という衝撃はあった。ここ1年短文基本の大会でポールポジションを取り続けた上野くんの青や、直近の大会で圧倒的な強さだった今井くんの緑→トビを目の当たりにし、下馬評通りに進むような大会ではないんだなと改めて感じる。
 そして個人的なこの組最大のサプライズはやはり蓮沼零央でしょう。彼の強さは一緒にクイズをしたことがある人なら誰もが認めるところだが、紙は伸び悩んでいる印象だった。本人もabc数日前に「いや~、今年は無理そうです」と語っていただけに、名前が出た瞬間はデカい声を上げてしまった。序盤に1×をしてしまい、いくら蓮沼でも初abcはさすがに厳しいのか?と思っていたらいつの間にかリーチをかけ、何食わぬ顔でラスト1枠をもぎ取っているんだからこいつは本物だ。精神力といい、適応力といい、彼は俺にないものを全部持っている気がする。すごいとしか言いようがないな。
 あとは、藤原さんの「ゲノム開発→ELSI」の誤答は多分俺の対策企画のせいなので申し訳なし…という感じでした。

・2組目
 2位は「なんとこの方!」で案の定田中くんだった。定義上「びっくりの赤」ではあるが、年間を通した彼の活躍ぶりを見ていた人ならそんなに驚かなかったのではなかろうか。そして、かずほが無事に紙を抜けてくれた。多くの人が言うように、かずほのいないabcの壇上は有り得ないと思っていたので、本当によかった。罪刑法定主義の問題、「どのような」で絶対押すよなと思ったし、軌道修正してくれ~と願っていた。結果的に0○で壇上を去ることになってしまったが、この1年苦しい時期が長かったと思うし、戦い抜いたことに拍手を送りたい。あとは、何回か話したことのある市川くんの1抜けには感動した。彼の思い切りの良いクイズが個人的に好きなのだが、最近は2Rであまり思うように勝てていなかった印象だったので、報われてくれてよかった。
 そして、この組のメンツのうち、ふっくー・Choco・かずほよりは自己採の点数が高いことを知らされていたので、デカいミスをしていない限りは黄プレ以上であることが確定した。まさか青だとはこの時点でも考えてすらいなかったのだが。

・3組目
 しゃにむにの3位はかなり嬉しかった。彼がどれほどクイズばっかりしているかを知っていたので、赤プレは順当と言っていいと思う。早押しも圧倒的で、今日優勝するんじゃないかと本気で思った。トルエンの押し、何が来てもいけるという自信を感じてめちゃかっこよかったな。犬飼の「びっくりの青」も、人々からしたら全然びっくりではなかったんじゃないかな。王くんのクイズは初めて見たのだが、高校生ながらあれだけ堂々と立ち振る舞う姿にはスター性を感じた。
 そしてこの裏で、俺はさすがに呼ばれなさすぎて不安になり、改めて自己採の点数計算をするなどしていた。自分に自信がなさすぎて情けない。

