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「いつか子供がほしい」と思っている女性が、妊活から"自分の人生"を考えるためにおすすめしたい事前検査をまとめてみた

はじめに

以前このnoteを書いたことで、妊活や不妊治療に関してたくさん質問をいただくようになりました。

その中でも特に多かったのが妊娠・出産にまつわる事前検査についてだったので、私が知っていることをまとめてみようとおもいます。

厳しい現実ではありますが、妊娠と年齢は切っても切り離せないもののようです。「いつか子供がほしいけど、今すぐではない。でもそれっていつなんだろう?」「のんびりしていていいのかな?ほしいと思ったときにできなかったらどうしよう」という漠然とした不安を抱えながら働く女性は少なからずいるのではないでしょうか。

婦人科検診を通して自分の体の基礎的な数字や状態を知ることは、自分の人生を考える大きなヒントになるのではないかと思っています。

私自身も不妊治療を通じて検査をする中で、もっと早く調べておいても良かったなと思うことがいくつかありました。

少しでも参考になることがあれば幸いです😊

こんな人におすすめ

  • 妊娠・出産を計画するために事前に知識をつけておきたい方

  • 今後予定はないけど、妊活や不妊治療に取り組む人が何をやっているのか知りたい方

🐣注意事項
※素人である私が、病院での説明やネット上の情報で認識してる範囲で書いています。医学的解釈としての正確さは担保しきれません。あくまで検討する際の参考程度に受け取っていただけると幸いです。
※「いつか子どもがほしい」と思う可能性がある女性に向けた内容になっています。私もたまたまその一人でしたが、女性はみんな妊娠・出産を考えるべきだ、とは全く思っておりません。該当する方の参考になればな、という想いでまとめさせていただきます。

妊娠・出産から”自分の人生”を考える

女性の年齢と妊娠率

こちらより引用

このグラフは生殖補助医療における妊娠率・生産率、流産率を示しています。ここで分かる通り、一定の年齢をすぎると体外受精や顕微授精をしたとしても妊娠率が下がってしまうというのが現実です。

働きながら妊娠・出産をのぞむ女性にとって、「自分のキャリアをどう考えるか」と「子どもが持てるかどうか」は密接した問題であり、私自身も年を追うごとに不安が深くなっていきました。

何歳までに不妊治療をはじめれば妊娠できるのか

では、何歳まで不妊治療をはじめれば妊娠できるのか。それは誰にも分からないことです。

ただし、不妊治療をした方の累積妊娠率(最終的に治療者のどのくらいの人が妊娠・出産できるのか)から算出された、不妊治療をはじめる参考年齢についてのデータを示している論文があるそうです。

こちらより引用

IVFとは体外受精のことを指します。

希望する子どもの数が増えるほど、自然妊娠での出産を望むほど、早い時期での妊活を開始する必要があることがわかります。子どもを3人、自然妊娠でどうしても生みたいのであれば、なんと23歳からの妊活開始が推奨されているのです。

子どもは授かりものであり、有無やタイミングなどは誰にもコントロールできるものではありません。しかし、ここに転職や育休&産休など自分自身のキャリアの問題も重なっていくことを考えると、少しでも計画する材料を増やすことができないかと思ってしまいます。

不妊治療の4ステップ

不妊治療の詳細について説明するのはこの記事の本題ではないので割愛しますが、なぜその検査が必要なのかを判断するための前提知識として紹介します。

不妊治療には以下のような4ステップがあり、体外受精・顕微授精以上になると、必要なお金と時間、身体的苦痛が跳ね上がります

こちらより引用
こちらより引用

そのため、体外受精や顕微授精が必要になるような不妊要因がないかを事前に知っておくことは、キャリア検討の判断材料になるのです。

各ステップの詳細については、厚生労働省が漫画でまとめていたりもするので、とても参考になります。

事前検査の種類について

まず考えておきたいこと

妊娠にまつわる婦人科検診は「ブライダルチェック」「不妊スクリーニング」の大きく2種類があります。

これらの検査は一般の健康診断と同様、項目や金額が病院によって結構異なるので、最初に調べたときは何がなんだかわかりませんでした。

検査をしたい目的や、妊娠を計画したい時期によって、何を知るべきか、どこまで検査できるかは変わってくるので、そこをイメージすることが重要だと思います。

目的に合わせて、方針は下記のように分岐します。

【方針1】妊娠・出産に影響がある病気や感染症があるかを知りたい
→ブライダルチェック

【方針2】不妊の要因があるかを知りたい
→不妊スクリーニング

 【方針2-A】妊活をしながら、妊娠までのどのフェーズに要因があるかを知る
 【方針2-B】妊活をせず、自分の基礎的な数字だけを知る
   【方針2-B-1】自分だけ知る
   【方針2-B-2】パートナーだけ知る
   【方針2-B-3】自分もパートナーも知る 

