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コミュニティを継続させる人と人との弱い紐帯

挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は静岡県で家業の設計事務所を経営される佐野 浩士さん。アイデアをカタチにする方々を支える支援者側の在り方や、コミュニティ継続のコツについて伺いました。


── 佐野さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

本業は自動車関係でプレス金型の設計をする事務所の代表をしています。元々父が始めた事業ですが、少し前に代替えして法人化しました。それとはまた別に、プライベートでも様々なことに取り組んでいます。

3D設計やDX支援に取り組むアトツギの佐野さん


── アトツギでいらっしゃったんですね。他の様々なこととは?

静岡のプログラミング言語のコミュニティに関わっています。時にはその文脈で地域のカンファレンスイベントにも携わっています。またIT関連ではシビックテック方面でも活動していて、少し前には有志と一緒に静岡県の新型コロナ対策サイト立ち上げにも取り組みました。


── 本業とは全く異なる領域のようですが、どうしてそれらの活動に?

実はこれまでのキャリアの中で通信やプロミングといった情報系を学んできたんです。だからプライベート側は気付けばそっち方面になっちゃいました。もちろん本業と全く関係ないというわけでもなく、家業を発展させるために社内にITツールを導入や独自開発もしたり相乗効果が生まれるように頑張っています。


── そして佐野さんはスタートアップ支援にも従事されていらっしゃいますが、どういった流れでそのキーワードが追加されたのでしょうか?

2021年にシビックテックのイベントが静岡で開催された際、StartupWeekend(以下SW)静岡のオーガナイザーである佐藤さんが偶然にもいらっしゃったんです。そこで、SW静岡においでよ!と熱くお誘いされたことが全てのきっかけですね(笑)

静岡シビックテックのプロジェクトで発表された佐野さんのグラレコ


── 熱いお誘いからスタート(笑)

ちょうどその時、家業を法人化したタイミングだったんです。会社経験はないわけではないけれども、会社を作って運用していくそのエッセンスは学びたいなと思ったんです。SWはビジネスの一番最初の最初を実戦形式で学べますよとのお話を伺って、これは良い勉強の機会になるんじゃないかと考え、お申込みすることにしたんです。


── 参加されてみて如何でしたか?

もう全てにおいて楽しかったです(笑)新しくビジネスを始めるということは、何か凄いものを持っていなくちゃいけないわけじゃない。凄く計画立てていなくちゃいけないわけじゃない、そんなエッセンスを掴み取ることができました。


── その心は?

これまで製造業に従事してきたこともあって、とても固い感覚を持っていたんです。品質を絶対に完璧にしなくちゃいけない、ルールは重視しなくちゃいけない、それらを守るために気を配り続けることが大事だと。けれども、何か新しいことを興す時には全てを完璧にしなくても大丈夫なんだと気付きました。

誘われて新しいビジネスを学ぶために初参加を決めたSW静岡(2021)


── 完璧にしなくても大丈夫。

もちろんビジネスに挑戦するからには理詰めで考えることは必要だけれども、そこまで気負いしなくてもいい、まずは始めてみようよ、という感覚を養うことができたんです。


── そんな佐野さんが富士でもコミュニティを立ち上げようと思われたのは、どういったきっかけでしょうか?

紙の街、工業の街として栄えた地元富士を元気にしたいと思ったことがきっかけなんです。地元の富士市の企業の方々が集う会議や役所の会議にも顔を出したりするんですが、その中で街全体で元気がない様子が見えてきまして、これは大変な状況になってきたと肌で感じていたんです。


── 元気がない。

もちろん、誰もが元気がないわけじゃないんです。中には市内で積極的に活動をされている方々の事例も増えてきています。けれども見つかっていない方も多い。だからこそ、誰かが新しいことを生み出そうとする時に、その支えとなるような機会を準備しようと思ったんです。

故郷の富士市に新しい始まりを支える機会を準備しようと心に決めた佐野さん


── その想いを起点に場を準備されてみて、如何でしたか?

これまで別々に動いていて関わりのなかった方々が集まって、お互いに繋がることにもなった機会になったと感じています。また参加された方が市内で新しいプロジェクトを立ち上げようと動き始めたので、富士で新たに挑戦機会を準備して本当に良かったと感無量です。


── 心躍りますね。そんな風にして支える側に回られた佐野さんが考える、アイデアをカタチにする際の大切なこととは何でしょうか?

ありきたりかもしれませんが、まず行動ではないでしょうか。考えたままだと物事って前には進まない。もちろん考えることも大事なんですが、どの道、壁にぶつかったら嫌でも考えますからね(笑)


── 行動とはどんなニュアンスでしょうか?

中から外に出す、何かを動かす、そんなイメージです。例えばやることを思い付くままにリストアップしてもいいし、事業計画書を作ってもいいし、知り合いに声をかけてもいいですし、どんな形でもいいから動き出すことで、自分なりのアイデアをカタチにする方法が掴めるんじゃないでしょうか。

「どんな形でも良いから動き出すこと」その大切さを伝えたSW富士(2023)


── そんな行動を起こす方々を支える側は何を心掛けるとよいでしょう?

見て貰う機会を作ることだと思うんです。もちろん支援者として頑張って支えるものの、いつでもどんな時でもフォローすることは中々に難しいし、他の方と繋がった方がより良い未来が開けることもある。だからこそ、こんな人がいますよ!こんな取り組みをやってますよ!と見せ続けることが大事かと。


── 応援してくださる方々と出会えるように。

打席の上に引っ張って行って立たせるイメージですね(笑)見て貰わないことには改善もしないし、次にも行けない。だからこそ、挑戦者をステージの上に立たせるべく積極的に準備するのが良いですね(笑)


── そんな行動を起こす仲間と支援する仲間が集うコミュニティを盛り上げるには何が大切だとお考えですか?

続きは下記よりお読みください。


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