・4組目
 ターンオーバーの前、この時点で呼ばれてない人を思いつく限り挙げてみた。自分は黄色の1枠目か2枠目と仮定し、まず高橋・丸原は俺より上だろうなと考えた。2Rの前に声をかけた吉木&工藤の北大コンビも自信ありげな顔をしていたので上のほうで呼ばれるかも。他にも何人かの名前を出し、自分の立ち位置にはまあ矛盾はないだろうと思った。
 いよいよ運命のターンオーバー、4位にはなんと吉木くんの名前が。これはまさにびっくりの赤だった。すごすぎる。そして、これを受けて「青は人参丸原で確定かな~。俺は黄色で出るだろうから、雄叫びの1つでも上げて向かうか~」と少し冷静になっていたら、青で表示されたのは予想していた2人の名前ではなく、なんと俺。完全にパニクってしまい、雄叫びどころではなく、隣の席のりほちゃんに抱きついてしまった。感極まりながらも立ち上がり、招集場所へ向かう。その後、黄色で人参くんと丸原が呼ばれ、工藤さんの名前も。丸原と2Rで同組になるのはなんだかんだ5回目かな。彼は4組目で呼ばれることが約束されているので、つまりは俺もそれだけ4組目が多かったということ。北大コンビとは、俺らの対策企画に来てくれたあとに「次はabcの壇上で会いましょう」と誓っていて、それが本当に実現したのは感慨深いものがあった。緑には前回王者の問くんや、何度か対戦して早押しの強さを知っていた大谷くんなどがおり、当然ではあるが猛者揃いだな~と思いながら壇上に向かう。
 壇上からの景色は思ったより何も見えなくて、その分、問読みと正誤判定のスポットライトがめちゃくちゃ眩しかった。着席し、北村くんの同志社8年ぶりの通過や、吉木くんのびっくりの赤がアナウンスされ、ついに"その時"が。「第12位 大和田太郎さんはびっくりの青、そして東洋大学から初の通過となります!」 初めて参加した20thでりーぬさんのお茶大から初通過のアナウンスを聞いてから、自分もこの言葉をホールに響かせることを目標にやってきたので、いざそれを聞いて約1000人からの万雷の拍手を浴びた瞬間に涙が溢れてしまった。もう少しまともな顔面で配信に乗りたかった気持ちはあるが…。しかもびっくりの青というおまけ付き。大会前に俺が青プレを取るなんて誰が予想できたでしょうか。本番って本当に何があるか分かりませんね。思い描いていたものをさらに超える光景が広がっていることがとても信じられなかった。裏を返せば、ここで夢見心地になってしまったことが早押しに響いたのかなって気もする。

せっかくだし1問ずつ振り返ってみようかな。
・三平方の定理……時事として知ってはいたが押し負け
・からっ風……俺も最初にもみじおろしが浮かび、でも違う気がして押さなかったらやっぱり違った
・宮川大輔……浮かんだけど不安だった
・超党派……これもコアビタシオンとかの可能性もあるかなぁと思い、少し躊躇ってしまった
・大江健三郎、インビザライン……押し負け
・レディオヘッド……知らなかった
・ネガティブスプリット……押されたところでは無理だったな
・UVレジン……知らず、ジェルネイルの納得感は確かにある
・卵割……誤答直後にあそこで押せるのすごすぎない?俺も何か答えろって言われたらそう答えていたと思うけど…
・海千山千……老獪とかかな~と思ったら違った
・27時間テレビ……完全に記憶からすっぽ抜けていた。覚えていたら押してたかも
・山椒……知ってはいたが自信がなくなってしまい、押し負け
・バウハウス、ギルド、王水、常体、ダフネ……全部押されたところでは分かってはいたんだが…という感じ。このへんから焦りが出始める
・インディ・ジョーンズ……知らなかったな
・すが入る……そうかなぁと思っていたらそうだった。ここで飛んでしまったカワホントさんに背中を叩かれ、気合いを入れ直す
・カナの婚礼……押し負け。丸原すげぇよ~、なんでこんなに精度の高いクイズができるんだ、とシンプルに尊敬。声をかけてもらったが、何と言われたかは全く覚えていない
・バックギャモン……1拍置かれたところで勘で読ませ押しすればよかったなぁと思った、結果論だけど
・コンプトン効果……結局こういうのを自信持って押せるレベルにまで仕上げられなかったんだな、と反省している
・国際子ども図書館……知らなかった
・ロイヤル・バレエ団……高田茜の変換に時間がかかってしまった。絶対聞いたことあるんだから押して考えればよかったのにな~と当時の自分に言いたくなる
・中江兆民……これもなんで躊躇ったんだろな
・純喫茶……飛びリーチで押せる胆力がすごい。歌声喫茶とかも浮かんだのだが、終わってからしゃにむにが「このフリが1番妥当になるのは純喫茶じゃない?」と話していて、確かにと思った
・コンピテンシー……知らなかった
・授時暦、荒川弘……厳しかった
・GDPデフレーター、氷山の一角……押し負け。これで正解を出していないのが俺だけになり、余計に焦りが加速する。気づいたらリーチだらけだし
・石舞台古墳……押されたところでは分からず。藤田くんが勝ち抜けたとき、隣の俺の顔が青ざめすぎている。とてもクイズを楽しむなんて気持ちにはなれていなかった
・上村松園……正直当たりをつけていたわけでもなんでもなく、もしかしたら分かるかもなと思って押したが、全然分からなかった。すゑひろがりずか?とか思ったが、今の短文基本に出るわけないし、よく考えたら狂言だし。ただ押したことを後悔はしていない。
ここでいろんな方向から「いけるよー!」の声をもらった。本当にありがたい。配信に乗ってる甲高い声はゆいこだろうか。
・マルチング……もし前の問題で正解していれば、連答狙いで押して答えられてたかなぁみたいな世界線を考えてしまう
・JAMSTEC、ルター、大岡裁き……押し負け。ここらでスコアを確認してヤバいヤバいとなるいつもの負けパターン
・クラーク……押されたところでは厳しい
・気象(天気)予報士……「情報番組でおなじみ」と言われ、出演者の名前が来そうだなと冷静に判断できていた。そして1人目で知ってる名前が聞こえたので解答。「天気の人だ!」というのが最初に浮かんだのと、ようやく分かる問題を押せたという安堵から、あまり考えずに「天気予報士」という架空の職業名を口にしてしまった。全然もう1回取られても、なんなら即バツでも文句言えないレベルな気もするが、○にしていただき感謝。あまり誇れる正解ではないけど、1○には変わりないと思うことにします
ここで「連答リーチです!」と言われ、そういえばそうかと、まだチャンスあるじゃんと気づけた
・QBハウス、今敏……ここで知らない問題が続けてきてしまい、まあそんな上手くいかんよな~と着席
・クメン法……無理だな~
・CBT……これもなんで躊躇したんだろうという感じ。鶴巻くん、飄々と5○積んでてかっこいいな
あと1人となったところで、「たろーいけるよ!」の応援が聞こえてきた。声の主はおそらく安達だとすぐに気づいた。自分の紙落ちが確定して悔しかったはずだろうに、俺のために声を張り上げてくれたのは胸に来るものがあった。彼を含めて壇上に届かなかった人たちの分まで諦めずに戦わなきゃいけないんだという気持ちを込めて、俺も拳を上げて返した。
・さざなみ……押しには行ったものの及ばず。俺には「さんずいにつ」までしか聞こえていなかったので、ボタンがついていても厳しかったと思う。
この時は素直に吉木くんの勝ち抜けを喜べた。というか、自分にとってあまりにも苦しい壇上だったので、終わってくれてよかったという気持ちもあったような。実際映像を見たら、敗退者の誰よりも早く席を立っていたし。

