やってみたいことをやったときの話

 おはようございます。


 皆様には、「小さい頃に叶えたかった夢」はありますか?それは叶いましたか?それとも今も変わらず夢に見てますか?その夢は変わってしまいましたか?変わるものもあれば変わらぬものもある。それが人間なのだと思っている今日この頃です。



 と、これだけ書くとなんだか怪しいセミナーみたいな感じがするので予め言っておきます。この記事から教訓だとか、格言だとか、そんな大層なものはありません。人間もどきにそんなものを期待しないでください。こちとら、飯食って、寝て、推し活して、時に正気に戻ってぐるぐるぐるぐる考え事してるだけの生物です。


 弁解はさておき。


 やってみたいことをやったときの話。それは小学生の高学年のいつだったかのお話です。


 前情報としてお伝えしておきますと、私は回転寿司屋に行くと、決まってコーン軍艦を食べるのです。ばあちゃんの家に行けば、とうもろこしをねだるし、幼稚園のときの活動で何故とうもろこしは植えてくれないのかと不満をぶーぶー言う子どもでした。とうもろこしに呪われているのか、とうもろこしに飢えてるのか、とうもろこしを愛しすぎていたのです。とうもろこし狂人です。


 そんなとうもろこし狂人は家族でスーパーに買い物に行きました。週に1回の買い出しの日。その日にスーパーに行けば、1週間分のおやつを買ってもらえる約束だったのです。金額は特に決められてはいませんが、暗黙のルールで100円程度に納めていました。それ以上欲しければ、家のお手伝いをしてお小遣いから出せばいいのです。


 そんなとうもろこし狂人。母の「お菓子取っておいで。」の声で一目散に缶詰コーナーへ走り出しました。母は桃缶でも取ってくるとでも思っていたことでしょう。あいつは1週間分のおやつは、桃缶1つで良いのかと思っていたことでしょう。


 帰ってきた子が持っていたのは、コーン缶。しかも、小さくはない。高さ10センチほどの4号缶と呼ばれるサイズ。自慢気な子。スーパーで噴き出す母。何故コーン缶を持ってきたのか理解してない下の子。本当にそれでいいのか、何度も確認されましたが、相手は我が子でありながら生粋のとうもろこし狂人です。これがいい、しか言わないのです。なぜなら、とうもろこし狂人はコーン缶を1缶、1人で食べるのが小さな夢だったからです。


 結果、母の数度の確認を押しきり、コーン缶1缶を手に入れたとうもろこし狂人…もといコーンマン。コーンマンは大層幸せそうにコーン缶の中身をペロリと平らげ、夜ご飯が入らず、母にこっぴどく叱られました。それでも、コーンマンは幸せでした。なぜなら、コーン缶を1人で1缶食べれたのだから。


 そんなコーンマンも、今や立派な社会人。欲しいものは自分で手にいれることができるようになったのです。つまりは、コーン缶を1人で食べるなんていつでもできるようになったのです。


 そうなると、特別感がなくなるからやらなくなるのが人間なのでしょう。コーン缶が手軽に手に入る、子どもの頃のコーンマンにとっては夢のような状況なのに、大人コーンマンはコーン缶の贅沢食いはしていません。


 そんな大人コーンマン。次のやってみたいことは、Xで見た業務用アイスにチョコスプレーをたくさん掛けて食べることと、色んなポテトチップスの食べ比べをすること。コーンの次はアイスにシフトチェンジ、矢鱈と金が掛かることに変わっただけで、結局は食事に関するやってみたいことなのは変わりませんでしたとさ。


 変わるものもあれば、変わらないものもある。


 とうもろこしからアイスやポテトチップスに嗜好品は変わったけど、やってみたいことが食欲に関するものだということは変わらなかった、人間もどきのお話でした。

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