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ソウゾウ

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色々な想像を膨らませた物語おきばです。 #毎週ショートショートnote#シロクマ文芸部 さんに不定期で参加しています。
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記事一覧

オバケレインコート #ショートショート(410字)

オバケレインコートを知ってるかい? 僕はまだ見た事が無いんだけど、なんでも1000メートルく…

玉三郎
1か月前
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真っ白な月 #新生活20字小説

始まる前に燃え尽きたんだよ、真っ白にな。 こちらの企画に参加させていただきます🙏 ここ数…

玉三郎
1か月前
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【ピリカ文庫】アイとユウ

ユウがまた教科書を借りに来た。これで3日連続、記録更新。 「中学生にもなって、また忘れ物…

玉三郎
2か月前
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ふとんのおばけ #シロクマ文芸部(360字)

布団から出られない。 なぜなら体が重いから。 布団のぽかぽか成分から、何か麻酔効果のある…

玉三郎
3か月前
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月をめくる #シロクマ文芸部(545字)

「月めくりをしましょうか」 と母が言うので、私たちは黙ってそれを見ていた。 母は慣れた手…

玉三郎
7か月前
26

愛のカタチ #シロクマ文芸部(460字)

「愛は犬のカタチをしているんですよ。犬の」 クソ真面目な顔して突然何を言い出すんだタカハ…

玉三郎
8か月前
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短期間で退院できると聞いたのに半年も入院している。家で寝転がるが小言を言う人がいない。料理も洗濯も随分慣れた。あなたのいない家はヒマだ。そんな話をすると「私がいなくても大丈夫だね」少し小さくなったあなたが笑う。 そして迎える8月末日「おかえり。」家にあなたがいる幸せを噛み締めた。

「ヒマワリへ告ぐ。お前は完全に包囲されている。戦争を始めようじゃないか」「8月の私に喧嘩を売るなんて愚かだわ」「もしやそれは…?!皆、伏せろ!」ヒマワリの荒ぶり種爆弾に被弾し、虫の息で地面に転がるハムスター達は、あそこの病院へ入院したとか何とか。※種はスタッフが美味しく頂きました

玉三郎
8か月前
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告白水平線 #ショートショート(410字)

「水平線の向こうには何があるのかなぁ」 彼女が海を見つめながら言った。 「この方角だと韓…

玉三郎
8か月前
44

歩けどこまでも #シロクマ文芸部(360字)

ただ歩く。 それがこんなに過酷だなんて。 ギラギラと照り付ける太陽が私の身を焦がす。じっ…

玉三郎
9か月前
29

平和とは #シロクマ文芸部(85字)

平和とは、 心が穏やかなこと あたたかいご飯を食べること 夜にゆっくり眠れること 見上げる…

玉三郎
9か月前
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秘密警察を宣伝してみる #ショートショート(410字)

「君たちに秘密警察の良さを宣伝してもらいたい」 上司が変な事を言い出した。 「はぁ。どう…

玉三郎
9か月前
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夜を食べたら #シロクマ文芸部(825字)

『食べる夜空 はじめました。』 シンプルな白い紙に黒の明朝体で書かれた飾り気の無い文字に…

玉三郎
9か月前
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街クジラのうた #シロクマ文芸部(2075字)

「街クジラに遭ったら逃げること」と言ったのは誰だっただろうか。 信じられないかもしれないけど、今オレの前にクジラがいる。2階の部屋の窓からデッカイ目だけを出して、こちらを覗いている。オレの家は、海辺にあるわけでも、ましてや海中にあるわけでもない。普通の住宅街に建っている普通の一軒家だ。 クジラは半分透明でふわふわしていて、体が日の光をうつして虹色にゆらめいている。オレが知っている海のクジラとは全然違っていた。 「もしかして、おまえが街クジラ?」 オレがそう言うと、クジ