 客席に戻るとじわじわと悔しさ、不甲斐ない気持ちが沸いてきた。早押しが振るわなかった要因としては、直前期にボタンを押す機会が足りなかったこと、感極まりすぎて早押しに挑む状態じゃなくなっていたこと、普段の大会とも違う壇上の空気感に慣れなかったこと、青からの戦い方が分からなかったこと(これまでの大会でもアド持ちから抜けることはほとんどなかった)などがあると思うけど、結局は最後まで自分のクイズを信じ切ることができなかったことに尽きると思う。もう少し実力に自信を持てていたら早押しにも反映させられたんだろうけど、ギリギリまで自分の紙抜けすら疑心暗鬼になるくらいには気持ちが弱かった。俺は自分が思ってるよりずっとクイズ強いんだぞと、無理やりにでも己に叩き込みたかったな。
 その一方で、いろんな人から祝福の言葉をもらえて、自分が成し遂げたことの大きさも徐々に実感し始めた。俺の活躍に泣いてくれた後輩なども何人もいて、こんな俺でもたくさんの愛をもらえていたんだな…とひしひしと感じることができた。かずほやあだちとは「これからもクイズしような」と少年漫画的な約束を交わした気がする。憧れの川田さんにも「かっこよかった」と言ってもらえて感無量だったが、変なタイミングでご結婚のお祝いをしてしまい、困惑させてしまったのは猛省。

次点発表
 ホールの外にいて見てなかったのだが、あとから聞いて、蓮沼が抜けた時と同じくらいデカい声が出た。4組目の前、高橋丸原の次に来るのはまみこさんとかかな~と勝手に予想していたりしたので、だいぶ衝撃だったな。来年すべてが報われてほしい。
 それにしても、次点で呼ばれたあとのインタビューってなかなかに酷だよなぁ。

