ひきこもりと父親の向き合い方

調査に協力しなかった人も含めて約200万人いると言われているひきこもり

原因は多々あるにしろ家庭環境の改善がひきこもり状態の改善になることは大きい

ひきこもり業界では有名だが引きこもってしまう家庭環境は過干渉な母親と無感情な父親が多いと言われている。

引きこもりは男性に多い事、故に特に父親との関係が悪化することが多いと言われている

多くの原因は放任的な父親に恨みを持ち、自分がこうなったのは父親のせいだと思うこと。またオイディプスコンプレックス的な側面もあるだろうが故に父親を疎ましく思う。
息子から見て父親が理想の男性像から離れていることが多いことも原因に上げられる。

また幼い頃、もっと言うとお腹の中や物心つく頃から側に居ることが多く安心感を持てる母親とは違い、仕事のため仕方ないとはいえ日中家を離れることが多く休日だけ関わる父親との関係が希薄になることはわかりやすい。

そして息子が引きこもりになった後も父親は関わり方が分からず放任するのである

これは関係性の問題で息子と父親のどちらがかが悪いわけではない

とはいえ息子が困った時に父親とコミニュケーションが取れないことは大きな問題だ。


この時引きこもり状態の子どもと父親との向き合い方には段階があると考えている

父親への期待
学校や仕事がうまくいかなかった息子、家庭環境も歪んでいたしなるべくしてなったという感覚で引きこもり状態になってしまう。もう自分にはどうすることもできない。気力がない。母親とは会話ができるが解決にはつながらない。そんな時、今まで家庭で関わってこなかった分社会を知っている父親の出番だと、希望を持ち何か働きかけをしてくれるのかと少し期待が生まれる

父親への失望
しかしその期待は幻想だったとすぐに分かる。
父親は相変わらず平日は働き土日はだらけているからだ。息子が引きこもったにも関わらず、それを大ごととは捉えず引きこもる前と変わらず日常を過ごすのである
ここで息子は大きな失望を感じる

父親への恨み
大きな失望はすぐに恨みへと変わる
幼い頃から社会や働くことの大切さなども話してもらったことがなく、故に学校などの集団生活、仕事でもうまくいかず、挙げ句の果てにはこんな状態になった自分を無視している。この原因は間違いなく父親にあると考え、期待は失望し大きな恨みへと変わる

父親への無関心
しかしずっと同じ家にいるという環境のせい、また恨みを実際に暴言、暴力などの行動に変えた場合、じゃあお前が出て行けと言われる可能性、そしてその場合経済力もない自分にはどうすることもできずに泣き寝入りしてしまうこともあり、実際に行動には移せない。そうするとこの恨みを持ち続けながら憎い父親と顔は合わせないながらも共に暮らしていくのはとても居心地が悪いと感じる。無関心のこの段階は恨みからかなり時間がかかる場合もあり個人差だが多くは憎しみはあるものの前面に出さず、ゲームやネットで現実逃避していれば瞬間的に恨みから逃れられるため父親はどうでもいいと感じる

父親への理解
この段階が引きこもり状態から抜け出せる息子の、父親との向き合い方になる。
逆にいえば簡単ではないが父親への理解があれば引きこもりから抜け出せる
心底で恨みはあるものの現実逃避で無関心が大きくなる日々、そんな中でも自分のこの状況をなんとかしなければとは考えており、行動は堕落して見えても焦りがないわけではない。
その後、これは理想的なケースだが、母親または自分で就活や役所、職業訓練校や自立センターを見つけ一歩ずつ前に進む。情報収集や新しい環境など前に進み行動していると父親への恨みはまだあるものの、それを長く考えることに時間を取れなくなってくる。仕事から帰ってきて父親と顔を合わせる。父親もこんなに大変な思いで働いていたのかと少し理解を持ち始める。より心の余裕がある場合、よくよく考えてみると平日は帰りが遅く週末しか休みがない中で、幼い頃などドライブに連れて行ってくれたり欲しいものを買ってくれたり父親なりに自分のために何かしようとしてくれていたのではないかと考え始める。
自分に必要だったのは人との付き合い方や困難の乗り越え方、継続の方法などもっと社会に実用的なことだったかもしれないけれど、父親はそんなに素晴らしい事を言えない立場をわきまえてその時自分にできる精一杯を息子にしていたのではないかと。
少し前まで恨んでいたにも関わらず感謝の気持ちまで生まれることもある。
そして自分で経験、成長を実感して恨みからは離れていく

父親への前向きな無関心
ちなみに娘の場合、母親と徒党を組み最初から父親という存在に期待をしていないので期待、失望、恨みなどこの葛藤が起こりにくい。

父親とはそういうもの、仕方ないと割り切るのだ

息子も自分の状況が進んでいくとこのフェーズになってくる。確かに今まで大変だったのは父親のせいかもしれない。しかし恨んでいるうち、引きこもっているうちに父親も70.80となってきて恨むにはあまりにも弱者なのだ。
こんなおじいちゃんを恨んで自分は何をしているんだろうと思ってくる

また社会で自分が得てきた知識、経験などが糧になり父親を恨むことも減っていく

これらはあくまでかなりスムーズに進んだケースだが大方この流れになると考えている。

この記事が今困っている誰か一人にでも届けば幸いである。

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