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49歳の夏だから

天才バカボンのエンディング曲、知らない世代の方がほとんどかと思いますが。

先程、Twitterでわざわざ書くべきではないかもとは思ったものの、決意表明のようなツイートをしました。内容は「撤退も視野に入れて」なんて書いたので、私のことを嫌いな人は「断筆だヤッター!」と喜ぶでしょうし、私の漫画を好きで読んでくださっている人は「やめないでください!」となると思うので、引退宣言ではないと書き添えておきました。それでも伝わらない方には伝わらないとは覚悟していますが。

28年間、アナログからデジタルへの移行などあったものの、ほぼ同じ手法で漫画を描いてきました。でもそろそろ通用しないのでは?という思いは、直近で最後に重版のかかった「えっちすけっちわんたっち」くらいからあって、このままではいけないという焦りは日々強まる一方です。今までのキャリアを家にたとえるなら、修繕や新しい家具や模様替えでやってきた感じなのですが、もうここはリフォーム、もっと大胆にリノベーションくらい壊して作り直す気概が必要なのではと。

こんな事を考えるのは、表題にもあるように私も49歳です。30歳くらいで人生折り返しでショックを受ける方がいますが、私の場合、人生の終着点から逆算して、あと何作品作れるのか?というふうに考えるようになりました。例えば3年間連載が続いたら、もう52歳になるわけで……。そのやばさは、同じように歳を重ねないとなかなかわかってもらえないかもしれません。逆算して物事をこなさないと、という思いが強いです。

これは大学の先輩でもあり、師匠として私淑している古屋兎丸先生が、若いうちから時間を計算して様々なものを描いていたということに影響を受けています。いつかは先生の若い頃の憧れであった劇団・東京グランギニョルの舞台を描いた「ライチ☆光クラブ」を、という感じだったと思います。

私は古屋兎丸先生のような天才ではないので、漫然と年月だけ重ねてきてしまったのですが、そろそろ限界を感じています。まあちょっとした修繕程度ではありますが、現連載の『突発的クリエイトファミリー』は、今まで自作になかった、初めて若い女性を主要人物に据えていない作品です。