見出し画像

1年でジムを3店舗出店した戦略

2023年2月15日にパーソナルジム「GOODLIFE GYM 国府津店」を小田原市の国府津エリアにオープンしました。

GOODLIFE GYM 小田原国府津店
神奈川県小田原市国府津2丁目5−2 BLEND WORK 1F
HP:https://goodlifegym.jp/kozu/
MAP:https://goo.gl/maps/tL7Fp5UHPpBtDg2W7

1店舗目をOPENしたのはちょうど1年前。

最初やるときは、1年で小田原で3店舗できるとは思っていなかったのですが、とはいえある程度戦略的にいろいろと考えて動いてきて、それがうまくハマった感はあります。

このnoteではこの1年どんな事を考えていたのかを簡単にまとめました。店舗ビジネスやっていてある程度の拡大を見据えている人は参考になるかもしれません。

ドミナント戦略

セブンイレブンとかで有名ですが、近隣エリアにどんどん出店していくやり方です。ウチもこの方法をがっつり採用し、小田原エリアに特化して出店しています。

一見パイを食い合うように見えるドミナント戦略ですが、メリットもたくさんあります。

・同一エリアでのプロモーションなので、店舗数が2倍3倍…と増えても広告費は2倍3倍…と膨れることはなく、1店舗あたりの広告効果が高まる。
・スタッフの店舗間の行き来が簡単にできるため、頻繁に集まってMTGをしたりマネジメントのコストを下げることができる。
・同一エリア内での認知を一気に獲得することができ、競合よりも有利に営業ができたり、新規の参入障壁を高めたりすることができる。

など実はけっこうメリットあります。

また、むやみやたらに近隣出店しているわけではありません。店舗ごとの会員さんの住所をすべて集計しているため、「ここに新規出店すれば20名くらい移籍するな」「ここからこれだけ来てるってことはここに出せば需要あるな」といった感じで「確実に集客が読める」という条件が揃った場所に出店しています。

パーソナルジムは無限に会員数を抱えられるビジネスモデルではないめ、このようにして既存の人気店から一定顧客を逃していくという発想も必要です。

人材投資

人材にめちゃくちゃ先行投資をしました。

基本は1店舗1名のトレーナーがいればなんとかなるため、3店舗なら3名いればOKです。しかし現状のトレーナー数は5名。

次の次の出店くらいまでを最初から見据えて、前もってトレーナーを採用・育成し、新店舗に即戦力として送り込める体制を作っています。また、現場のトレーニング指導だけではなく、セッション技術向上係、接客技術向上係、清掃や店舗管理係、など複数の役職と仕事を作り、トレーナー全体の業務水準を高めました。頑張ってくれてるトレーナーの報酬はどんどん上げました。伊豆で1泊2日の合宿も行いました。

「優秀なトレーナーが集まるジム」「熱くて楽しそうなチーム」というブランドを作っていこうとしています。

そのおかげか、最初は苦労していた採用活動も、今は自然にSNSなどから「トレーナーやりたい」と勝手に問い合わせが来るようになりました。

プロセスエコノミー

店舗の立ち上げはすべてDIYで行っており、トレーナーや会員さん、小田原の友人たちに手伝ってもらいながらジムを作っています。もちろん予算の理由もありますが、このように立ち上げのプロセスに多くの方を巻き込むことで店舗に愛着を持ってもらったり、口コミで広まっていく効果を狙っています。

それ以外にもWEB広告の宣材写真には直接の知り合いに出ていただいたり、地元の事業者を優先していろんなお仕事を発注したりなど、間接的にでもより多くの方にジムの経営のプロセスに関わっていただくことをとても意識しています。

このようなnoteをわざわざ書いて、思考プロセスや経営戦略をオープンにしているのも実はそういう理由です。

コミュニティ経営

GOODLIFE GYMの大きな特徴でもありますが「コミュニティ」をとても重要視しています。

会員さん同士のつながり、会員さんとトレーナーやオーナーとのつながりをより高めるために飲み会やイベントをたくさん開いたり、いろんなプロセスに会員さんを巻き込んでみたり。

