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【スペイン北の道④】映画「サイレンス」なヨガおじさん

フランス・パリを2023年7月半ばにスタートとした私のカミーノ・デ・サンティアゴは、フランス国内をパリ→オルレアン→サンテ→ボルドーとフランス国内を進み8月20日にスペインのカミーノ・デ・ノルテ「北の道」に入りました。バスク州サン・セバスチャンから歩き始め、暑さと雨にやられながら、9月上旬にカンタブリア州、9月中旬に3つ目の州となるアストゥリアス州に入りました。

ピコス・デ・エウロパ 岩の山が連なります

アストゥリアス州に入ると、ピコス・デ・エウロパ(ヨーロッパの頂)連山が見えてきました。アストゥリアス州のカミーノ・デ・ノルテはしばらくこの山脈を左側に眺めながら歩きます。
アストゥリアス州ひとつめのアルベルゲは、コロンブレスという小さな町の住宅街の一軒家で、若い男性のホスピタリテが一人で運営していました。

夕食後、間接照明の灯りを落としたリビングでお茶を飲んでいると、庭の芝生にヨガマットを敷いて長い時間ヨガをしていたポルトガル人の男性に話かけられました。私に日本のことをききたいとのこと。

「サイレンス」という日本の映画を知っているか。

サイレンスぅ?

日本人でこれを知らないわけがないだろうと彼はスマホで予告編映像を探してみせてくれます。

泣き叫ぶ江戸時代の日本人と西洋人の映像が出てきました。

あああ。わかった。遠藤周作の「沈黙」

長崎を舞台にキリスト教の棄教をテーマにした重厚な作品でマーティン・スコセッシ監督の名作です。アメリカのアカデミー賞にもノミネートされています。

あれはポルトガル人の話だ、と彼は言います。

ポルトガルからの宣教師の話だった、そうだった。原作は読んでいるから話はわかるよと、日本でもよく観られた映画だよと伝えたら、

知っているならいい、あれはすばらしい映画だ。

そして彼が言うには、ヨガを通して日本の禅についても興味がある。一人でヨガをしていても禅の境地にはならないのは、どういうわけだと?と難しすぎる質問です。

日本語でさえそんなの説明できない私が英語で説明できるはずがない。禅やヨガの仏教での位置づけ、その境地。いやいや無理むり。

私はこう答えました。

日本で禅のトレーニングをする場合、かならず師がいる、だから一人では難しいと私は思う。
かなりお茶を濁してはぐらかしたけど、これが限界。少しは納得してくれたようでよかった。この男性はまじめにこの禅の勉強をしたいだろうに、手段がなくて気の毒です、ポルトガル語で仏教や禅を学ぶ方法が彼には届いていないのです。

アストゥリアス州の巡礼路 青い細長い看板は宿泊所(アルベルゲ)のお知らせ
巡礼者は黄色い矢印の指示で歩きます


そういえばパリをスタートして以来、オランダ人の女性サイクリストはヨガ教師とか、ドイツ人妻がヨガを教えていると言っていた。キリスト教以外での精神的な充足に関心のある人が少なくないのだなとも思いました。

この家にはヤマハの電子ピアノのクラビノーバがあったので久しぶりに弾いてみることにした。「スタンドバイミー」と「カントリーロード」をまず弾きました。
こんどは私がこのヨガ系ポルトガル人に訊きたいことがありました。

スペイン北の道②】で書いたこの4日前のことです。
バスに乗って見に行ったサンテジャーラ・デル・マルの古いロマネスク形式のサンタ・フリアナ参事会教会での昼のミサで「グローリー・ハレルヤ」のことがずっと、気になっていました。

その時に気になっていた「ヨドバシカメラCMソング」聖歌の件です。
ミサの途中で歌われたその重厚なるコーラスがまだ気になっていて、ポルトガルのミサでも歌うのか聞いてみたくなりました。

コロンブレスのアルベルゲの近く。
朝が早いとネコが先導してくれます。その前にも巡礼者がみえます。
スペインは毎日、巡礼者に会いました。

クラビノーバで弾いてみポルトガルのミサでも歌う?ときいてみると、歌う、歌う、とポルトガル語で歌ってくれます。アメリカが原曲でアメリカの国の歌にもなっているこの歌を、スペイン、ポルトガルのカトリック教会のミサで歌うことはわかりました。それにしてもどんな経緯なのかはわからず、今も宿題のままです。

誰か参考図書などあれば教えてください!違う歌なんだよ、と言ってくれるならそれでもいいです。

このお話は巡礼そのものには関係しないので電子書籍には入れていません。
スペイン巡礼路「北の道」は3巻~5巻で書いています。(←インスタグラムでイメージ動画配信中)


3巻はこちらから↑
4巻はこちらから↓


電子書籍に入れなった写真はインスタグラムで配信しています。
読書の参考にどうぞ。


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