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途中で実況も始める東城りおプロの解説が楽しかった【Mリーグ】

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

4月11日のMリーグセミファイナル。
実況は日吉辰哉プロ、
解説がセガサミーフェニックスの東城りおプロ・醍醐大プロでした。

この日の東城りおプロの解説が非常に愉快で楽しかったという話です。
醍醐プロも対局中の所作とはうって変わって軽快な返しが多々見られ、
経験の豊富さや雰囲気の良さもあって対局中より生き生きしているかのようにすら見えましたが、
東城プロのテンポ感はさらに素晴らしかったと思います。

そして何より、醍醐プロは1試合目は非常に口数も多かったのですが、
2試合目は東城プロのエンジンがかかってきたのか、
醍醐プロが疲れてしまったのか、
東城プロのほうがリードしているように感じました。


東城プロ実況の良かったところ。

まず声質。
実況が日吉プロだったので、一緒になってエンタメ寄りの話をするさい、
解説側も声のトーンが高めの人だと、
「うるさい」「騒がしい」
ということになりがちです。

しかし東城プロは声質が落ち着いていて、
わりとおふざけ寄りのことを話していても、
実況の日吉プロと合わさっても、
騒がしいとかいう感覚なく聞いていられます。

Mリーグは1日の放送が長いので、
聞き疲れしないというのは解説者としてとても重要な要素です。

今回は相方も落ち着いた声質の醍醐プロだったというのもあり、
実況・解説3人でヘラヘラふざけているシーンでも、
ガチャガチャしすぎることがありませんでした。


次に、実況に対する返しの内容とテンポが非常に小気味よいということです。

実況が日吉プロなので、かなりエンタメ寄りのフリもけっこう多かった印象なのですが、
それに対して非常に小気味よいテンポとちょうどいい内容でほぼすべて上手く返していました。
肝心な麻雀の内容に関する解説も、
エンタメ寄りの内容からスッとうまくフェードインしていく感じで、
変にそちらの話題をぶった切るようなこともなく、
自然な流れで移行していました。

とくにこの日は松ヶ瀬プロの誕生日だということで、
誕生日ネタが繰り返し出てきたのですが、
「さすがにその話題出しすぎだろ」
と思うくらい繰り返されたフリであっても、
毎回マンネリ化させないよう少しワードを変えたり、
逆にそこまでの話の流れを踏襲した返しも交えつつ、
無駄に盛り上げすぎないようなテンポ感を駆使していました。

そんな中でもポイントとなりそうなところではしっかりとウィットの効いた返しでちゃんと盛り上げていきます。
松ヶ瀬プロが平和一通ドラ1イーシャンテンという好配牌をもらったときには、
当然また誕生日ネタを日吉プロがぶっこんでいきます。
そこに
「これはもう、ケーキ、出てきたでしょ、とうとう」
と、対局中のツモ動作の遅さからは想像もつかないほどのスピードでかぶせていく醍醐プロ。

それでもまだ欲しがる日吉プロは、
「東城さん、これ、どうなってます?」
とわけのわからないフリを。

そこに
「これはもう今、あれです。部屋の電気消えました」
と返していく。

誕生日だからいい配牌やツモが誕生日プレゼントとして贈られるはず・・・
みたいな話の流れでずっとやってきて、
今日一番の配牌となったその局を山場とみて、
サプライズで誕生日ケーキが登場するシーンになぞらえたワードチョイス。

その場で急に思いついたにしてもさすが、
きっと誕生日ネタを今日ずっと擦り続けられるな、
と途中で気付いて準備していたとしてもそれはそれでさすが、といった感じ。

この素晴らしい返しに日吉プロのテンションも上がっていましたが、
いまやひとつの芸となっている「日吉実況」ですから、
そこをうまく引き出すことができるのも、
優秀なMリーグ解説者の大事な素質でしょう。


話すことに夢中になりすぎて、途中で実況みたいなことを始めてしまうときもありましたが、
テンションや声質、テンポ等の問題で「いや喋りすぎだろ」と感じることもなかったので、
あれはあれで悪くなかったと思います。

解説なのに全然喋らない人よりはよっぽどいいと思います。

東城プロはもともと麻雀以外のタレント的な仕事も比較的多い方だと思うので、
単純なトークスキルについてはそもそも他のMリーガーと比べて高いのかもしれません。

また、パチンコ・パチスロ系の仕事も多い方なので、
とくに実戦系の動画だと、一人で実況・解説をおこなう必要がありますが、
そういう背景もあって、
Mリーグでもスムースに解説を行えているのでしょう。
うっかり実況みたいなことも喋ってしまうあたり、
このへんのパチンコ・スロット実戦がけっこう影響している気がします。


今年からMリーグはチーム数が9に増えて、
レギュラー敗退チームが3つとなりました。

セミファイナル以降は敗退したチームのサポーターは非常に寂しい思いをしていることでしょう。

そしてその絶対数は、敗退チーム数が増えたことにより去年までよりさらに増えています。

そんな悲しきサポーターたちのためにも、
もっとレギュラー敗退チームの選手たちによる選手解説の日程を増やしていただきたいところです。

いつもの解説陣もいいですが、
選手解説をさらに増やしていただき、
今シーズン、あと3回くらいは東城プロの解説を聞いてみたいところです。
それくらい、愉快で楽しく心地よい実況でした。

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