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凍った池の鯉

お久しぶりです。優しさです。優しさと申します。

ご報告がありまして2023年7月5日に、
私、たなりょーが所属するバンドであるフリージアンが1stフルアルバム『FREESIAN』をリリースいたしました。(歓声)
ああ、ありがとうございます。ありがとうございます。いえいえ。そんなそんな。すみません。すみません。すみませんでした。このたびは本当に申し訳ありませんでした。

振り返りますと関西の一部の県の一部の市の一部の区に衝撃が走ったという噂がまことしやかに囁かれたかもしれないあのフリージアンの結成という事件から2年半ほどが経ち、本人達的には「こんな曲が世に出てしまったらもう世界が変わってしまうだろ」と過剰な自信に満ち溢れたシングル曲のリリースを繰り返しながら特に変わり映えしない世界を横目に見つつ、そんな中でも出逢えたバンド仲間・スタッフ・お客様の支えの下、ようやく表題の通り……いやなんで表題「凍った池の鯉」やねん。「アルバム発売!!!」でええやろ。まあ冒頭にある通りアルバムをリリースするに至った次第でございます。あらためてフリージアンの近くにいてくださる皆様、ありがとうございます。

リリースにあたって、こちらもありがたいことに各所でインタビューなどを生意気にも受けさせてもらう機会が増え、すでに公開されてあるものの中でもバンドの結成秘話やそれ以前の僕らの素性に関してはお話させていただいておりますのでここでは活動開始に至る経緯などは割愛いたします。(Skream!さんやOTOTOYさんのインタビュー、とてもいい記事なのでぜひお読みください)
とにかくいいバンドだということがわかっていただければ……。

そんなこんなでメインのアルバムの話題に移ろうと思ったのですが、ぶっちゃけこちらももう無駄なことは語らず聴いてもらう他無いなというのが本音ではあります。
というのも、うちの超天才鼻歌作詞作曲家マエダカズシが大事にしている「受け取る人の解釈に委ねる為に余白を残す」という美学をこんなわけわからんnoteであえて崩すこともなかろうと思うので。
そういった側面がある楽曲だからか、TikTokのコメント欄なんかではたまに「歌詞がよくわからん」とか「どういう意味ですか?」とか書かれることもありますが、分からないと思ったらそれでいいのだよと思います。でも考えることはやめないでね。

そして、アルバムや楽曲について深掘りしたいという方はぜひ、こちらの特設サイトをご覧いただければと思います。様々な豪華アーティスト(ほんまに凄いメンツ)の方々からの貴重なコメントとマエダ自身のライナーノーツが掲載されております。いずれアーティストコメント一つ一つにあらためて触れていく機会も作りたいなと考えております。今はとにかく感謝してもしきれません。


さて、アルバムリリースに関するお話はこれくらいなのでここからはもう読まなくてもいいですし、自分の経緯については省くと書いたものの、やはりバンドマン、音楽家として1つのセーブポイントまで辿り着いたのでおまけとして近頃考えていることを一つ書いてしまいます。

いくつかのバンドを経験してきて、間違いなく今が最高の環境であるというのは僕だけでなくメンバー全員が考えています。それはインタビューでも各々が迷い無くそう応えていることからも分かると思います。
ただ、その過程で何か1つの確信を持ってまっすぐここを目指してこれたかというと答えはNoです。
バンドを組んで、ライブをして、CDを出して、そして解散して。
そういったことを繰り返す中で本当に僕は何度も迷ったし、常に進み続けられるようなバンドがとても羨ましかったです。
以前組んでいたバンド活動の中で、今でも「あの判断は正しかったのかな?」と思うような瞬間は掃いて捨てるほどあります。

しかし、ここに来て心境にも変化があり今僕の中にあるのは、
一つ一つの選択にしっかりと"未練"を残したいという気持ちです。
あの時迷ったことや、表向きはきっぱりと決めたように見える判断に対する未練。
それ自体は後悔に直結してしまいそうなものに見えるかもしれません。
ですが、それらを手放さずに持っていることで、選ばなかった方の選択肢への配慮を今の環境での優しさに変換して活かすことができる。
そう考えるようになりました。

正しさは常に揺蕩っていて、結果論に勝る主張は無いけど、だからこそ人生は模倣に満ちていて、そのおかげで安心することだってあります。
その模倣の元や原動力が自分の未練にまつわるものでもいいんじゃないでしょうか。
真剣に生きれば生きるほど生活はアポリアの連続で、その上で確固たる意志を持つなんて恐ろしい生き方は俺にはできません。
聞きようによっては情けない話かもしれませんが、おそらくはそんな臆病な気持ちが今のフリージアンという愛すべき環境に自分を連れて来てくれたんだと思います。

アルバム発売記念だったのになんだかとても抽象的な話になってしまいました。
というわけでまとめますが、これからも僕は何かを決める時にもいちいちめちゃくちゃ迷って、結局未練を残して、その上で命からがら次のセーブポイントまで進んで行こうと思います。

そして最後になってしまいましたが、フリージアンは8月に初のワンマンライブを開催いたします。
ぜひ最強のジャパニーズソングの全てを受け止めに来てください。超がんばります。
それではこちらからは以上です。


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