見出し画像

母親病:森美樹

私は自分の母親が苦手。
世間でいう「毒親」というほどではないけれど、性格の不一致というやつ?
彼女の事が好きじゃないのです。

そんな私が「母親病」という小説を読みました。

https://amzn.asia/d/7JHVMD5

この題名から「毒親」や親娘関係の内容かと思って読むとその差異に驚く事になるかもしれない。そんな作品でした。


毒と高齢女性


ドクウツギという植物をご存知でしょうか?

園枝という夫を亡くした一人の高齢女性と、ドクウツギを中心とした連続短編が一冊に収められています。

園枝の娘、園枝のケアマネージャー事業所で働く女性たちやその家族。
それぞれが親娘関係であったり、生き方について悩み、もがき苦しみながら彷徨う様が描かれています。

一人の人間であり女性であるということ


この本を読んで最も強く感じたのは、誰もが苦しそうだということ。
出てくる登場人物が皆、誰かや何かに憎しみを抱いていてハッピーじゃない。
出てくる登場人物がみんな黒いものを纏っていて、すっごく生活に疲れていて大変そうなのです。

それは他者に何かを求め過ぎていたり、自分の理想と現実の差異に悩んでいたり色々な感情が交錯しています。
どの人も自分の娘や母親、家族を想っているのにそれがうまく噛み合わない。
そして、黒いものがどんどん濃くなっていく感覚がありました。

読んでいて、そのことに切なさを感じると同時に自分自身を大切にして欲しくなりました。

そして、これは人ごとではないぞ…そんな気持ちになりました。

人というのは弱い生き物


とはいえ、人って弱い生き物なんですよね。
そう、弱いんです。

私、よく強いって言われますけど…そんなことないです。
誰だって強くなんてないです。


新しいことに挑戦すること
自分が絶対に幸せになれるのか
幸せな状態がどんな状態を指しているのか
どんな未来が自分には待っているのか

未来は誰にもわからない。
だからこそ、不安だし怖いし
この恐怖からは一生逃れることはできないような気がしています。

それでも依存しないこと、自分の力を信じること。
その重要性をこの小説内の登場人物たちから、改めて感じることができました。

自己理解、自分を満たすことの重要性


手帳や日記などに記録、見返しておくこと

自分はどんな歳の重ね方をしたいのか
何をすることで自分は満たされるのかそれを知っておく事の重要性を強く感じました。

どうしても私は忘れっぽくて、感情的になりやすい。
だからこそ、記録しておくこと。
そしてそれを時々でいいから見返すことが大切。

記録も感情ベースでどうしても書きがちなので、事実と感情を分けてそれぞれ記録すること。
そして、自分の嫌や苦しみを吐き出すよりも好きや楽しいで埋めることを意識的にしておくこと。

嫌や苦しみから目をそらすのではなく、ご機嫌な状態で未来を切り開いていきたいです。

色々な年代の人と会って話す、思考に触れること

どうしても毎日の自分の生活行動範囲で出会う人って限りがあります。
だからこそ、インターネット上やSNSなどで様々な人の暮らしや考え方に触れることを意識的に行いたいと感じています。

私には私の思考の癖があって、無意識のうちにその考えに偏って凝り固まりがち。
だからこそ、様々な職業のいろいろな考え方の人の思考に触れることが大切。

正解、不正解はなく
社会不適合っていうレッテルも貼らなくてもいいんじゃないかと今は感じ始めています。

もっと柔軟な思考ができる人になっていきたいな〜という感じです。


決して、明るい話ではないしミステリー要素も強い一冊。
私にとっては、自分へのひとつの戒めになりそうな作品でした〜!

よかったら是非読んでみてください😀

https://amzn.asia/d/5f6VyT4


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?