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「Air/まごころを君に」再々鑑賞


昨日の夜は久しぶりに旧エヴァの劇場版「Air/まごころを、君に」を見た。
多分人生でこれを観るのは三回目だと思う。
1回目は中学生1年か、2年の時。2回目は「シンエヴァ」を劇場で観てから数日後に。そして、今回は突然見たくなったので見た。

このポスターからこの映画がヤバいことがヒシヒシと伝わる


冒頭からいきなりシンジ君のオナニーから始まり、戦自との闘い、そして、人類補完計画とどんどん話が転がっていく。
後半の人類補完計画のシーンなんて3回目なのに、何が起きているのか分からず置いて行かれる。
しかし、画面から鬼気迫るものを感じてずっと画面にくぎ付けになってしまう。

ただ、人類補完計画が起きているときのシンジ君の心理描写には共感できるものがあった。
「自分が嫌い」「他人も嫌い」「一人は寂しい」「だけど、他人と関わるのは怖い」という矛盾した心理状態に自分もなったことがあるからだ。
いろんなキャラの台詞がノイズのように流れるシーンでひときわ「大っ嫌い」とか「あっち行ってて」とか罵倒されるセリフが強調されよく聞き取れるところでも「分かる、分かるぞ」と思ってしまった。
うつ状態の時の思考がぐちゃぐちゃになっているのに、人から言われて嫌だったこととか、されて嫌だったことが突然ぐちゃぐちゃした思考の中で鮮明に蘇ってくるあの感覚。
鬱というものになった人にしかこの感覚は分からんのだろうなと観てて思った。

そして、突然実写になり、アニメを見ている人に向けて「こんなもん見てないで、現実を見ろ」といった内容が込められているであろうメッセージがキャラクターの台詞によって語られる。
ただ、このメッセージにはこの作品を作っている自分自身さえも馬鹿にするようなニュアンスが含まれていると自分は感じたので、「この時庵野さんどんな精神状態だったんだよ」と見てて心配してしまった。
シンエヴァではこの「現実を見ろ」的なメッセージが前向きなニュアンスを含んでさらにマイルドになっていた。
言っていることはほぼ変わらないけど、言い方が変わったいたので「庵野さん、大人になったんだな」と思ってしまった。

あと、この映画で好きなところはエヴァ2号機とエヴァシリーズの戦闘だろう。
この戦闘シーンは本当にカッコいい。エヴァの重量感というものがよく出ていてとても好き。
今まで気付かなかったけど、エヴァ2号機が戦自の船を持ち上げるシーンはウルトラセブンに出てくるキングジョーがタンカーを持ち上げるシーンそのまんまで少し笑ってしまった。
新劇場版の戦闘シーンもカッコいいと思うけど、CGに置き換わってしまって、この頃の手書きにあった重量感が失われてしまった感じがする。

何回見てもこの「Air/まごころを君に」という作品を見終わったあとは呆然してしまう。
それくらいすごい映画なので、まだ見たことが是非見て欲しい。

追記:この映画は色々と説明不足だったテレビ本編の25話と26話を作り直したものなので、とりあえずテレビ本編を一周してから見るのをおすすめする。



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