SNSと距離
心地良く生きていくには、やはり距離感は大切だ。
でもいま、SNSなどを中心に距離感がおかしなことになっている。現実場面では物理的距離と心理的距離にはある程度相関がある。たとえば苦手な人とわざわざ好んで一緒に旅行に行くことがないように。
だけどWEB上では物理的な距離の制約が無い。現実場面ではまず遭遇しない人から、あれやこれや言われることがある。時にはネガティヴな言葉の集中砲火を浴びてしまい、心理的なダメージを受けてしまうこともあるだろう。
極論を言えば、ダメージを避けるには「WEBにアクセスしなければいい」ということになるだろうが、でもそうはいかない社会状況だから困るわけだ。
石器に始まり、ダイナマイト、スマホやアプリに至るまで、テクノロジーとは、人間の両サイドを増幅してしまうものだと痛感する。
だが、ここで絶対に覚えておきたいのは「世の中にはいろんな人がいる」というあまりにシンプルな事実だ。これは結構重要なことだと思う。
反対のための反対をする人、
誰かを攻撃することで自分を保とうとする人、
あきらかに危険で破壊的なメンタリティの人・・・
とにかくいろいろいる。
そしてネガティヴな情報は想像以上に心理的なダメージが大きい。人間の脳は生存のためにネガティヴな情報をキャッチしやすいようにできているから、次々とネガティヴな情報が目に飛び込んでくると「あたかもそれが真実であるかのように」脳が勘違いしてしまう。
SNS上の誹謗中傷が原因で若い命を自ら絶った事件も記憶に新しい。とにかく「ネガティヴな人たちの、ネガティヴな情報」は視覚情報として脳にインプットしないに越したことはない。
僕の場合、が参考になるかはわからないけど、Twitterでのネガティヴなコメントや引用リツイートに対しての距離の測り方を共有してみようと思う。これはあくまでもネガティヴなコメント、あるいは「え?」と思うようなことを書かれた場合、という前提でのお話として。
・アカウントが実名や芸名か、それとも匿名か。
実名や芸名の人はそうでない人たちよりも自身の発言に責任をもっている。匿名文化が全て悪いとは言わないけれど、「匿名を隠れ蓑にした投稿をする人」に対しては適切な距離を取るようにしている。
・フォロー数とフォロワー数の関係。
ネガティブな投稿をする人で、フォロー数>>フォロワー数、つまり極端にフォロー数が多くて、フォロワー数が少ないアカウントには注意している。安心したい心理から、ネガティヴな人をフォローするのもまたネガティヴな人のことが多いので、これもまた距離を取るようにしている。
SNSが一般化してからそんなに時間が経っていないのもあり、どのような距離感が適切なのか、僕も含めて多くの人が手探りなのだと思う。SNSは地球儀ではない。世の中をそのまま縮小したものではなく、かなり歪んだ情報のカオスでもある。
むやみやたらと傷つくために、あるいは嫌な想いをするために、SNSがあるわけじゃない。ミュートやブロックについて躊躇は必要ないし、むしろ安全ベルトやブレーキくらいの標準装備機能だと考えて、適切な距離を取ってもいいのではないだろうか。
今のところ、僕はそのように感じている。
拙書『強さの磨き方』でも「逃げる」は生存における選択肢のひとつであることを書かせてもらった。爆弾を投げる連中から逃げるのは、適切なる行為だろう。
『強さの磨き方』デイリーニュースオンラインに登場
心を守るとは、
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