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古き良き革靴、3都市チャーチと、再び鞄について語る。

引き続き、靴と鞄の話です。
そういえば昔のこち亀で、靴と鞄を読み違えた両さんが派出所のみんなに笑われる、なんてエピソードもありましたね。正直、バカにされるほどのこと?と思いましたが。「そんなこと、どうでもいいじゃねえか。」と言われれば、それもそうなのですが。

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表題の3都市チャーチとは、80年代初頭から、99年に某ラグジュアリーブランドに買収されて、ラグジュアリーブランドの顔をし始める前の、古き良き時代であった頃のチャーチの製品のことをいいます(旧チャーチ。)。

なぜ3都市と呼ぶかは画像のとおりで、「ロンドン・ニューヨーク・パリ」の3都市がインソール(最近はソックシートと呼ぶ方がメジャーなのだろうか。)に記載されているからです。

ちなみに現行品は5都市になっています。なので「旧チャーチというなら4都市チャーチだろう。」というのは至極もっともですが、世間ではそう呼びません。

ちなみに3都市チャーチより古い、2都市チャーチも存在していますが、さすがにコンディションの良いものはもう見掛けません。そも、あっても、買わないと思います。
古過ぎるチャーチは、ラストの関係か、いくらなんでもシルエットが野暮った過ぎるなぁと…

現行品は、ミラノと東京が追加されている。※引用です。すみません。

現行品とはラストも違い、外面もノーズが丸く短く、ぽってりとしているのが愛らしいです。

紐が青いのはカメラの都合

少し前、「ジョンストン&マーフィー」の記事でも書きましたが、私は今どき流行らない、ノーズがぽってりとした、クラシカルな顔立ちをしている靴の方が好きなのです。だって、かわいいじゃないですか。

ちなみに私の3都市チャーチは、「バークロフト」。同じチャーチのコンサルやディプロマとかと比べればドマイナーですが、これ、デッドストックだったんですよね。

この「バークロフト」では、チャーチ製品でよく名前を聞く「ブックバインダーカーフ」を使用しているため、防水性も高く、ソールもオールソール交換でダイナイトソールに変更したこともあり、今や雨の日最強のお友達になりました。

いや、貴重な3都市チャーチをそんな場面で履くなよ、って感じですが。実際、色合いとかも超かっこいいので、雨の日に履くのは止めました。普通に、ちょっと特別な日に履きたいくらいお気に入りの靴です。それを言い出したら、雨の日に履ける靴なんてなくなってしまいますけどね。

なお、他のブランドの商品紹介で用いられることの多い「ガラスレザー」と、上述の「ブックバインダーカーフ」の違いに関しては、樹脂加工がされたカーフレザーという点では同じです。
全く以ってイコールということではありませんが。

あと、今はブックバインダーカーフとは呼ばず、ポリッシュバインダーカーフと呼ぶようですね。

靴のことくらいなら別に支障はないのですけど、最近、「おれって、いろいろと現在進行形の現代にアップデート出来ていないな。」と思うこともしばしばです。

翻って、そういう人間が老害になるんかな、とも思います。そういう自覚があるだけマシなのかもしれませんけど、自分で言うことでもないかなー。

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「フランクリンテーラード」(東京服装研究所)のショートハンドルトート。今はもうなくなってしまいましたが、名前のとおり日本のブランド(元EDIFICEの、板井さんという方が代表を務めていた。)で、この鞄も、職人の綺麗な女性(!)がこの骨太で、かつ色気ある鞄を作っていたんです。一生懸命に縫い込んで。

たぶん、2012年くらいかな。店頭で見掛けて、もう、一目惚れでした。値段も聞かずに買いました。でもこれで6万しないくらいでしたからね。どうかしてるよ!

底までこれでもかといわんばかりの革!

これの良さが仮に伝わらないとすれば、それは私の写真技術のなさが原因です。実物はそれくらい、かっこいいんですよ。

残念ながら使い勝手はよくないので、今はもうほとんど出番がないのですが、かっこよさでは未だに一番。

今にしてみれば、フランクリンテーラードも、見るからに高品質な製品を作り出していながら、いまいち訴求力に欠け、結局ブランドは消滅してしまいましたが、この鞄を見るたびに、惜しいなぁという思いに駆られます。
同じく元EDIFICEの人の「COMOLI」が流行っているだけに、なおさら。

商売って、難しいですね。

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次回かその次はそろそろ、オールデンについて書きたいなぁと思います。6月1日に値上げしますから、何らか購入をお考えの方はお早めに。
まあ、今の価格ですら、その価値はあるのかな?と思ってますけどね。ぶっちゃけ。

それはそれとして。
覚えていてくださったなら、そのときはまた是非。

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