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ここ最近の読書まとめ

図書館利用は素晴らしいが積みまくり返却するという現象に囚われちゃうのが玉に瑕である。しかしそんな怠惰性の中でも面白かったbookをご紹介。

紀州のドン・ファン殺害 「真犯人」の正体 ゴーストライターが見た全真相

ドンファン周りについて内側から記述されているのが森達也のAに通づる気持ちよさがある。色々歪なんだけどある種牧歌的なノリも多くて面白い。そして所々強調される真実への手掛かりがゾっとする。

ドンファン含めドンファンに纏わる人物についてはパっと見全員きな臭く見えてしまうが、著者が内側に入りまくっているので結局結構普通の人たちなんだなあとほのぼの出来ます。因みに未だに公判始まってないのは完全にそういう事だよなあと。これの続編ぽいのもweb連載されているので併せて楽しめます。

日本AV全史

最早考古学と化したアダルトビデオの歴史をAV新法まで総ざらいで体感できる。「レンタルvsセル」であったり作り手の変容が見えてくるのが面白い。そして恵比寿マスカッツは実はとんでもないブレイクスルーだったのだなと実感。直近のトレンドも丁寧に抑えている。

特に適正AV以降のfc2などに蔓延る「同人AV」という新たなジャンルは壊滅しつつあるエロ本編集者が新たなフロンティアとして参入しているという記述は興味深い。あとプレステージの独立性や近代AV女優の凄まじいハードルの高さなど職業モノとして知らない世界で面白い。

あと装丁が凝りまくっててフィジカルとしても楽しめます。ページのグニャっとしたら現れる浮世絵が凝りまくり。


イノベーターズ 天才、ハッカー、ギークがおりなすデジタル革命史

パソコンやインターネットの通史としての決定版。これさえ読んでおけば今日までのデジタル発達のパイオニアたちのストーリーが全て分かる。広義のコンピュータの成立やインターネットという仕組みの開発の過程などワクワクできます。こんな神が与えしツールみたいに普遍的なっている世の中だが、アツい人間たちが信念を持って取り組んでるというのが面白い。

特にシリコンバレーに発展していくヒッピーコミュニティとデジタル文化との融合は当時の熱量とか文化的発展性が深く、日本にはないノリだなあと関心。パートごとのイノベーターたちを更にディグっていく余地があるのもワクワク継続性が高く、こういう歴史通読要素がある作品はビッグお好み焼きです。


金魚王国の崩壊

10年以上前に読んでたWEB漫画リバイバルブーム到来で新都社とか色々見返してたけど、この漫画は相変わらず未完ペースで続いてた。(胎界主もゴリゴリ継続中!)しかしこの何か深い所にグッとくる感性は相変わらずいいですね。

外伝的なエビ好きな子の話がいい。みんなちょっとずつ嫌というか偏屈を抱えているのが魅力。何か元ネタありそうな衒学的な雰囲気が小学生の日常に擬態しており、漠然と読み手に深読みを強いてくる感じの作品って好きなんですよね。

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