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アルジャジーラ活動禁止 イスラエルの真の狙いは


アルジャジーラの記者は田中に「俺、アンタをウクライナで見たよ」と言った。世界は狭い。彼の身の安全が心配だ。=2022年12月、ウエストバンク・カランディア 撮影:田中龍作=

 イスラエル戦時内閣は5日、衛星放送局『アルジャジーラ』がイスラエル国内で活動することを禁止した。

 アルジャジーラの報道が国家の安全を脅かしているという理由だ。カリ逓信相は「アルジャジーラはハマスの代弁者」とまで決めつけた。

 即日、アルジャジーラがオフィスを置く東エルサレムのホテルに、イスラエル警察が踏み込み、放送機材などを押収した。

 アルジャジーラの活動を禁止する法的効力はイスラエル国内のみだ。しかしあくまでも表向きである。

 イスラエル政府が「敵認定」「テロ認定」すると、軍はその相手に対して即「抹殺モード」となる。

 ウエストバンクで活動するアルジャジーラ記者たちの安全が心配だ。ガザは各社が現地のパレスチナ人通信員を配置していて、彼らが映像やリポートを世界に向けて発信する。

 ガザ報道でアルジャジーラを封じ込めたところで、現状は世界に抜けてくるのだ。


アルジャジーラの女性記者シリンさんがイスラエル軍に撃たれた現場。=2022年12月、ウエストバンク・ジェニン 撮影:田中龍作=

 ところがウエストバンクは手薄だ。社の名前を付けて現場取材に来ているのはアルジャジーラだけだったような記憶がある。たまにBBCが来るが。

 ウエストバンクでアルジャジーラを黙らせれば、イスラエルは存分に作戦行動を展開できる。破壊と虐殺のし放題である。

 2022年5月、アルジャジーラの女性記者シリン・アブアクレさんがイスラエル軍に射殺されたのは、ウエストバンクの最激戦地ジェニンだった。

 ジェニンはハマスとファタハとイスラミックジハードが同居し、イスラエルが最も手を焼く地域である。

 ~終わり~

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