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麻雀初心者こそ鳴いたほうがいいのではないか説

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

先日、2卓+待ち番1でセットをしたのですが、
その時に初心者が各卓1名混じっていまして。

お決まりの通り待ち番のベテラン勢が色々と教え始めるわけですが、
その人は“初心者はなるべく鳴かないほうがいいよ”の人だったわけです。

それに対し“初心者こそある程度鳴くべき”勢が反論し、
色々と議論が交わされていました。

ぼくは初心者に麻雀を教える機会なんてこれまでなかったのでそもそもそんなこと考えたことがなく、
その時は黙っていたのですが、帰ってからぼや~っと考えたところ、
ある程度鳴いたほうがいいのではないかと思い始めたのでその理由を書いてみます。

最速で「それっぽく」打てるためには

僕はご多分に漏れず大学時代に友人たちと
「大学生なんだから麻雀やってみるか」
ということになり、
ルールのわかる一人+初心者3人で麻雀に手を出したクチです。

当時、誰の家もたまり場にできない状況だったため、
仕方なくルールもわからないのに雀荘で打っていたのです。

入門書を片手にみんなでうだうだやっていたのですが、
一日夕方から朝までウダウダしたあと解散し、
翌日の夕方集まったときにはなんだか一応それっぽくみんな打てていた記憶があります。
初日から見ていたメンバー(学部の先輩)にも、
「なんやお前ら、二日目なのにようそれっぽくやっとるやん、飲み込み早いで」
みたいなことを言われました。

「ただ、初心者はあんまり鳴かんほうがええな」
とも言われました。

僕らの初心者卓は、初心者ばかりの卓にしては異様なくらい、
鳴きが多かったのです。
しかしそれと引き換えに、「それっぽく打つ」ことがすぐにできるようになっていました。

ただ本当に「初心者はあんまり鳴かんほうがええ」のでしょうか?

鳴きを積極的に取り入れることで、
「それっぽく」麻雀を打つ、
つまり麻雀の楽しさに触れやすくなるという気がしています。

鳴きは全てを簡略化する

僕らが初心者時代それでやってきたから、というのもありますが、
初心者にとって鳴きというのは、
色々なことを簡略化することができる、
というイメージです。

きっかけは、誰かが
「これ、13枚あるとややこしいから1、2回鳴いたほうが簡単なんじゃね?」
と言い出したことです。

「確かに」
となり、まず問答無用で鳴いても和了れる役を先に覚えました。
最もわかりやすかったのが、
白・発・中の役牌で、
次点で翻牌となる風牌。
あとは入門書に「大事だ!」って書いてあったタンヤオ。

とりあえずこの3種を覚えてからの話になります。

混一色に関しては、当時
「これは簡単そうだけどきっと罠だ」
という謎の意見が採用され、
あまり意識せずにやっていた記憶があります。

役の有無を簡略化できる

まず第一に、最初に鳴く牌を役牌に限定しておけば、
「役があるか無いか?」で悩む必要がありません。

あとは4メンツ1雀頭を揃えるだけ。

そこからは好き放題鳴いても、
フリテンのルールさえ覚えれば、
気軽に「ロン!」といえますし、
フリテンがわからなくて「ツモ!」といけるわけです。

複雑な手牌を簡略化できる

手牌が14枚もあると、どうしても初心者にとって複雑な形というのが出てきやすくなります。
10年以上やっててもすぐにはパッとわからないような形もあるのに、
初心者が把握するには14枚は多すぎます。
わけがわからなすぎて呆然としてしまうこともあると思います。

そんなとき、ひとつ鳴くだけでも一気に視界が開ける感覚があります。
「あ、これなら把握できるかも」
という安心感。

ヤバければもう一個鳴けばいいのです。
7枚になればさすがに、
「これなら理解できそう、考えてみよう」
という気になれます。

点数計算を簡略化できる

初心者にとって最大の壁である点数計算。
実際の仕組み自体はたいしたことないのですが、
実戦上やっかいなのは不確定要素が含まれる場合ではないでしょうか。

例えば、門前でリーチして、
まずツモかロンかで翻数が違う。

さらにその後裏ドラが乗るとさらに翻数が変わってくる。

門前でのリーチは、点数計算に不安がある初心者にとって危険な不確定要素というものがてんこ盛りです。

しかし鳴いてしまえば、三色がつくかつかないか、
ドラかそうでないほうか、を場合分けしておくくらいで、
あとはせいぜいツモ符がつくかどうか、
くらいのものです。

入門書片手に十分に事前準備ができます。

これは初心者にとって非常に気分的にもラクで、
点数申告を行うということに対する精神的な障壁を大きく下げる要素になります。

押し引きを簡略化して学べる

誰かからリーチがかかったとき、
だいたいみんな手牌が短くなっているので、
現物が少なかったり無かったりすることも多々あります。

手牌が14枚あると現物がいくつかあることが多いので、
初心者だとベタオリになってしまうケースがほとんどですが、
手牌が短いとそうはいきません。

自分もテンパイしてるから、とか、
ドラをいっぱい持ってて点数が高いから、とか、
まずは単純な自分都合の理由で「押し」の選択をする必要が出てきます。

手牌が14枚あるとリーチに対して初心者は「引き」の選択が多くなってしまうところ、
手牌が短いばっかりに安全牌が少なく、「押し」か「引き」の選択を行う必要があるのです。

リーチ後でのめくり合いは別にして、
自らの意思で押しを選択し、
危険牌でも切っていくということを初期の時点で普通に行うことで、
放銃することに対する精神的なハードルが下がります。

現実問題、放銃を過度に恐れる初心者は多く、
「放銃は付き物」と最初の時点で思えるのは強いと思います。
実際放銃することによって学ぶことは多いので、
押しの選択が強制的にでも生まれるのはいいことです。

手牌が14枚あって現物もいくつかある状態で、
押し引きの判断するのは初心者にとってはけっこう難しいところです。
好形のイーシャンテンやドラがいっぱいあれば押して良いと教えたところで、
現物が数枚あればどうしても放銃が嫌なので引き傾倒になってしまいます。

とにかく参加率が上がる

初心者が鳴きを駆使することで、以下のような効用があります。

・役があるかどうかわからないということが無いので、安心してアガれる
・鳴けるので手牌進行が早くなる
・複雑な形から逃げられるので、フリテン等恐れず安心して出和了できる
・リーチによる不確定要素が無いので、安心して自分で点数申告できる
・押すしか無いシーンが増えるので、アガリ率、放銃率ともに上がる

上記によって何が起こるかというと、参加率が上がるのです。

僕は初心者に麻雀を教える機会はなくても、別に初心者と同卓しないというわけではなく、
ノーレートにも行ったりするので、わりと初心者と同卓する機会は多いと思います。

その時思うのが、気を使っているのかビビっているのか、
はたまた牌効率の問題か、とにかく初心者の方は参加率が低い。

存在を消しているかのごとく、何もしない人が多い。

それだとそもそも楽しくない気がするし、
参加しないと学べないことも多いので、
参加率は上げたほうが良いと思います。

そのためには、鳴きです。

まず鳴きを学んで参加率を上げるほうが、
ゲームに参加できて楽しいし学べることも多いでしょう。



実際、鳴きを覚えたことで放銃が増えますので、
自分ばっかり放銃しているのが辛いとか、
ゲームを壊している気がするとかで、合わない人もいると思います。

麻雀はじめてみたけどいざ対局しても座っているだけでつまんないな~と思っている方や、
初心者に教えているけどいまいちしっくり来なくて悩んでいる方など、
選択肢の一つとしてみていただけると幸いです。


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