3R
・Swedish10
 松崎くんが序盤からかなり差をつけ、それに新垣くんも追いついたところで勝負アリかな…と思っていたら、まさかこんなどんでん返しの展開になるとは。1人出遅れていた蓮沼がいつの間にかリーチをかけているの、本当にキモかったな(褒め言葉)。とはいえ、普段の蓮沼を知っている身からしたら、最後鶴巻くんとの一騎打ちでリードしながら捲られるのはちょっと意外だったかも。壇上経験の差が出たのかな~とも思うが、鶴巻くんが2問とも完璧な押しをしていたので仕方ない。上位をあそこまで追い詰めただけでも、蓮沼の強さは十分知れ渡ったと思います。あと2年でどうなっちまうんだろうか。

・10up-down
 もし3Rに進めていたら俺の本命だったコース。前半の早押しの応酬にはとてもついていけてなさそうだな~と思いながら観戦していた。
 8ポイントで3人が並ぶ佳境となり、そこから一歩抜け出したしゃにむにの勝利を信じて疑わなかった、のだが…。本人もたびたび危惧していたヒューマンエラーが、あろうことか1番出てはいけない場面で出てしまった。今改めてそのシーンを見ても胸がヒュンとなる。これがup-downというルールの恐ろしさなのだろうけど、仲間が壇上でうなだれる姿はやはり見たくはなかった。でもきっと彼のクイズ人生はまだ序章に過ぎない。ストーリーの展開的にはこういう出来事があったほうが面白いだろう。いつか本物の「クイズマン」になるまで、活躍を見届け続けたい。

・10by10
 途中かなり平たい展開でどうなるのかなと思い見ていたが、最後はラストイヤーの貫禄勝ちだったか。上野くんも人参くんも、いつもよりもかなり気合いが乗っているように見えたが、それでも安定感は損なわず流石だった。関東の学生クイズを牽引してきた同期2人が勝ってくれたのは嬉しい。

・Freeze10
 これだけ実力者が揃っている中でも独壇場にできる田中くん、本当に何者なんだ。彼を含め、壇上に立つ高校生はみんな肝が据わってるなぁといつも思う。
 そして彼があっという間に抜けた後、丸原がやってくれた。木村くんの絶叫解答での追い上げなんかもめちゃくちゃ痺れたが、よく逃げ切ってくれた。ここまで辿り着くまでにかなりの苦労もあったみたいだし、最後は積年の感情が爆発したのだろう。丸原とはHosmiQ時代からの付き合いになるが、出会った時から停滞することなく強くなっていって、ずっと追いつけそうで追いつけない相手だな~と思っていた。最後の最後に俺のほうが良い順位の席に座ることはできたが、やはり彼は俺にはとても成し得ないことをやってくれる人だった。同期として誇りに思う。

ER
 俺はアメリカ独立宣言の年号のみを外し、壇上には惜しくも届かず。そういう人は他にもたくさんいそうだけども。
 最後の「ビタミンE」が対策企画と被ったからか、2nd Step進出者にはSQUEEZE勢が何人もいた。その中には山本航大(以下にゃ)の名前があった。にゃがabcフォーマットの大会で押しているのを見るのは記憶上初めて。間違いなく強いプレイヤーなのだが、壇上にはなかなか縁がなかった。そんな彼がabcという1番の晴れ舞台で、にゃらしい正解も決めて4年間の集大成を飾れたのは本当に良かったと思うし、俺としても、にゃというプレイヤーの存在をみんなに知ってもらうことができてすごく嬉しかった。
 勝ち抜けた松崎くん、3Rで相当ダメージの残りそうな負け方をしてしまい、ここでも犬飼のチャージがあってかなり難しい戦いだったとは思うけど、それでも最後決め切れるのは生半可な強さではないなぁと感嘆した。

