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地方の金融機関さんが愛情深すぎる

みなさんは金融機関に対して、どんなイメージをお持ちですか?
もしかしたら「お金を貸す機関」というイメージが強いかもしれません。私は金融業界に関わったことがなかったので、まっさらな中で入りました。

まさか、ここまでこの仕事に没頭するとは思っていなかった。これほどまでに、地方の金融機関さんが地域に熱い想いを持っていると知らなかったから。

1.経営者の悩みは一人だけの悩みじゃない

例えば、企業を経営していると経営方針について悩むこともあると思う。経営者さんは口には出さないけど。でも、この悩みは経営者さんだけの悩みじゃなかった。

地方の金融機関さんが、普段なにをされているか。
皆さん、企業様に訪問をして「社長、最近どうですか?」なんて会話を定期的にされていたりする。

つまり経営者さんの悩みは、伴走している金融機関さんの悩みでもあるのだ。

私は営業として、その現場に一緒に同行させていただく機会を何十回以上も経験させていただいて、金融機関さんの背中を見て、いつもそれを感じていた。

経営者さんにとってどうしたら1番力になれるんだろう…というのを誰よりも考えているのが金融機関さん。

正直、「金融」という業界だけで考えたら、いかに「融資」できるか、という着眼だけでいいんだと思う。実際にそういう方ももちろんいると思うし、それも間違ってないと思う。
でも私のかかわった金融機関さんは、本質的に企業様の経営状況をよくしていくにはどうしたらいいんだろう…と自分事にして考えている方ばかりだった。

だから、金融機関さんはいつも数字との板挟みで、実績を上げなきゃいけないし、本業支援との費用対効果を天秤にかけなきゃいけない。

その上で、やはり企業様の本業支援を通して役に立ちたいという想いで、このプロダクトを勧めてくれてたんだと思う。
そのお役に立てるならと、私は金融機関さんの同行を一緒にさせてもらえることに心から遣り甲斐を感じていた。

これだけ地域企業への想いが愛情深くて、地域を活性化させたい、という強い想いの人たちがいる場所。
あの日々があったからこそ、地域が活性化することに意義があるんだと感じられた。

地方の魅力を脚で、言葉で、想いで語っていたのは、誰よりも地方の金融機関さんだった。

2.地方の金融機関さんが愛情深すぎる

あの日のことは忘れもしない。

ある企業様がもっと集客を強化したいというけど、恐らく、今のままでは難しい…そう思った私はこれまでにはない方向性からアイディアを絞り出し、経営者様に伝えてみたが、あまり刺さっていなかった。その企業様のバックボーンを知らないから。

そんな時に、企業様と普段から対話をして、どんなことで悩まれているか、どんなことを希望されているかを熟知している金融機関さんが、まさかの方向性から提案をしてきた。

なんでも、市のイベント情報サイトがあるらしく、このイベントにあるような顧客層の来客が見込めるから、それに準じた情報発信をマッチングでしていくと良いですよ、というのだ。

驚いたのは、これをやっているのが「金融機関」ということだ。
これは決して、お金を貸す業務ではない。
そこには、「どうしたら、この企業にとって最大限役に立てるだろう」という想いが根底にあって、凡ゆる手を尽くしているということ。

この人たちは、本気でこの企業様のことを想っている。地域のためにと、自分の身を投じている。
この人たちの想いには応えなきゃだめだ。私に出来ることを最大限に尽くしたい、と思えたのはそんな金融機関さんの想いがあったから。

「このプロダクトは、これまで金融機関では出来なかった、垣根を越えた繋がりを全国に広げることができる。だから物凄く可能性があると思うんです」

ある時、金融機関さんがキラキラした目でそう語ってくださった。

「この地域の企業様の可能性をもっと広げたいんです。もっとマッチングさせるためにはどうしたらいいと思いますか?」
「もっとできるんですよ。こんなセミナーを考えてて…それをお願いしたい」

その方の中小企業に向けたマッチングへの熱量は、恐らく日本一だったと思う。

この想いに何とか応えなきゃ…と思ったら、寝る暇も忘れて提案を考えたし、朝までデータを掻き集める日もあった。

プロダクトがどうしても最大限ご満足いただけるに達しない時、時に凄く厳しいお言葉もいただいた。

やり切れない思いもあったけど、その厳しい言葉の背景には、
本気で経営者様を想い、金融機関内の職員皆さんを守ることが、何より地域の発展に繋がると分かっているから。
そんな仕事に誇りを持って取り組まれているから。

それが分かるから、出来ないこともなんとかして代替え案を提案したし、出来ない時も理解してもらえるまで本気で伝えようと真摯に向き合ってきた。

だから、私たちはビジネスの間柄以上に、「人」としての信頼関係を構築してきたと思うし、唯一無二の関係性をそこで培うことができたと思う。

真摯に向き合う

これが、どんな競合にも負けない最大の強みとなることを金融機関さんに教えてもらった。

3.ビジネスの「ビ」の字を教えてくれた人

私にビジネスの「ビ」の字を教えてくれたのは、金融機関さんだった。

接客やエンジニア、経理などはやってきたものの、「営業」というルーツを踏んでこなかったために、社会人10年目にして営業を覚えた。

プロダクトにおける課題。根深い課題で、簡単には解決できず、誰もタッチできていなかった。
でも金融機関さんと協力させてもらえたら、解決できるはずだ。

意を決して電話をした。
そこから、全ては始まった。

「その課題、ずっとやらなきゃって思ってたんだよね。
玉置さん、一緒にやってくれる??」

初めて、チャンスをもらった。
そこから確かに、無理難題をいただくこともあったけど、
それが本質的に企業様のためにやるべき課題だということがわかったから、
最大限の今ある手札、私にできることを返してきた。

普通なら費用対効果とか、生活レベルで定時に上がれる範囲とか考えるんだろうな。

でも、その瞬間はその相手が私にとっては全てだ。
新卒の時から、いつもそうお客様に対峙してきたと思う。これ以上やり尽くせないところまでやり切る。
それだけはお客様にも伝わってたと思う。


そうして信頼関係を築いてきた時間。
最後は、ちゃんと御礼をお伝えしたかった。

30代で営業初経験の私は、不安しかなかったけど、
伴走支援しなきゃいけないのは私のはずなのに、
伴走支援してもらっていたのは、私だった。
隣で提案をさせていただけたら、堂々としていられたし、1人では提案できないようなお客さまとのチャンスを沢山作っていただいた。

「今まで本当にお世話になりました」

その金融機関さんに対する感謝と、色んな想いが込み上げて、膝はガクガク震えるし、涙と嗚咽が止まらない中で伝えた言葉。これまでの時間がどれだけ大事だったか、自分でも驚くくらいに込み上げるものがあった。

「また何か一緒にできることがあったらやりましょう」
多分そのチャンスに遭遇するのは難しいけど、本心でそう言葉を選んで言ってくれたんだと思う。


営業で一緒に回らせていただいた日々が、走馬灯のように巡る。その時間を経て、私がいま社会を創っていくビジネスマンになれたのは、社会を創っている金融機関さんのお陰だ。今日まで培ってきた時間を、絶対に社会に還元していく。そう心に誓った。


本当に貴重な時間をありがとうございました。

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