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白夜文庫

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老人と海

老人と海

『老人と海』アーネスト・ヘミングウェイ

僕にも老人の年が見えてきた。

『老人と海』の老いた漁師の物語は夢とも現実ともつかない記憶の残像のようである。

命懸けで仕留めた獲物は港へ帰ると鮫の餌となり骨と化していた。
自我も同じように形骸化してしまう。

そんなにまでして頑張った意味はあるの?

意味なんかないさ。

風の又三郎 

風の又三郎 

「風の又三郎」宮沢賢治

小学校低学年のころに家の近くのお寺の鐘の下で読んだ。僕自身も1972年の復帰直後の沖縄へ引っ越すことになり、転校生として遠くの得体の知れない南の島へ行くことになっていた。寂寥感で彷徨うような気持ちだったのを覚えている。

そんなこともあり又三郎に感情移入して、不安な吊り橋を共に渡るような気持ちで、読むというより共感したよう思い出がある。

物語はこう始まる

僕は茶色い毛

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Rendevous - C'était un Rendez-vous - 1976

9分間の刹那
夜明けのパリの街をV12エンジンの咆哮が駆け抜ける。ワンテイク、ローアングルのスチール映像のわずか9分間の短編映画だが、映像からはドライバーの生きざま、パリの街の息遣いが伝わってくる。

一見するとルール無視の気の狂った暴走映像のようであるが、実は腕の確かなドライバーがマージンをもってドライビングしているのがわかる。しかも楽しんでいる。

V12エンジンのサウンドは、操作映像は一致し
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April 13, 2016

天竜浜名湖鉄道 佐久米駅