見出し画像

【公開用】視覚障がい児の可能性を拡げる世界を創る

これまで検討していたプロジェクトを公開して、色々な方からご意見をいただけるように展開することにしました。

(0)どうしてプロジェクトをやろうと思ったか

娘は全盲です。将来が気になったため現状の視覚障がい者雇用について、国立職業リハビリテーションセンターに確認したところ「ここ5年の間に全盲で国リハから一般企業に就職された方は3名程度のようです」との回答。全盲と弱視の割合の問題もあるかもしれませんが、国立の施設でこの数字は…と驚愕したことがきっかけでした。そこからもっと視覚障がい者の強みを活かした将来設計ができる世の中を目指すプログラムの検討を始めました。

(1)障がい者雇用と法定雇用率の現状

障がい者全体の法定雇用率は現在民間雇用で2.3%となっていますが、従業員が100人未満の中小企業においては実雇用率が1.68%と低い水準になっています。また、「法定雇用率を守るための雇用」をして、実際は遣り甲斐を感じられるような職務に就けていないという声を聞くこともあります。

障がい者雇用と法定雇用率の現状(2022年9月現在)

(2)視覚障がい者雇用・業種割合の現状

視覚障がい者はそもそも障がい者人口においての割合が低いといわれますが、障がい者雇用における雇用率が5%にも達しません。雇用職種においては6割強があはき業が占めるのが現状です。理由の一つには盲学校での専攻科が音楽科、鍼灸科に限られることが多く、もちろん国家資格を必要とする素晴らしい職業であることは間違いないのですが、他の将来の選択がしづらいという背景も見られる。そのため、学生時代の経験を増やして選択肢を拡げる必要があると考えました。

視覚障がい者雇用・業種割合の現状(2022年9月現在)

(3)企業側の障がい者雇用の現状

企業側としては「共生する経験がないため、障害者を雇用するイメージが湧かない。」という課題があるようです。企業オーナーが考える雇用する課題として声が大きいのは
障がい者を雇用するイメージやノウハウがない
会社内に適当な仕事があるかわからない
という点に課題を感じているとの数字が出ています。
「雇用形式」の場合、ミスマッチによるハードルが高く感じられるかもしれないため、学生・児童による「研修(習い事)形式」という場を設定するのはどうかと考えました。

(3)企業側の障がい者雇用の現状

(4)視覚障がい児による一般企業での研修プログラム

視覚の障がいを「聴く」「表現する」「触覚」の強みとして、それを伸ばしていくことができるような将来に繋がる研修プログラムを企業と検討・新規開発します。企業側も障がい児の研修を通して、一般企業における障がい者との共生社会を経験し、それを当たり前の世界として形成していくことが目的です。

(4)視覚障がい児による一般企業での研修プログラム

(5)ステークホルダーマップ(※ver.3 随時ブラッシュアップする)

自治体・学校と連携して、全国の視覚障がい児童がプラットフォームから情報収集できる仕組みを作る。プラットフォーム利用は「小学生:情報収集」「中学生:PC・英語ベーススキルの研修」「高校生:聴/表現/触の強みを強化するための研修」を企業や大学研究施設と共同開発する。研修を実施した優秀な人材を企業や研究施設に就職・進学することも可能。

(5)ステークホルダーマップ(※ver.3 随時ブラッシュアップする)

(6)【中学生コース】PC・英語のベース研修

視覚障がい児が将来「強み」をさらに強化する研修に取り組むためには、まずベースとしてPCスキルと英語のスキルは獲得しておくべきと考えています。すでにPC・英会話教室を展開している外部講師と連携して、テキストを点字対応したり、音声入力対応をさせるなどして、具体的なプログラム内容を外部講師と開発します。
これはTwitter内で視覚障がいの皆さんからご意見をいただき、検討したプログラムです。

