「上手い絵」が「いい絵」とは言い切れない理由を説明してみた
こんにちは画家のTAKUYA YONEZAWAです。
日々作品を制作しながら、その中で考えたことやこれまでの経験を文章にしています。
今日のテーマは
「上手い絵」が「いい絵」とは言い切れない理由を説明してみた
こんな挑発的なテーマですが僕なりの考えを説明していきます。
◻️いい絵ってなんだろう?
まず前提として、上手い絵の中にもいい絵はたくさんあります。
しかし、上手い絵だけがいい絵ではない!じゃぁいい絵ってなんなの?
ということをこれからお話ししていきます。
以前僕はこんなツイートをしました
これは僕が大学時代に尊敬していた教授から言われた言葉です。
この言葉をきっかけに
「いい絵ってなんだろう?」
と、そんなことを考え始めたのでした。
◻️「上手い」は技術
世の中には上手い絵を描く人がたくさんいます!
写真と見間違えるような精緻な描写力を持った人もSNSではかなりの数をお見かけします。すごいなぁ描写力だなぁ!と思いながら拝見しています。しかし、それら全てが「いい絵」なわけではないとも考えています。
技術は高いけど心は動かない。そんな作品が結構あったりするのです。
絵が上手いことは、いい絵を描くための有効な手段のひとつでしかないとぼくは考えています。
◻️いい絵はたくさんある
地域のギャラリーなどでは小中学校の作品展などが時々開催されています。そんな子供たちの作品の中に、時々言葉を失って立ち尽くしてしまうようなものすごいエネルギーを秘めた作品があります。もちろん、超絶なデッサン力を持って描かれたものではなく、子供の感性のままに描かれた素直な作品です。でも、そこには、言葉では言い表せないエネルギーがありました。
抽象絵画だってそうです。
一見何が描かれているのかわからないただの色面のような絵画であっても、その作品の前に立つと何故か祈りたくなってしまうような作品もあります。ちなみに、僕はマーク・ロスコという作家の作品の前でその体験をしました。
◻️いい絵ってなんなの?
じゃぁ、いい絵ってなんなのでしょうか?
お恥ずかしながら自分でもわからないのです💧それがわかれば、今頃超有名画家になっていたかもしれません。でも、わからないからこそ、やれるだけのことをやって展覧会場やコンペに送り出してあげるというのが今のところの最適解です。
こだわりポイントのいろいろ
□下描きを作り込む
□一筆一筆心を込める!
□コンセプトを固める
□とにかく手数を増やす!
□額にこだわる
などなど。。。
とにかく、その作品ごとに妥協せず考えうることをいろいろ試しながら、自分なりに作品が最も輝く瞬間に筆を止めます。それが「いい作品」として世間からの評価を受けるかどうかは今のところ運の要素が大きいと思います。
◻️いまいちな作品はバレる
ただ、ひとつ言えることは手を抜いた作品はバレるということです。
展覧会などに伺った時に、メインとなる作品とその他の作品との質の違いに愕然とすることがたまにあります。そういうとき「ああ、この作品には気持ちが入っていないんだな」と感じます。
また、テクニックが全面に出過ぎていて、ただそれだけで描いている作品もなんとなくわかります。(これは経験則ですが・・)テクニックがあるから描けるけど作者が本当に描きたいものではない場合などに「上手いけどなんか魅力的じゃないんだよなぁ」っていう現象が起こる気がしています。
逆に、自分の展覧会でそれをやってしまうと、見る側の印象は良くないですね。
いや、、、でも僕自身たまに「これはよろしくなかったな」と、反省する作品もあります💧そういう作品は、納得のいくまで描き直すとか、一度塗りつぶして新しい作品になったりします。(僕のTwitterの投稿でも、二度と続きがアップされない作品があったりするのはそういうことだと思ってください🙇♂️)
◻️上手い絵が評価されるのもまた事実
じゃぁ、上手い絵がダメか?といわれればもちろんそんなことはありません。
上手い絵は評価されやすいのです。
簡単にいえば、わかりやすいのです。だから人には真似できないような高い描写力というのは大きな武器になります。僕はあまり描写力を売りにしている画家ではないと自分では思っているので、そういうテクニックをお持ちの方は羨ましいなぁと思ってしまいます。
ですが、繰り返しになりますが、その上手さはあくまでもいい作品を描くための手段だということは忘れてはいけないと思ってます。
◻️自分だけの武器を
まとめになりますが、いい絵ってたくさんあります!
「上手い絵が描ける」ということはいい絵を描ける可能性を格段に上げてくれる心強い武器のひとつだと思っておくとちょうどいいかもしれません。
テクニック以外にも、感情表現が格段に上手かったり、表情の描き方がめちゃめちゃ心を動かしたり、色のセンスが抜群だったり、その作家さんにしかない武器は必ずあります。
描写力があるに越したことはないですが、自分の表現したいものに必要なければ鍛える必要はないと思います。イメージを実現するためにはどんな力が必要か?それを問い直した上で自分の武器を研いでいきましょう❗️✨
画家 TAKUYA YONEZAWA
最後までお読みいただきありがとうございました!よろしければ、💙やフォロー、マガジンへの追加をしていただけたら励みになります✨
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?