ブライダルチェックとは

ブライダルチェックは、「自分が健康であるか確かめる」「妊娠や出産に影響がある病気がないか調べる」という目的で行う検査です。

特徴
妊娠しやすいかどうかはあんまりわからないものが多いので注意
・妊娠・出産にまつわる健康診断だと思ったほうがイメージは近い
・1-3万円くらいの検査パッケージで行う病院が多い 
・検査項目は病院ごとに異なる

ブライダルチェックの基本的な検査項目イメージ(筆者作成)

不妊スクリーニングとは

不妊スクリーニングは、妊娠に至るまでの各段階で「不妊につながるような要因がないか」を確認するために行う検査です。

特徴
・実際に妊活をしながら月経周期に合わせて検査をする場合が多い
・いますぐの妊娠を望まない場合には、自分の基礎的な数字だけを知る検査も可能
特に、AMH検査精子不動化抗体検査だけでも受けておくことがおすすめ(※後で詳しく記載します)

不妊スクリーニングにも種類がある

月経周期に合わせて行う検査

不妊要因について最も分かりやすいのは、タイミング法で妊活をおこないながら、月経周期に合わせて検査をすることだと思います。

妊娠に至るまでの各段階ごとに通院し検査を行っていくので、どの段階にリスクがあるのかがより詳細にわかります。

京野アートクリニック高輪「初めて不妊治療を受けられる方へ」より引用
不妊スクリーニングの検査項目イメージ(筆者作成)

「今すぐ妊娠の可能性があっては困る」という場合にも、ヒューナーテスト以外は病院に相談すれば検査できるような気がします(相談したことがないので不確かですみません)。ただ、妊活中ではない状態でここまで検査するというのは結構稀だと思います。

そこでおすすめしたいのが、AMH検査精子不動化抗体検査です。

AMH検査で自分の卵巣年齢を知る

卵巣の中にある卵子は、女性が胎児のときに作られて以降は増えることなく減少し続けていき、生理が終わる閉経時には卵子の数はゼロに近づいていきます。

卵巣に残っている卵子の数が何歳相当であるかを測定するのがAMH検査です。医学的には、この「卵巣に残っている卵子の数」を「卵巣予備能」と呼びます。

Benesse たまひよ記事「不妊治療しても授かれない現実、あまりにも知られていない妊娠のリミットを産科医が語る」より引用

年齢が若くてもAMH値が低い場合は、それだけ卵巣内の卵子の数が減っていると考えられ、早期閉経を迎える可能性があります。つまり妊娠を希望する場合、AMH値は不妊治療へのステップアップを検討する判断材料になるのです。

また、不妊治療で体外受精を行う際に卵子を採取する処置を行いますが、AMH値は採れる卵子の数とも相関します。そのため、AMH値は体外受精の際に行う卵巣刺激法(排卵誘発剤を使って複数の卵子を得る方法)を選択するかどうかの判断材料にもなるそうです。

AMHが低い場合
・40歳未満で卵巣機能が低下して無月経やそれに近い状態になる早発卵巣不全とよび、100人に1人の割合でいる
・AMHが低い場合には残されている卵子が少ないので、同世代と比較して早めの治療が必要

AMHが高い場合
・数値が高すぎる場合は、排卵障害がありこれまで排卵が行われてこなかった結果という可能性もあるので、このケースも早めの治療が必要

私自身、不妊治療をするまでこの概念を全く知りませんでした。病院に行って初めてAMH検査について知り、「あなたの実年齢は31歳だけど、卵巣年齢でいうと40歳前後、ステップアップするならできるだけ早くをお薦めします」とお医者さんに言われたときの衝撃は大きかったです。

「まだ若いから焦らなくても大丈夫だよ」

不妊治療についてそう声をかけてもらうことも多かったですし、私自身もそのように思っていました。しかし、実年齢だけが卵巣の状態を表しているわけではなく、個人差があります。

