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「走りの栄養」について

どーもシーズンオフになりました田圃さんですこんばんみー♪
・・・・・あーすんません、声まで変わってたみたいです。
まだ四国坂出でのTRYジムカーナ最終戦や沖縄でのラウンドと今季の各地の終盤戦ではありますが、選手の皆さんにとっての良いシーズンになった方、有力選手の次期車輌開発や練習会でのタイム更新などXでの選手タイムラインを覗いていると熱はまだまだ続いてますねw
さて千葉でのNAPSモトジムの予選会、選手の皆さんもご観戦の方々も大変お疲れ様でした。
ぼくはマーシャルやりながらやんやと声援を選手に送ったり観客の皆さんを煽ってたりしておりました。
前日から設営やら諸々やっていたんですが予選会がしっかりオーディエンスの方々へ伝わっていった事は本戦も皆さん期待しちゃうのも間違い無いですよね。
間近で対決しながら勝敗に一喜一憂しつつ鋭い走りを見て盛り上がる、モトジムカーナの選手人口もそうなんですが、やっぱ皆さんから注目される事で練習環境も作りやすくなりますしそれに釣られてどうやって入って行ったらイイのかわからない人達を呼び込んでくださる方々のおかげで呼び込みの人的に総大将感が漂ってきてますw
ぼくは割と抽象的にしかお話出来ないのでなかなか皆さんとお話しする中でヒントを出力は出来ている気はあんましてないんですが、やはりそこは現役の選手の蓄積には勝てませんし、現代の環境に合わせてフィジカルもマシンも作っていくところから出てくるモノは凄くタイムや走りの質に出てきていますし、底も上がっていく感じがあります。
そこで気づくのは、「走りの質とはなんぞや」
と、タイトルでのテーマとなるわけです。
今回はそんなお話で一席打ってみようかと思います。
皆さんよろしくお付き合いください。

マシンを操ると言う事

皆さんバイクに乗り始めた頃って教習所、キッズだと親御さんに連れられてミニバイクから学びはじめると思います。
スロットル、ブレーキ、クラッチなど基本操作を教わり走り出すワケですが、段々と慣れてきてどうやったら上手く速く走れるかを考えて来るんじゃないかと。
サーキットやツーリングで一緒になったりして相手の走らせ方を近い位置で見ると、先達の方々が結構なペースで走っていても破綻する感じがしない事ってありますよね。
なんで自分より上手いんだろ、速いんだろって。
そこに気づいて早速スクールなどで学びにいく人はかなり最短でマシンと一体になって走れています。
慣れで走っているトコの矯正や最適化ってどんな事にも当てはまりますし、自分で気づかなかった事を改善する手立てになりますから上達も早いです。
特に上達するうえで大事な事ですが、頭からっぽにして走ること。
同じ動作を繰り返す練習会やスクールなどで身体を慣らしながら走るわけですが、よく有力選手も自分もそうなのですが、ガッチガチだと走れない。
ぼくはフォームとかその辺はハッキリ言ってよー分かりません!!特に強調しておきます。
ただ大事なのは程よい力の抜け方とバイクの走りを妨げない事、ここは声を大にして言えます。
勿論ジムカーナイベント開催時はレースですからいざとなった時の入力は必要でしょう。

得意分野を見つけ伸ばすとつよい(そしてやたらと文章長い)

競技でのマーシャルで各選手の走行シーンを判定しながら見る事でこの選手のクセとか諸々を分かってきて気づくのが、得意技。
乗る選手の皆さんは体型も身体可動範囲も乗る車種毎の特性もそれぞれ違いますから、その中で走る上での最適解を模索していくわけです。

基本として、走る中で重要になって来るのがライドポジション。
コレが身体可動範囲に対して遠すぎたり近すぎたりで体格に対して適正でない状態で乗るとどうなるか。
・・・・・余計なチカラは入るわ引っ掛かりが出るわでズッkギッタンバッタン状態となるわけです、勿論乗る上でも無駄に疲れます。
そこでポジションの適正化となるわけですが、シート、ハンドル、ステップなどを体格や体力に合わせて調整していきます。
で、そこから更に元々のバイクの運動特性をジムカーナやスポーツライドで使える様にサスペンションの硬さを柔らかくして動かし易く、それに合わせたエアセットも大事になって来るわけです。
路面からの感触を感じ易くなりますよ。

