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連休明けの映画という贅沢

連休明けは毎回「どんな感じで仕事してたっけ」と自分の振る舞いを思い出すことからはじまる。今日はそんなことを考えてたら半日が過ぎていた。帰り道、近所の映画館で『夜明けのすべて』をみる。月経前症候群とパニック障害、それぞれの困難を抱えたふたりと周囲のひとを描いた作品。自分の心と身体を思い通りにできない二人だが、相手には手を差し伸べることができるかもしれない、そんなふうに考えて互いを助け合う。文字にすると陳腐なお涙頂戴話だけど、そうはならないところに凄みを感じた。フィルムの綺麗な映像からは冬の朝の寒さや窓辺に差す光の暖かさは伝わる、だけどそこに美化された画は映らない。ふたりは病気で苦しんでいるが、周囲もまた違う悲しみと闘っている。それぞれの事情をどれほど知っているかはわからないけど、登場人物が些細な気遣いで日々を乗り越えていく様子がうつくしかった。お互いの病気をジョークにして笑いあうシーンが自分の一番のお気に入りだな。しんどさのピークのときに「お前がまだ食べてない激辛カップ麺買ってきたからどうせ死ぬならこれ死因にして」とメッセージを送ってきてくれた友達のことを思い出した。

ドリンク待ちでもらった8番札

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