いざ検査したら時間がなかった、ということがないよう、自分の現在地を正しく知っておくことは重要ではないかと私は思います。

AMH検査は残念ながら自費検査ですが、数千円〜1万円程度で受けられます。

精子不動化抗体検査で妊活期間のムダを失くす

精子不動化抗体とは、その名の通り精子の動きを止めてしまう抗体のことです。

こちらより引用

男女どちらでも、精子に対して抗体をつくってしまうことがあるそうですが、とくに女性が抗体を持っている場合には、精子の動きが封じられ、子宮内に進入できなかったり、受精できなかったりする可能性があり、実際、不妊症の女性の数%に抗精子抗体が見つかるそうです。

抗精子抗体が女性の体内に存在すると、自然妊娠や人工授精での妊娠が非常に難しくなります

妊活や不妊治療において非常に重要なことは時間です。タイミング法で何年も妊娠できない原因が、実は抗精子抗体だったということが良くあるそうです。

事前に検査を行い、お互いに受精を阻害する要素が無いかを確認することで貴重な妊活期間をムダにするかもしれないリスクを減らせます。

精子不動化抗体検査も残念ながら自費検査ですが、数千円〜1万円程度で受けられます。

事前検査おさらい

  • 妊娠にまつわる婦人科検診は、目的別に2種類ある(ブライダルチェック不妊スクリーニング

  • すぐに妊娠を希望しない場合には、ブライダルチェック、AMH検査、精子不動化抗体検査だけでも調べておくと計画の際の判断材料になる

  • 不妊要因をより詳細に知りたい場合には、月経周期に合わせてタイミング法×不妊スクリーニング検査を1周期やっておくと安心である

病院はどうやって探すの?

不妊治療であれば長期戦も想定して納得の行く病院を慎重に選んだほうが良いと思いますが、検査だけならそこまでこだわらなくて良いのかなと思っています。

とりあえずブライダルチェックだけやる場合

病院によって検査結果の差はないので、「ブライダルチェック」で検索して予算に合わせて気になった病院に行って問題ないと思います。

個人的には、麻疹や風疹抗体の検査も入っているパッケージをおすすめしたいです(ワクチンを打つ必要があるか判断できるため)。

ブライダルチェック+AMH検査をやる場合

AMH検査が入ってるブライダルチェックも探せばあるみたいなので、予算に合わせてそういったものを選んでも良いかもしれません。

AMH検査単体で受ける場合には自費検査になりますが、数千円〜1万円程度で受けられます。精子不動化抗体検査も同様です。

1年以内に妊活の予定がある場合

近い将来妊活する予定があるなら、最初からお世話になりたい病院で検査するのがおすすめです。

他の病院で既に検査していたとしても、病院を変えたときに再検査が必須になる場合もあるので、お金が勿体ないからです。また、それぞれの検査結果にも有効期限があるので、それらが切れた場合にも再検査になります。

妊活を始めるのであれば、検査も兼ねて早い時期から気軽に通院をするのはとてもおすすめできます。

さいごに

自分のキャリアと妊娠・出産の両立を望む女性にとって、いつごろから計画を始めるべきか、という問題は大きな悩みのタネです。

不安を煽るような内容ばかりを書いてしまったような気もするのですが、多くの場合はここまで心配しなくても自然に妊娠をするとは思います。

しかし、子どもは授かりものであり、コントロールできないものだと完全に割り切ってしまうと、欲しいと思ったときに治療が難しくなっていたというケースもまたゼロではありません。

結婚と妊娠を勝手にイコールにするのはなんか謎なのでブライダルチェックは名前が好きじゃないのですが、結婚前や結婚後と決めるのではなく、将来妊娠を希望する女性は事前検査について調べておくと、もしものときに後悔しなくて済むんじゃないかなと思います。

自分の体や妊娠の確率について前もって知っておくことで、より安心して働けたり、キャリアプランの選択肢が増えたりする女性が少しでも増えることを願っています。

🐣注意事項(再掲)
※素人である私が、病院の説明やネット上の情報で認識してる範囲で書いています。医学的解釈としての正確さは担保しきれません。あくまで検討する際の参考程度に受け取っていただけると幸いです。
※「いつか子どもがほしい」と思う可能性がある女性に向けた内容になっています。私もたまたまその一人でしたが、女性はみんな妊娠・出産を考えるべきだ、とは全く思っておりません。該当する方の参考になればな、という想いでまとめさせていただきます。


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