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ヴィンテージコッチョリーノ #まいにち土鍋

出てくる出てくる。
まだまだ工房から古い作品が。

過日の個展、土鍋なしの新作なしのヴィンテージコッチョリーノの集結をお楽しみいただき、心から嬉しかった。なぜなら、今まで追いやってきてしまった過去作品というイメージが自分自身では拭いきれず、初日まで不安でいっぱいだったから。

なぜ笑顔になれたか。

古きものだからこそ、「この作風は新鮮」「ここがいい」「この色ははじめてみた」など、私にとって大切なものを思い出させていただける言葉や想いをいただけたから。コッチョリーノはいつも没頭しがちなので、良いことも悪いことも、人に言われてわかることが多くて、仏のように自分で悟るなんて滅多にない。陶芸という仕事は生活の術だけれど、「売りたい」「世に出たい」「世を変えたい」のために展覧会をしているのではない。第三者の感情、言葉を聞きたいのだ。

そこに恩返しが生まれる。

恩返しは、返し切るどころかさらに溜まってゆく。あの人が支えてくれたこと、残してくれた言葉に恩返しはもうできない。ある人が私に言った。その場合は恩送りすればいいのですよと。


8月7日(日)
ヴィンテージコッチョリーノ

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