さてポジションは決まりました、あとは練習しましょうか。
乗りはじめて初期の頃は身体も慣れていませんから動きがぎこちないですよね。

はじめて数日から練習会で練習して3ヶ月でここまでの女性ノービス選手

画像でも分かるのが、背中の反り具合。
最初の頃は身体の使い方が分からないわけですから無我夢中。
その中で上半身の自由度を上げる様に背中を丸めて臍の下に集中する様にしていき、腕も伸び切らない体制に持っていくと上の画像から下の様になって余裕代が増えてきます、そして安定するので怖くない。
コレが進化していくと上級者は・・・・・・

C1選手、かもきちさん

こんな風や、

ままんさんのスタート直後からの背中の引き

こんな風や、

長野練ナギー選手(VTR250)

こんな風。
しっかりスタートする際に尾骶骨から蹴り出す力を伝えられているのでしょう、瞬発力があるのが写真からも分かりますね。
余裕代がある状態であればコーナリング時のアプローチにも。

ノーマルポジションのR1で

こんな風に速度が落ちるパイロンへのアプローチで姿勢が安定して、且つ初期動作でバイクを行かせたい方向へ持っていけるわけです。

他にミニの場合の侵入アプローチの例。

エイプ100
モンキー改、走る基本は同じ

この時もミニバイクは絶対的パワー無いですから侵入速度は極力落としたくないですし、ホイールベースの短さを活かしてコーナリングに繋げていきたい。
で、はじめてから進化していくと・・・・・

びふぉー
あふたー!!

こんな風になります。
画像の車種はエイプ100とグロムといった違いはありますが、ミニの場合の根本は同じ。
バイクである以上物理的なトコは一緒なので、乗り手のアクションは必要以外は極力スピードとのバランスを見ながら極低速ではクルンと回せる様にするのも大事になってきます。
ミニでもミドルでもビッグモデルでもライダーとバイクの比率(軸間と乗り手を三角形に結ぶ)をみてみると・・・・・・

バイクと乗り手の位置関係を三角形で結ぶ

こんな感じ。
実はこの比率はミニでもミドル・ビッグバイクでも基本はそう変わらないわけです。

PPS組、kota選手

両方の写真を比較してみると三角形の比率が同じ感じになってるのに気づきませんか。
こう言ったとこにバイクを操る上でバランスは同じくらいに設計されてるのが分かってきますし、乗り手もそこを意識して見るとどう操るか、となってくるわけです。
線の引き方が雑なのはご愛嬌って事でw

そして乗り手が同じで車種が違う場合でも、

現在C1女性選手のノービス時代からの・・・・
C1への進化

敢えて三角形の線は引きませんがコレだけ比率は同じくらいなんです。
変わってくるのは重量、ここでは質量って言いましょうか、バイクへアクションを伝えるにはサスに仕事をさせる。
そのサスにあたるのがタイヤ、フォーク、フレーム、リアショック、スイングアーム(全部じゃねーかw)。

ノーマルグロム(ライダー:たか選手)
オーヴァー製グロム用フレーム、この選手は毎戦自走で参加していますw

段々とミニバイク特集みたくなってきましたね・・・・・まぁいっかw
ここでは同じ系統の車種でフレームの違いがあるんですが、社外フレームは設計の違いでトラス構造強めにして締め上げてソリッドな反応を返してくるか、それに対してグロムノーマルは一本のバックボーンで受けつつしならせるか。

ノービス選手のZ125Pro

グロムと同じアプローチでも設計の違うZ125Pro、そしてご先祖に当たるKSR110のカワサキ製バックボーン系ミニ。
それでも基本的な考え方は同じになるはずで、どう高い速度と細かいトコでのバランスが良い状態へ持っていけるか。

ここ最近多いR25等のヤマハミドルツイン


カワサキニンジャ系U400シリーズ


そしてミニやミドル、リッタークラスのビッグバイクでもパワーと質量の差こそあれ、アクションさせる上での「よっこいしょ」が必要なシチュエーションも違うんですが基本の部分には同じトコがあるわけです。
勿論どんなマシンでも仕上げていく上で消耗度合も増えますし、乗り手も走れる様になってくればフィジカルも上げていく必要は出てきます。
そこで自分のタイムを向上させていく長所を見つけられたらまずはそこを伸ばしてみる。
コレは同じコースを作ってタイム計測してみて比較、その時に撮影したらどの部分が速いタイムになったかを練習して気づいたトコをメモ、次回の練習までには前回タイムの向上があった部分を読み返してタイムアタックしてみて同じ事が出来ているかを探るコトで基礎の部分に厚みが出来てタイム向上の精度が上がっていきます。

