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研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(9)

2020年8月~9月にかけて、起業の「山」と「谷」がほぼ同時にやってきました(笑)2020年1月から佐賀県の公的機関でみかんの実証を3か月間行いました。去年は非常に暖かく、九州ではみかんのカビが大発生しました。冒頭の写真を見られても分かりますように、無処理の左側のみかんは右と比較してカビが伝播していることがわかります。プラズマで処理したみかんはカビの伝播が抑えられることが判明しました。実験は大成功です!この試験結果を受けて、近隣のJAさんも巻き込んで、改めで実証することになりました。

ところが時期は夏、9月でも日中は30度越えすることもあり、冬場の試験環境は大違いです。ただ、佐賀県はみかんの生産が盛んで、夏のオフシーズンの間にも「ハウスみかん」が流通しています。ただ、この「ハウスみかん」皮が薄くて保存が大変難しいとのこと。来シーズンにはどうしても、JAさんの施設に装置を置いて効果を確認してもらいたかったので、夏場にハウスミカンで実証実験を行う決断をしました。

冬のようにうまくいかなかったら、おそらくJAさんからそっぽを向かれてしまいます。また、「ギャンブル」です。公設機関のTさんは「もう、なるようにしかならんよ」となだめてもらいましたが、やっぱり不安で不安で仕方がありません。

9月の初めから実験に入りました。常温下でプラズマで処理したみかんは1週間目「カビゼロ」2週間目「カビゼロ」あまりの好成績にJAさんがあと1週間みたいと言われ、3週間目もなんと「カビゼロ!!」私の心は最高潮に達しました(山)プラズマ処理した「ハウスミカン」を倉庫から出してさらに1週間、10月に1か月後の調査を行った結果、無処理のものは腐敗が進行している一方で、プラズマみかんはとてもきれいな状態を保っていました。味も全く変わっていません。ヤッター!!またしても「実験大成功」快進撃です。(笑)

当然ではありますが、来シーズンにJA施設に装置を置かせてもらうことがあっさり決まりました。

ところがです、そのころから大変な「資金難」に見舞われました。JAの実証実験実施は新たに装置を作ったり、色々お金がかかってしまいます。今の資金状況だとJA施設での実証実験なんて到底無理です。断られて続けている金融機関を再び回るしかありません。

やっぱり地獄をみました。「谷」どんなに金融機関を回っても、やっぱり売上げが立っていないので、研究開発はリスクがあるので、という理由で断られてしまいます。私の主人は経営に一切関与していないどころか、私が何をやっているのかもよくわかっていません。ところが、金融機関は主人の連帯保証や、主人と取引する条件とか求めてきます。もう、女性蔑視の扱いです。舐めやがって、コノヤロー(怒)

私は社名を「タベテク」としたのは「食べるテクノロジー」もそうですが、「食べていく」自立という意味合いも込めています。経済的にも精神的にも「自立」したい、そんな想いを社名にしました。「絶対自分でどうにかする」、そんな想いで金融機関を駆けずり回りました。

そんな中、サガテレビさんからお声掛けを頂き、このままではせっかく決まっているJA施設での装置の実証が出来なくなってしまう、僅僅の窮状を訴えました。多分、唖然とされたと思います。あと数か月後に迫っているシーズンの実証実験に間に合わなくなってしまう、もう必死です。

私は、最後の手段だと思って、サガテレビさんと金融機関の支店長を、公的機関で続けていた実験現場に連れていきました。ちょうど実験最終日で誰がどうみても、装置の効果は一目瞭然です。

本当にギリギリでしたが、実証実験に必要な資金を何とか確保することができました。現在は、助けていただいたサガテレビさんと事業提携に向けた「協業」を行っている最中です。(続く)





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