君は「テプラの魅力」を知っているか。他人には理解されない私の趣味。
「趣味はなんですか?」と聞かれた時。
お茶と、お花を少々・・・と言う必要がありそうな、よそゆき場面では、いつも「読書と落語です」と答えています。
バーベキュー場運営をしていることもあり「アウトドアがお好きなんですか?」と聞かれますが、できる限り外には出たくありません。
大金はたき、大変な思いをしてシミとりをしたばかりですし。
できれば、年がら年中エアコンのきいた静かな部屋で一日中本を読んだり、落語を聴ける生活がしたいです。
過去には好きな噺家さんの落語を聴くため、横浜から春日部まで2時間以上かけて独演会に参加したこともありますが、子どもが生まれてからはそんな機会も激減。
現地に行けないので、落語を聴くのはもっぱら車の運転中。
夫と車で出かける際、行きはいろいろ会話が弾むのですが、帰りはもう何も話すことがないので、ふたりで黙って落語を聴いています。
では、よそゆきではない趣味とは何か?
コレです↓
「テプラのラベルをはること」です。
まさかテプラを知らない人なんていないと思いますが、念のため説明すると、株式会社キングジムが製造・販売するファイルのタイトル表示や備品管理、子どもの学校用具の名前付けまで、なんでもござれの「ラベルライター」のことです。
子どもの頃からテプラに親しんできた私。中でも黄色の18mmのおさるのもんきち柄ラベルが大好きで、「でもこれは貴重だから」と普段は白の18mmテープを使い、ここぞというとき(大事な下敷きに貼るときとか)にもんきちラベルを使っていました。
最初に就職した会社では管理系部署にいたのでテプラ必須でしたし、その後フリーランスとして中小ベンチャーのバックオフィス業務を請け負い始めてからも、しれっと請負先の資料をキングジムのファイルで統一し、片っ端からテプラを貼り付けていました。
そういえば、所属していたベンチャーで「自分の偏愛グッズを事務所に飾ろう」という社内イベントがあった時、「テプラの良さを皆に伝えなくては」という使命感に駆られ、テプラを紹介することにしました。
でも、テプラ本体を飾ってしまうとテプラを使えない。どうしたら。
そこで私は、「自分の好きなラジオ番組名をテプラで印字し、お菓子(ココアシガレット)の空箱に貼り付ける現代アート作品」を展示しました。
でも、改めて「なぜテプラが好きなの?」と聞かれると、うまく答えられません。
好きに理由なんていらないのよ!と思いつつ、あまりにもこの趣味を共有できる人がいないので、自分でも「わたしは一体テプラの何が好きなんだろう・・・」と考えていた時。
いつも聴いているポッドキャスト番組「OVER THE SUN」のリスナーさんからのお便りで話題になったのが、「私がこれを好きな理由」というテーマでした。
「80年代の洋楽」「この瞬間にかける大人」「ホタル」などなど、リスナーさんがそれぞれ好きなものと、その理由をお便りで送るという企画です。
この企画は大バズりし、お便り文面を同人誌にして番組で販売するくらいの人気コンテンツに。
そこで、自分も「私がこれ(テプラ)を好きな理由」について、じっくり考えてみることにしました。
■ 私がテプラを好きな理由①:「場が整う心地よさ」を感じさせてくれるから
テプラが起こした最大の革命は、「誰でも、簡単に、その場を整えることができること」だと思っています。
書棚や引き出しはもちろん、クローゼットや冷蔵庫の中まで、テプラがあれば一気に整理整頓が叶います。
何がどこにあるかを全部ラベリングして、すっきり整ったその場を見ると、なんとなく、心地よい風が吹くように感じるのです。
私の整理整頓への憧れの原点は、丁寧な暮らしに憧れる人であれば1つは持っているであろう「野田琺瑯」にあります。
野田琺瑯の社長ご夫人である野田善子さんの本で、冷蔵庫の中が全て白の琺瑯で埋め尽くされ、そこに美しい手書き文字でラベリングされているのを見て以来、これが自分の理想形に。
でも、致命的な問題が。
私は字が汚いのです。
一度ボールペン字の練習帳を買いましたが、1週間で挫折しました。
ちなみに、学生時代はこういうとても頭の悪そうな文字を書いていました。
でも、テプラがあれば、文字のフォントが揃います。
文字の大きさや形が揃うことで、自分の心まで整理整頓された気がするのが、たまらなく好きなのです。
テプラさえあれば、すっきりした暮らしを体現できそうな気がしてきます。
■ 私がテプラを好きな理由②:「おしゃれさよりも大切なもの」をわかってくれているから
初めて買ってもらったパソコンがSONYのVAIO(当時はVAIOが一番おしゃれだと信じて疑わなかった)だった私は、長い間Windows一択でした。
でも、その後彗星の如く現れたMacBookを見てからは、いつも私の脳裏にりんごマークがありました。
Window勢がサブカル系ステッカーや人気Saas系企業ステッカーを自身のパソコンにベタベタはる一方で、MacBookは「わたし、ステッカーなんて貼らなくてもおしゃれなんです」と言わんばかりの洗練された雰囲気。