SF
 9人中4人が2Rで同組だった人で、これなら負けても仕方なかったのでは?という気持ちになった。良くないですね。
 ここまで残った9人なだけあって、どのセットも誤答が少なくハイレベルすぎたな。2セット目で丸原が6点で落ちちゃったのはマジか~という感じだった。ちなみに「ガオカオ」をあそこで押せたのは俺らの対策企画(作ったのは俺じゃないけど)と同じようなフリだったからだと思うので、人助けした気分でよかった。俺なら絶対『金蓉』って言ってると思うが…。3セット目の上野くんは圧倒的というか、制圧的というか。こんなクイズを1回くらいしてみたいものだなぁと思う。

決勝
 メンバーを見て、3人とも今回が5回目のabcペーパー通過で、俺がabcの存在を知る前から活躍してるような人たちなんだなぁとふと思った。歴と実力は必ずしも比例するわけではないだろうけど、積み重ねてきたものの偉大さは感じたな。俺も紙落ちしてしまった仲間をセコンドで連れて行くとかしてみたいものだった。
 新トリセはルールがずっと同じで、流れを変えるのは難しいのかなと思っていた。しかしそれぞれセットを分け合う拮抗した展開になりとても見応えがあったし、1セット獲得してから一気に連取した松崎くんは完全に王者のクイズだった。おめでとう。

終了後
 まずSQUEEZEの面々で集合写真を撮影。2年前は単独でEQIDENに出ることすらできなかったのに、こんなに大所帯になって仲間に恵まれたことを実感し、改めて感慨深い。兼サー勢の成績をSQUEEZEの手柄にするのはあんまり良くないとは思うけど、一応9人も抜けてるんだからすごいサークルになったな。
 次いで、ラストイヤーの同期でも集合写真を撮ることに。その際、mightくんや人参くんから「すごいね」と声をかけてもらい、ずっと壇上での活躍ぶりを眺めることしかできなかった強い同期たちにやっと少しは認めてもらえたのかなと、この日1番報われた気持ちになれた。同期鯖はもうずっと動いていないし、あまり横の繋がりが強い世代ではなかったように思うが、同期はやはり刺激をくれる特別な存在だったな。アド持ち24人中16人が大4という結果にはラストイヤーの底力を感じたし、自分もその一翼を担えたことを誇りに思う。
 大会後すぐに発表された100傑動画を見ると、頭を抱えたくなるような結果がいくつもあった。まず、ながみねくん。あまり詳しいことは言えないが、彼がこの1年苦しい日々を送っていたのを見てきたので、最後報われてほしかった。直近の大会ではついに結果も出始めていて、チャンスはあるかなと思っていたが…。とはいえ、abcに無事に参加できたというだけでも正直安堵している部分もある。あとはのまてむ、あだちあたりも壇上にいてほしかったし、いるべきプレイヤーだと思っていた。2人とも俺が好きな感じのクイズをしてくれるので、別の舞台で輝きを見せてほしいな。一方、今後が楽しみになる名前もたくさんあった。俺の自己採点を囲んでいた早稲田2年勢は全員100傑に入っていた。今年度以降の学レギュは、蓮沼を筆頭にダジュール世代(?)が席巻すると信じているので、来年はみんなで壇上を賑わせてくれるのを楽しみにしてます。大スタ1年で70位台の宮田も、大1に限れば世代4番手だからね、凄すぎるよ。あべしんは惜しくも届かず103位だったようだけど、それでも去年の俺よりは順位高いので、来年のabcでも今年の俺を超えてください。道標にはなれたと思うので。SQUEEZEはわりと俺が背負ってきた自負はあるし、俺らの世代が抜けることで過渡期を迎えそうな不安もあるが、俺の活躍が出発点になることを期待しています。

