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無題 004

あるところに少女がいた
彼女の兄が 獲った動物の骨から首飾りをつくった
彼女は終生 それを身につけていた

ポルトガルからの使者は 祖国にいる家族へ手紙をしたためた
彼の旅に終わりはなかった
永遠に会えないからこそ 手紙は短かくても十分だった
そして彼はさらに奥へと進んだ

時の政府の圧政で 民は困窮した
彼らはサンバと映画を作り 抵抗した
白黒のフィルムには 今でもその姿が映っていたはずなのに。

リオの博物館が燃え、彼らの200年以上の歴史の一部が消えた。
それは単なるモノではなく、人間とは何か 国家とは何か
私たちは、ブラジル人は、どこから来てどこへ行くのか
そういうものたちだったはずだ

それらの手がかりはもう、彼の地にはない
探すなら、私たちはもう一度 密林へ分け入らなければならない。

最後まで読んでいただき、うれしいです。 サポートをいただいたら、本か、ちょっといい飲みもの代に充てたいとおもいます。