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#研究開発ベンチャー「山あり谷あり」起業から今までの道のり(4)

2018年の秋からは早々に医療滅菌機開発ベンチャーを諦め、アグリテックベンチャーに変え再出発しました。元々医療従事者だったものですから、医療については知識がありましたが、農業は全くわかりません。ピッボトについて、思うところが全くなかったかと言われれば嘘になります。

ただ、不思議なことがありました。私が起業のきっかけになる、大学の発明者の先生と初めてお会いしたのは2016年の夏くらいだったと思います。その半年前ぐらい前の話です。息子が10歳になり小学校で2分の1成人式が行われました。一人ずつ、生徒が教壇に立って将来の夢について語るという内容でした。いざ、息子の番、「自分は科学者になって、日本中の余った食品を腐らないような技術を開発して、世界中の食べるのに困っている人に届けられるようにしたい」と言うのです。もう、嬉しくて、嬉しくて、立派で、大泣きしてしまいました。

私の息子は預言者です(笑)。まさか、息子が将来の夢で語った仕事を私がやることになるなんて。よし、この装置を本当に困った人たちに届けるんだ。息子にも聞いてみました。ママはこの装置を本当に困った人に届けられるようにゼロから頑張りたいけど、応援してくれるか?息子は頷いてくれました。私は今の仕事に誇りを持ってやっています。今となれば、楽しくて仕方がありません。(なぜ面白いのかは次回で)

起業の事を友人に事情を話すと、福岡ベンチャーマーケット(FVM)の12月にプレゼンしないか?言われ登壇することに。発表まであと3か月。やばい、早速みかんについての猛勉強です。つてを辿り、JAさんや生産者の方々にお話を聞きに行きまくりました。しかも、プレゼンなんてほとんどしたことありません。FVMのプレゼンはとても緊張しましたが、月間賞をいただきました。

2019年になると、大学発の技術ということで、大企業さんから事業提携のお話を頂けるようになりました。ただ、何か違和感がありました。装置は自分自身がが研究開発したものではないので、自信を持って言えないのです。結局、私の問題でしょう、事業提携の話も出資の話もいつの間にかとん挫してしまいました。

しばらく落ち込みましたが、落ち込んでばかりいても仕方がありません。先生方がみかん農家の貯蔵倉庫で実証実験した装置をお借りして、業者さんとばらしてみました。パーツが多くて、組み立てに膨大な費用が掛かるのです。これでは量産なんか出来ません。結局、パーツを減らし、組み立て工程を減らし、工夫して、今の量産型になりました。(続く)

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