愛憎入り混じった憧れを捨てきれず、ある日私はついにWindowsを捨て、MacBookを購入しました。
嬉々としてMacBookを開き、愕然としました。
シフトキーが、ない。
いや、正確には調べたらあった(「↑」という矢印マークだった)のですが、キーボードのどこをみても「Shift」とは書いていないんです。
当時、「MacBookってショートカットキー使えないの!?」と愕然とした新参Macユーザーは、私だけではなかったはず。
それと比較して、私のテプラですよ。
テプラのキーボードには、きちんと"カタカナ"で「シフト」と書いてくれているんです。
しかも、真っ赤なボタンでこれでもか!とシフトをアピールしてくる。
これ以外にも「印刷」「書式」「サイズ」など、テプラのキーボードはひとめ見るだけで「ここを押せばいいんだな」ということがわかります。
オシャレかどうかよりも、使いたい人がちゃんと使えるようにフォローしてくれる。
誰も取り残さない、それがテプラです。
■ 私がテプラを好きな理由③:たまに「考えさせられる変換」が生じるから
毎回というわけではないのですが、「たまになんでこうなるの?」というような不思議な予測変換が起こります。
この不思議変換にあたると、「キタキター!」とテンションが上がります。
先日「こうせいねんきん」と打ち込んだときのこと。
きっとあなたのMac Book Proなら、一発で「厚生年金」と出ますよね。
でも、私のテプラの場合。
なぜか「こうせい」だけが漢字に変換され、かつその字は「後世」。
「後世年金」。
後世の年金・・・私たちは、後世に年金を残す(?)ことができるのか。
現在の年金制度はどうなっているのか。
そして、日本の政治はどうなっていくのか。
テプラの変換から、日本政治の未来にまで思いを馳せることができます。
日々Mac Book Proのキーボードをこれみよがしに高速タイピングしている方は気づかないかもしれませんが、このようなトンチンカン変換ははからずも、心に余白を与えてくれます。
■ 私がテプラを好きな理由④:イラストが地に足ついていて信頼できるから
最近加工やらAIやらで、やたら美しいイラストや写真が増えていますよね。もう、何も信じられない気がしてきます。
でも、テプラのイラストは信じられます。
見てください、この心温まるイラストを。
周囲がギザギザした感じが、なんとなくたまごっちを想起させます。
まめっちを目指してせっせとお世話をするのに、どんなに頑張っても結局にょろっちになってしまい、「こんなはずじゃなかった」と泣いた日々を思い出しました。
また、テプラには「使い道がわからないイラスト」が紛れ込んでいることがあります。
「遊び」カテゴリに以下のイラストがあるのですが、なんの遊びをしているのか全くわかりません。
取扱説明書を確認すると、「バッグを持ってピースサインしているイラスト」だということがわかりました。
ピース・・・してる・・・?
■ 私がテプラを好きな理由まとめ:人のあたたかみを感じるから
書き連ねていると、今までなんとなく好きだったテプラのへのぼやっとした愛着に、少しずつ輪郭が見えてきました。
私がテプラを好きな理由、それはとどのつまり、「電子機器なのに、人のあたたかみを感じるところ」なのかもしれません。
電子機器って、一見無機質で、おしゃれで、洗練されていて、隙がない。
あの時のMacBookは、まさにそうでした。
だからこそ私はMacBookに憧れ、今も画面が割れてバッキバキのiphoneを使っているのです。
でもテプラは、電子機器なのに、あたたかい。
クラス1のイケメンではないけれど、お茶目で頑張り屋さんな愛されキャラ。
ぽちぽちと独特の感触のあるキーボードを押し("たたく"じゃなくて、"押す"なんです)、テープが印字される「ジー・・・キュールールー」という音を聴いていると、心が落ち着く。
私にとってテプラは、心の安定に欠かせない、唯一無二の相棒です。
これからもテプラーの一人として、テプラと共に人生を歩みたいと思います。
おまけ
<開発経緯に感動>
テプラの開発経緯が公式ホームページで詳しく書かれています。
テプラに感じるこのあたたかみは、この開発者の方たちの強い想いによるものだと確信して感動しました。
<最新テプラに衝撃>
私の知っている「お茶目で頑張り屋さんな愛されテプラ」じゃない・・・このフォルムは、どう見てもスクールカースト最上位・・・。
人気インスタグラマーのキッチンにある透明ボトルに付いている「Natural Salt」のラベルはこれで作られていたのか、と衝撃を受けました。
おこづかいを貯めて、いつか買いたいシリーズです。
<ラベルバリエーションに興奮>
株式会社清和ビジネスさんのnoteを見ると、テプラの多種多様なラベルバリエーションが紹介されています。「こんなラベルが作れるの!?」と興奮しっぱなしでした。