(7)【高校生コース】聴/表現/触の強みを強化するための研修

目が見えない」ことにより「聴」「表現」「触」の能力が晴眼者より長けていると思います。それを強みとすることで、晴眼者以上に自信を持って、遣り甲斐をもって輝けるような将来が選択できるよう、より一層その強みを強化できるプログラムにしたいと考えています。

」スキルについては、音声ガイドや翻訳アプリに関する座学やワークショップを通して、「開発」「営業」「CS」をはじめとした様々な職種を体験し、自分の将来どんな選択をしたいか、何が向いているかを考えるきっかけにする、研修を受けた優秀な人材形成ができるため、そのまま就職を選ぶ場合には企業に対してもメリットが発生するとおもいます。

表現」スキルについては、視覚に頼らず物事を伝えることに長けている視覚障がい者は、例えばIT企業で求められるバックエンド開発の際のロジカルスキルであったり、リリース情報などの発信において求められる文章構成能力など、言葉で伝える職種において強みを発揮できると考えています。

」スキルについては、普段の生活から視覚に頼らず、指先の感触や足や体全身のバランス、そして臭覚を頼りに生活することに長けている視覚障がい者は、相手に接触する圧力の加減だけでなく、感覚や臭覚から受け取られる空間デザインにも長けていると考えました。現在鍼灸を国家資格として展開される方は多くいるかと思いますが、鍼灸をより幅広い層の利用者に提供できるようアロマという選択肢を設定し、施術だけでなく関連したセミナーや研修を開発したり、勉強会やコミュニティを形成したりといった将来設計の幅の広がりが持てると考えています。

※もう少し具体的な企業との検討中プログラムもあるのですが、検討段階ので具体的な記述は控えます。ご提案の際はその内容についてもご説明ができればと思います。

上記は晴眼者の私が検討したプログラムであって、より視覚障がい者の生の声を反映したプログラムの形成が必要だと考えています。そのためのデザインリサーチをしていく必要が大いにあると思うので、もっと大きな規模で調査の舞台を設計してプログラムに反映していきたいと考えています。

(8)流通・プロモーション戦略について

  • 自治体の協力を得てそのエリアの学校・盲学校・特別支援学校に向けて説明会を実施

  • オリジナルデザインの募集を実施し『視覚障がい児が共生社会を実現する主体型ムーブメントを起こす

  • 決定したオリジナルデザインのグッズをリターンにしたクラウドファンディングを実施し、エリアごとのPRイベントを通して晴眼者にも共生社会を考える時間を設定する

  • ビジネスマッチングを活用して、本プロジェクトに関する情報発信をする。一般企業とプロジェクトを共同研修開発をしてくれる企業を探す。

(9)クラウドファンディング・SNS活用について

  • クラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げ、全国に情報発信する

  • リターンに全国の各都道府県エリアごとに視覚障がい児が描くアイディアを『オリジナルデザイン』として集めることで、全国の視覚障がい児の参加型プロジェクトとする

  • 参加型プロジェクトの拡散については、自治体・学校単位でチラシを配布し協力を依頼する

(10)障がい者種別・特別支援学校在籍者推移

  • 全体の障がい者数は増加傾向にある

  • 特別支援学校に通園する児童数も増加傾向にあり、特に発達障害児の通園者が多い

  • 視覚障がいから共生社会をはじめ、他障がいへも展開すべき現状がある

(11)終わりに

たとえば私が考えたのが「習い事プログラム」という手段だったのですが、別にどうしてもこの形式でなければならないと思っているわけではないんです。たまたま、私がたどり着いたのがこの方法だっただけで、「障がい児が将来強みを発揮できるような選択肢を創ることができる」「障がいに対して認知のあまりない人たちに向けて、理解するきっかけとすることができる」そんな手段だったら、やり方は何でもいいんだと思っています。なので、このnoteを読んだ方はぜひこんな方法がいいんじゃないかというご意見をどしどしいただけたらと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?