乗り手が進化していくとこうなってくる。

そしてJAGEシードに入ってる選手やコレからシード入り出来そうな選手になってくると前項の記事でも触れました数名の方々のマシンと乗り手とのバランスの次元が上がっていくのは写真の内容から見ていただいたかと思います。
で、次の写真。

この方は若手ノービスでここまでイケる

トップ画像に出てきた選手の方(若手ノービス!)ですが、基本の高さと勢いと吸収力の高さがここまでのライディングに繋がっています、かなりシード選手に鍛えられているのが分かりますね。

CB1000SF T2

この写真の方も前後サスをしっかり使って安定して沈ませる事で車体を破綻させない乗り方をされているのが分かります。
勿論ダッシュさせる時はしっかりトラクションを掛ける乗り方になるので多少前輪が振れたとしても怖くない、土台の乗り手とバイクが安定しているって事なんです。

ブレない身体の使い方

こちらの選手だと欧州系ミドルのMT-07も基本400以下のミドルクラスと同様なんですが、トルク特性は排気量よろしくビッグバイクに近い、でも振り回し易さは軽量モデルだけあって姿勢が作りやすく、乗り手の方のフィジカルと相まって安定性があります、そろそろC2かしら。

で、この次。

現役C1選手ノービス時代
が、ここまで進化
ブレない!!

現役C1選手がここまで進化をしていく中で練習量も相当になってくるんですが、その練習量はタイム向上で見えてきます。
おおよそミニサーキットでの中速セクションがジムカーナだと高速セクションになるので、写真のGSR750の様な四発モデルだとコースではスピード乗るトコだと1速でフケ切るトコまでしっかり開けていくのは当たり前、その時にフラつくコトが無いよう土台となる身体もどう高速セクションからの安定したブレーキングで車体を落ち着かせるか、フルバンクで走らせている時も芯に当たる部分がブレなくなっていきます。

すえぞう号(TZR250:3XV型)

現役C1選手の前写真の方、こちらの方もクラス争いの常連なんですが、マシンのアプローチはミドル2stと750の4stという違いがあります。
ロードやモトクロスだと2stと4stって排気量ハンデが存在するのですがモトジムカーナではタイム比でのクラス分けが主流ですので同じタイム比ならば同じクラス。
軽量ハイパワーな2stレプリカとビッグ4stが同じ舞台で相まみえるわけですが、このクラスになってくると得意技を突き詰めてきており、更に「崩し」の技術がついてきています。
意図的にバランスを崩したりして細かい回転セクションでは回る円周を小さくしたり、ミニなら速度を殺さないでスピードを維持して稼ぐと言ったところ。

お、車輌が変わったw
コレの正解は・・・・・
MC21型NSR250R(ガルアーム)

そして現在こちらの選手はNSR250Rへ乗り換えて参戦してらっしゃるんですが、基本の部分に関しては同じですが、車輌特性は変わってくるのでそこへ合わせたマシンセットアップを乗り手とタイム向上に繋がるカタチで作っていくわけです。
究極はA級の走りですが、ビッグバイクでもミドルやミニでもコンマ数秒単位でのバトルをしてらっしゃいますしBまで上がる人達も基本を突き詰めているからこそあの速さと繊細な走行ラインの繋ぎになるのですね。

おわりに

さてお送りしてきました「走りの栄養」に関するお話、いかがでしたでしょうか。
・・・・・え、いつもの面白おかしい話じゃね?
まぁその通りなので皆さん、田圃さんのお話は話半分でよろしくお願いしますw
ヒントを見つけていくとなるとホント日頃の観察や自分の乗り方など見ていくトコは多いですから、参考になりそうなモノをたくさん見つけて自分の走りに繋げていってみてください。
こんな事が「走りの栄養」となり皆さんの実力になるって思ってたりします。
栄養を溜めてガンガン出力してみて更に悩んでまた栄養をつける
上手く好循環になれば嬉しいですね。

次回予告(予定)と今回記事のご協力の感謝

実は今回沖縄でのモトジムカーナの関係方面にWEB取材みたいな事をしまして、ちょいとその関連の記事を書こうかと思っております。
そして今回の記事に於いて写真募集をぼくのXアカウントから募集しましたら良い写真を皆さんからご提供いただきました、ホントありがとうございました!!!
今回の記事の厚みを増してくださった方々に大感謝です♪

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