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上場企業社数は275社 フィリピン市場への投資について

フィリピン市場について

以前から先進国の株式市場はもう終わりだとか、日本はダメとか、これからはアジアの時代だとか、いろんな投資の話題があります。

東南アジアで成長しつつあるフィリピン株投資についてもさまざまな情報があり、関心のある人は少なくないと思います。

フィリピンの株式市場は東南アジアの中でも歴史があり、アメリカ植民地時代の1927年にマニラ証券取引所が開設されました。
現在のフィリピン証券取引所(PSE: Philippine Stock Exchange)となったのは、1992年からです。
PSEはメトロマニラのタギック市にあり、開発が進んでいるエリアです。

フィリピン市場の上場企業社数は2021年時点で275社で、上場している企業は多くないですが、その多くは財閥系の企業(コングロマリット)が多くを占めています。
フィリピン市場の銘柄のうち、主要な30の企業で構成されているのがフィリピン総合指数(PSEi: PSE Composite Index)で上場している商工業、不動産、鉱業、石油セクターの銘柄で構成されています。
PSEiは日本のTOPIXとか日経平均みたいなやつです。

フィリピン総合指数(PSEi)のこの5年間は軟調です…。


フィリピンでは実際に株取引している人口も1%と言われていてそれほど多くないみたいです。(日本は10〜12%程度と言われています)

よく言われるフィリピン株がすすめられるメリットとしては、
・人口が増えており、若い労働者が多い(人口ボーナス)
・英語を話せる国民が多い
・国内のインフラが進みつつある(ビルド・ビルド・ビルド政策)
・通貨フィリピンペソが安定している 

などですが、まだまだ貧富の差が大きく、解決すべき政治的な問題も多いです。

今年の大統領選挙でマルコス大統領が圧勝後に株価が急落したというニュースもありました。その後も下がり傾向です。

フィリピンに投資するには?

すべて試したわけではありませんがフィリピン市場に投資するには、大きく3つくらいの方法があると思います。

1 フィリピンで銀行や証券口座開設する
2 日本でフィリピン株に強い証券口座を開設する
3 個別株に投資せずにETFとしてフィリピン株を持つ

1 フィリピンで銀行・証券口座開設する
1が最もハードルが高いと思います。英語ができて現地にいれば仲介手数料を最小限に抑えつつ個別株を狙えるため、フィリピン在住で株取引に慣れている人にはいいと思います。当然扱える銘柄は多いです。(追記:在住しなくても証券口座は開設できます)
またフィリピン国内でしか扱っていない国債や社債の投資信託UITF (Unit Investment Trust Funds)を購入することができます。
投資信託はペソ建てだと10,000ペソから購入できるようです(日本円やドル建ては最低購入額はさらに高くなる)。
ただし銀行が扱っている商品なので、手数料は高めです。

日本語サイトがあるBDO(フィリピン大手銀行のひとつ)
https://www.bdo.com.ph/jp/investment

ちなみにフィリピンの銀行の預金金利は日本よりもいいです(0.1%程度/年)。

2 日本でフィリピン株を取り扱っている証券口座を開設する
フィリピンをはじめとしたアジア株取引も最近は日本国内でも普通になってきていて、ネット証券などを通してフィリピン株やアジア株を購入できるようです。
メリットは日本にいながらフィリピンの個別株を購入できることや、日本語で取引できる。
デメリットは手数料が高いことです。購入した分の1%程度の手数料がかかることがあります。
追記:AB証券やCOL証券など、フィリピン国内の証券会社の口座開設をすれば手数料を抑えられます。

3 個別株に投資せずにETFとしてフィリピン株を持つ
自分自身もこれで投資をしています。3つの中でもっとも簡単です。
ETFのメリットは新たに証券口座を開設することなく、日本にいてもETF(上場投資信託)としてフィリピン株を購入できる、手数料もそこそこ。
分散されているので個別株に比べてローリスク。
デメリットは、個別株で選べないことや個別株に比べてリターンが低いです。
具体的になETFについてはググればすぐに出てくると思いますが、ブラックロック社のETF(ティッカーシンボル:EPHE)は、ジョリビーフーズやアヤラグループなど、フィリピンの約50社の有名企業に投資しています。
デベロッパー、不動産、外食チェーン、食品メーカー、通信、銀行業、資材業、サービスなどが含まれていて、フィリピン証券総合指数PSEiをまるっと含んでいて、フィリピンで生活をしていればたいていお世話になる企業ばかりです。
さまざななリスクがあるのは承知しているので積極的にフィリピン株で儲けようとは思っていませんが、滞在中はフィリピンを応援しつつ、フィリピンの有名な企業のオーナーになることができるため、少しずつ積み立てています。
そのためショッピングモールで日用品を買っても電話を使ってもチキンを食べてもビールを飲んでも、すべて投資先の会社の商品やサービスなので、株価が下がってもあまり損した気分になりません。

フィリピンは人口が増えていて労働人口も多いところがウリだと思いますが、貧富の差もまだまだ多く、政治的にもリスクはあると思います。
GDPなどは毎年成長していますが、現地でないとわからないことも多く、人々の労働状況やお金に対する意識も日本のそれとはまったく異なります。

フィリピンをはじめ世界の将来はどうなるかわかりません。
発展するかもしれないし、ずっと貧しいままかもしれません。
フィリピンにいる間はフィリピンの製品、サービスやETFを購入しつつ、フィリピンの人、企業、国を応援したいと思います。

注意:特定の株式をすすめているわけではありません。投資は自分のリスクの範囲でお願いします。