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"The LE PLI"ARCHIVES-33/ ”一冊の本”から,「オムソーリ』という言葉が在る。

文責/平川武治:
初稿/2010年05月06日:
1)今読んでいる本の中からの言葉。/
参照/「分ち合い」の経済学/から抜粋と編集。岩波新書刊/神野直彦著:
 スエーデン語に「オムソーリ』という言葉が在る。
本来的意味は、「悲しみの分ち合い」である。

人間は悲しみや優しさを『分ち合い』ながら生きて行く動物である。
つまりは、人間は『分ち合う動物』である。

『分ち合い』によって、他者の生も可能となり、
自己の生も可能となるのである。

しかも、『分ち合い』は他者の生を可能にする事が、
自己の生の喜びでもあることを教えている。
人間の生き甲斐は
他者にとって自己の存在が必要不可欠だと実感できた時である。

『悲しみの分ち合い』は他者にとって自己が必要だという
生き甲斐を付与することになる。

共同体のように、社会を組織化するという思想。
つまり、共同体の中では共同体の構成員に任務が配分されるように、
社会の構成員にも任務が配分されなければならない。

共同体に在っては、すべての共同体の構成員が共同体に参加して
任務を果たしたいと願っている。

高齢者であろうと、障害者であろうと、
誰でもがかけがえのない能力という差異を持っている。
しかも、そうした能力を共同体のために発揮したいという欲求もある。

そうした欲求が充足された時に、人間は自分自身の存在価値を認識し、
幸福を実感できるからである。
これが『分ち合い』の思想である。

もう一つ、スエーデン語の”ラーゴム”という言葉がある。
意味は『ほどほど』と言うか、超過も不足も悪徳とする倫理を表す。
が、この言葉、「ほどよいバランス」という意味で
『分ち合い』と根底で結びついている。

極端に豊かになることも、極端に貧しくなることも嫌う”ラーゴム”は、
社会の構成員が人間らしい生活を営むように、
『分ち合う』ということを意味するからである。
参照/「”分ち合い”の経済学」/岩波新書/神野直彦著:から抜粋。

日本の本来の生活の中には
此の様な共同体で生きて行くための『分ち合い』のこゝろがありました。

真こゝろ、謙虚さ、思いやり、弁え、腹八分目、そして、
不義にして富まず、など等。

自我を拡大しきる。
そして、自我を自分の世界観、価値観の元に無にする迄に、
そこに『分ち合い』のこゝろが。

共同体の中では共同体の構成員に任務が配分されるように、
社会の構成員にも任務が配分されなければならない。
例えば、この任務が自分の好きな服を作ることであれば、
先ず、自分自身が幸せである。
その幸せを誰と『分ち合い』うことが出来るか?

唯、『分ち合い』の真こゝろと勇気があればいい。
それだけです。

服が作れないのに作れる振りをしている人たちは
何を他者と分ち合えば良いのでしょうね?
「優しさ」或いは、「なりすましの微笑み」。

文責/平川武治:
初稿/2010年05月06日:

#オムソーリ #分かち合い#生きる喜び#ひらかわ たけはる#taque#LE PLI

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