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【412/1096】なぜ去る人は生きてというのか

きみの残した言葉のひとつ
「仲良く長生きしてください」

きみを喪わせておいて
長く生きろとは何事だ
めちゃくちゃな要望だ
とも思う
けれど きみからの愛
であったと受け取っている
自分は生きられないけど
みんなは長生きしてねって
そんな無茶なお願い
最後にしてきたお願い
ならば 請負いたい
きみのわがままを叶えたい
そう思う

なぜ去りゆく人は
生きてという言葉を残していくのか
後追いしてほしくないから?
相手のせいでないと伝えたいから?
自分とあなたは違うから?

生きてと言われた残された人は
呪われてしまう
大切な人を喪った悲しみと
苦しみを抱えながらも
故人の希望の烙印により
生きなければならない
ほとんどの人は生きのびる
けれど生きながら半分死んでいる
大切な人であればあるほど
自分を失いつつ
半分死にながら生きろと呪われ
どうしろっていうのかね

自分に落ち度がない人はいない
救えなかったこと
気づけなかったこと
追い詰めてしまったこと
あの日あの時
過去へのたらればのくり返し
無になれればいいのか
最悪ほんとの無になる人もいる
そういう場合への布石か…

最後の言葉が
恨みつらみでないだけ
いいのかもしれない
いや 良し悪しではかれない
いろんな状況や心情があるのだから

自分にとってどうであったか
それが大切なのだろう
きみが残してくれた言葉は
ありがたかったよ
悲しく苦しく辛い中
ふりしぼって書いてくれて
ありがとう

なんでこんなことに
なったんだろうって
きみが一番考えたんだろうね
孤独にさせてごめん
こちらから贈る言葉は
まだたくさんある

今日もありがとう
残された者の日々