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傷の治癒にも鍼灸がおすすめ!?

Lab BRAINSで「痛みを感じる神経の興奮は傷の修復も調節する(3月27日 Nature オンライン掲載論文) 」という記事を見つけ、鍼灸治療の臨床で考えていたことと結びつきました✨
鍼灸研究の情報共有と共にご紹介させて頂きます。(ちょっとお堅い文ですが😅)

この論文の内容をざっくり書くと、痛みを伝える神経が障害されると傷の治癒が遅くなり、それは皮膚でも筋でも同様だったことが確認され、CGRP(カルシトニン関連ペプチド)で、痛みを伝える神経がCGRPを分泌して炎症を起こし損傷治癒を促進させるという内容です。
https://lab-brains.as-1.co.jp/enjoy-learn/2024/04/62507/

また、鍼の研究をみてみますと、例えば鍼刺激がCGRP分泌を促進させ神経血流増加させていることが示唆されております。

参考:(公社)全日本鍼灸学会サイト「ここまでわかった鍼灸医学―基礎と臨床との交流」第2講 鍼で神経根性疼痛が和らぐ
https://jsam.jp/wp/wp-content/themes/shinkyu/content/pdf/medicine02.pdf

そして、私の臨床での経験を書きますと、鍼灸治療を受けた方の傷の治癒が速いことは臨床では日常的に経験しています。

例えば、骨折、捻挫、打撲、椎間板ヘルニア、手術の切り傷などの方に1回/週程度のペースでも修復が速くなり、患者さんからは医師からとても治りが速くで驚かれたというお声をよくいただきます。

ちなみに、当方が臨床で行っている治療方法は、末梢神経の繋がりを考えた部位へ鍼灸をしています。
具体的には、損傷部位に直に繋がっている末梢神経や、その神経に信号伝達しやすい末梢神経の受容器が多そうな部位に刺激をしています。
受容器が多そうな部位については、機械的刺激が加わりやすい部位などで、切診(触れて状態を診る)で異常をみつけて治療点を選定しています。
※表紙のイラストはChatGPT4に描いてもらいました。鍼は傷口付近に描かれていますが、臨床では大抵もっと離れた場所に刺激しています。

このようなことから、今回の論文、参考に挙げた鍼の研究、当方の臨床を重ねると、鍼刺激した感覚神経からCGRPが分泌され傷の治りを速めることが期待されるのではと考えました。

高齢になるほど、関節や骨、眼、循環器など、手術を受ける方も増えてきます。
特に糖尿病の方は、血流が鈍く炎症物質、修復物質、老廃物の輸送が滞り、傷の治りが遅く感染にも弱くなります。
そしてそれだけではなく、この論文にあるように感覚神経障害も治癒の速さに関わっていることが示唆されており、手術に対するリスクも大きくなってきます。
鍼灸治療でマメにケアされている方は傷の治りが速くなり、感染症からの回復も良好な印象です。

病気やけが、手術を受けられる方は、鍼灸治療の併用を考えてみてはいかがでしょうか。
投薬や手術との併用に問題ありません👍

最後に、鍼灸院を選ぶポイント例を下記に挙げますので参考にして頂ければと思います。
・使い捨ての鍼を使用している
・やけどにならないお灸ができる
・丁寧に問診や説明をし、細かく診てくれる
・医師など他職種とも連携してくれる
・学会の認定を受けている(参考:(公社)全日本鍼灸学会 学会認定)
https://jsam.jp/certification/

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