実は毎週のトレーナーのMTGでは「誰がコミュニティのキーマンか」といった話題も頻繁に出ており、起点となるような人を意識的に見つけてコミュニケーションを取ったりしています。

もともと僕がコミュニティ運営やオンラインサロンのコンサルなどをしていた背景があり、この辺は超得意分野です。コミュニティづくりの相談があればいつでもどうぞ。

広告投資

売上はかなり伸びたのですが、実は利益はほとんど残していません。僕の給料もまだゼロです。全部広告投資にぶっこんでいます。

1店舗あたりの広告コストを抑えられるのがドミナント戦略の特徴。ではその状況で、広告をブーストしたらどうなるか。必要以上の広告露出が行われます。

この1年は、これ以上来ないと分かっていても「これでもかと思うほどに小田原の住人の頭にジムの存在を刷り込む」というテーマで必要以上の広告費を投下しプロモーションを行いました。うざいほどに毎日インスタ広告出てきている人も、毎週チラシがポストに入っている人もたくさんいると思います。嫌でもウチの存在を覚えたはずです。

駅ナカにも看板を出しました。

おかげで色んな人から「小田原でジムと言えばGOODLIFE GYMですよね」「GOODLIFE GYMの勢いすごいですね」と言われることが増えてきました。実態がどうかは置いておいて、1年間でそう言われるような「認知」を戦略的につくり出すことができました。

ジムの1周年イベントも盛大に行い、お金をかけて動画や写真を残して宣伝しまくりました。

どぶ板営業

キレイに戦うだけではなく「泥臭く足を動かして不器用に戦う」というのも立派な戦略です。

オーナーである僕は、コワーキングスペースに課金したり、多くの飲食店やカフェなどをリピートしまくって、めちゃくちゃ地域にお金を使って顔を売りました。そうすると気づいたら店主がお客さんを紹介してくれたりします。

トレーナーたちは小田原中の店舗を回りまくって「チラシ置いてもらえませんか?」の営業をしてくれています。おそらくそのへんのお店にはだいたいウチのチラシが置いてあるはずです。

ランチェスター戦略でいうところの弱者の戦略は広域戦・遠隔戦ではなく接近戦・局地戦。

小田原にはもともとRIZAPがあり、チョコザップも最近新規出店しましたが、大企業である彼らにはそういう行動はできません。テレビCMなどを使った大々的な全国プロモーションがメインで、小田原エリアに絞って足を動かすといった戦略は合理的でないため行いません。我々は全国で勝てなくても小田原で勝てばいいのでとにかくどぶ板営業を泥臭くやりまくっています。

2年目の展望

引き続きドミナント戦略を真正面から実行し、小田原周辺エリアで10店舗を目指して動きます。小田原のポテンシャルがそこまで無いかもしれませんが、とにかく小田原全域の色を塗りつぶすイメージで誰も入って来れないレベルでガンガン攻めます。

広告費は夏を目処に少しずつ予算を絞ります。その分、SNSやnoteといったストックされるコンテンツに移行していきます。専門のスタッフもチームに入れて戦略的に運用していきます。

広報活動をスタートします。地元メディアへの営業、地元事業者とのコラボイベント、トレーナーや会員さんの紹介コンテンツ作成など。

トレーナーの採用基準を上げる。女性トレーナーを採用したい。

お金たくさん借りて攻め続けられる体力をつけます。

あとはこの1年やってきた戦略をひたすら実行しまくる。経営レベルではなく、現場のトレーナー、メンバーレベルにこの思想を共有し、一丸となって全員で腹落ちして進む。

まとめ

経営戦略をまるっと説明するのはなんだか少し恥ずかしい気持ちにもなったのですが、正直かなり真っ当にやってきたと思います。ローカルでビジネスをやる上で再現性のある考え方もけっこうあるかと思いますので、ぜひ誰かの参考になれば嬉しいです。

これまでのキャリアで、人材・マーケ・コミュニティなど幅広くいろんな事をやってきたのをギュッと集めた戦略。ロジカルでありながら感覚的でもあり、自分らしい経営ができた1年でした。

2年目は法人化して頑張っていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?