最後にいろいろ

 ようやく振り返り終わりました。気づけばもうabcから1ヶ月が経ってしまった…。
 俺は常々「いっぱいクイズがしたい!」の一心で大会に臨んでいたし、それが座学を頑張るモチベーションでもありました。でもabcだけは違った。とにかく俺の名前をabc recordに載せたい。東洋大から初の通過者として歴史に名を刻みたい。今までの人生で1番大きなことを成し遂げたい。そんな色気づいたことばかり考えていた。だからこそ、普段は全然苦じゃないはずのAnkiや対ペで精神的に追い詰められることも多々あった。まあ運良く結果を残せたからいいものの、今振り返ってみれば「なんでせっかくの舞台で全然楽しくクイズができなかったんだろうなぁ」と悔やむ気持ちが湧いてくる。紙抜けしたことないが故の余裕のなさだったのかもしれないけど、それにしても紙抜けだけに囚われすぎていたな。
 青プレを取ったことでなんと☆☆☆になってしまったわけですが、特別自分のクイズに自信がついたわけでもなく、むしろ早押しで大失敗したことで、歴代の3☆プレイヤーの中で1番クイズが弱いんじゃないかとまで思ったりしている。紙落ちした人の中にも俺より早押し強い人はたくさんいるだろうし。ただ、あの日のペーパーで俺が12番目に強かったということだけは紛れもない事実。いくら自信がなくても、ボタンにつくことが許される選ばれし48人に入れたことは誇らないと、紙落ちしてしまった人やスタッフの方々に失礼だよなと思う。
 俺のこの経験から、下馬評や今までの大会の成績なんてのは関係ないんだよということだけは伝えていきたいです。俺がabcより前の全国規模の大会で取った最高順位は17位だったし、abc本番で初めてペーパーで勝ったような人も何人もいました。参加者の半数以上が対ペフォルダに参加し、現実的に紙抜けを狙える位置にいた人はおそらく100人を超えるでしょう。そんな激化した状況だからこそ、1問違っても1日違っても48枠に入る人間は変わりうるものです。たった100問ないし200問で普遍的なクイズの強さの順位付けなどできるわけがないし、頑張った人が必ず報われるわけでもない理不尽な世界ではあると思います。でも当日の引き次第では突然順位が跳ね上がることだって起こります。その可能性を信じて研鑽を積んでいれば、誰だっていつかその日は来るんじゃないかなと思うし、俺はそう信じたい。
 俺は4年間のほとんどをクイズに捧げてきました。ほとんどの大学生がやるべきことや経験するようなことの多くをドブに捨ててきたと思います。社会的に見れば相当もったいない大学生活だったかもしれないけど、俺は全然後悔はしていません。その分、他人が経験できないようなことをたくさんさせてもらったと思っています。トータルで見れば客席から羨望の眼差しを送っていただけの期間のほうが全然長いんですが、最後の1年は多くの大会で壇上に行かせてもらったりして恵まれた学生クイズ人生だったと思います。morphous5thとabcで少なくとも2回は人々の記憶に残るような活躍もできたし。俺にとってはabcが卒業式で、abcのプレートが卒業証書みたいなものです。最後の晴れ舞台を最高の問題群や演出のもとで、お世話になった諸先輩方や切磋琢磨したきた同期、背中を見てきてくれた後輩たちに見守られながら迎えることができたのは何にも変え難い幸せでした。こんなに素敵な人たちに応援してもらえることになるんだよと、サークルに全然人がいなかった頃の自分に教えてあげたいな。
 俺はabcを最後に競技クイズのプレイヤーとしては一度身を引こうと考えていました。ところがどっこい、今ではクイズをしたくて仕方がない。出るつもりがなかったabcGratsと新人王にもエントリーしてしまった。またクイズしましょうと言ってくれた後輩も何人もいたし、これまでほどの強度ではないにしろ続けていければと思う。壇上に大きな忘れ物もしてしまったことだし。同時に今後は、何者でもなかった自分を育ててくれたクイズ界やabcに恩返しもできればなと思う。今回のabcの問題群は言うまでもなくめちゃくちゃ良かったし、まだまだ短文基本は進化できるんだなと感じさせてくれた(俺は「セ・パ交流戦」とかEQIDENの「曙」とかが好きでした)。この素晴らしい舞台を守り、発展させられる一助になっていきたいと思っています。


 最後は言いたいことがとっちらかってしまったような気もするけど、4年間で出会った全ての人たちに改めて感謝をして、締めさせていただきたいと思います。この先まずは自分の人生を頑張りたいですが、落ち着いたらいろんなところでもりもりとクイズをしたいですね。
 これにて、俺のabc the22ndは終了です。長々とここまでお付き合いいただきありがとうございました

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