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フリーランス定年の突破法

 フリーランスは生き方であり働き方だ。故に定年というものは存在しない。極論、価値提供が出来るのであれば80歳でも可能だろう。しかしながら、フリーランスとして活動し易い年齢が存在することもまた事実。ということで今回はフリーランス定年と、その突破法について触れていきたい。

フリーランス定年とは

 まず大前提として、巷で噂のフリーランス定年について認識を合わせておこう。諸説あるものの、40歳や45歳で線引きをされることが多い。何故そのような数字になるかというと大きく分けて三つある。


①お客様が年下になる

 一つ目の理由はクライアント側だ。フリーランスの方々に企業が発注する際、フリーランスの年齢が40歳を超えてくると、発注者が20代や30代では中々にお付き合いが難しい、というケースだ。

②スキルの習得が追い付かない

 二つ目の理由はフリーランス側だ。もちろん人はいつだって学び成長することが出来るけれども、年と共に変化に対して柔軟ではなくなり、結果として40歳を超えてくると、かつて培ったスキルセットだけで勝負してしまい、企業のニーズに応えることが難しい、というケースだ。

③会社員に戻る

 三つ目の理由はフリーランス側だ。40歳を超え伴侶や子供を持った状態になると、より安定した生活を求めたいという気持ちが増し、結果的に安定した日常を送れる(という神話のある)会社員に戻る、というケースだ。


 もちろん、他にもパターンはいくつかあると思われるけれども、大別して三つを理由を背景にフリーランス定年が40歳や45歳と囁かれるのだろう。

定年を突破するには

 さて、フリーランス定年の存在理由について簡単な説明を終えたので、今から早速”どうやって定年を突破するのか”について書き進めていこう。

 と、意気揚々と語ったものの、この記事の担い手、つまり自分はまだ30代。その定年とやらを経験したことがない。なのでここから書き連ねる内容は、40代・50代・60代でご活躍のフリーランスの先輩方からいただいたお話を簡潔に整理したもの、という内容だ。参考に留めていただければ嬉しく思う。それでは早速、書き記していこう。

①実績


 フリーランス定年を突破するには何が必要か。それは紛れもなく実績だ。「そんなこと聞くまでもない!」というツッコミをされる方もいらっしゃるかと思うので、順を追ってどんな風にして実績を積み上げるのが良いのか、その王道を記載していこう。

 まず最初にすべきことは出来る限り小さな結果の創出だ。そのクライアントが中小だとか、スタートアップだとか、もしかするとブラックだとか、そんなことは一切気にせず、出来る限り多くの案件をこなしていく。中には対価や納期が理不尽なこともあるかもしれないけれども、文句を言わずにひたすらこなしていこう。

 そして生まれた結果たちを自分自身のポートフォリオに掲載しつつ、SNSなどを通じて出来る限り世の中に発信していく。そうすることで単価の上昇にも自然と繋がるし、世間一般的に「ネームバリュー」のあるお客様が取りやすくなる。

 極端な例になるけれどもLPデザイナーさんが、町工場のLPを無数に手掛けているうちに評判が高まり、気付けば日本を代表するプライム市場の大手企業のLPを担当するように、そんなイメージだ。

②指南

 さて、ネームバリューのあるお客様の案件が取れるようになってきたら次は何をすべきか。その影響力のあるお客様から他のお客様をご紹介いただくといった道も勿論あるけれども、今回は指南する側に回ることを推奨したい。

 簡単にお伝えすると、これまでの無数の経験を通じて培ってきたノウハウを世の中にお伝えしていくフェーズだ。そうすることで、あなたと同じ高みにまで到達したいと思う後輩フリーランスの方々がファンになってくれる。また発信しているノウハウや表現が素敵であれば、そのファンの方々がシェアを通じて情報は拡散し、あなた自身のネームバリューが上がっていく。

 そうすれば何が起こるか?一般的にはイベントの登壇依頼だ。「○○をテーマにしたイベントがあるので登壇いただけませんか?」といった具合に。これもフリーランスとして駆け出しの頃と同じく、一番最初は玉石混合の状況を突っ切ることをオススメしたい。その依頼をくださった組織や対価がイマイチであったとしても、マルチや宗教でない限りひたすら登壇していこう。そうすることで、ますますあなた自身の価値は高まっていく。

 そうこうしているうちに、登壇者としての知名度も上がり「記事を書いてくれませんか?」「本を書いてくれませんか?」「プロジェクトに参画してくれませんか?」といったお話が届き始めるようになる。

 極端な例になるけれどもコピーライターさんが、「言葉遣いの極意」をSNSで発信を続けているうちに、モデレーターやパネラーとしてお呼ばれするようになり、気付けば本の執筆まで依頼されるような、そんなイメージだ。

③選択

 そんな風にしてありとあらゆる依頼を受けていると、忙し過ぎて本業が回らない、という状況がやがて訪れる。予定がバッティングしたり、約束していたことが頭から抜けてしまってトラブルになるような状況が。

 そんなタイミングが訪れた時こそ、選択する側に回り始める。これまで食わず嫌いで全ての相談に乗っていたことを止め、今後に取りたいお仕事に向けて、築き上げたい自分自身のブランドに沿って取捨選択のスタートだ。そうすることで、「なんでも引き受けてくれるいい人」から「○○の領域でプロとしてご活躍でご多忙の××さん」といった風に人々の認識は切り替わり始める。

 極端な例になるけれどもPRコンサルトさんが、「情報発信」をテーマに中小から行政からスタートアップまで、誰からでもどんな安価な講演も引き受けていたけれども、今後はPRに予算をきちんと割いている大手企業からの登壇依頼のみを選択して受けていく、そんなイメージだ。

まとめ

 平たく説明してみよう。食わず嫌いで案件をこなして結果を積み上がる。その実績を元にネームバリューある企業のお仕事を手掛ける。培った知見を元に指南側に回り、取捨選択せず指導経験を積む。引き合いが増え本業に差支えが出るレベルになった時には依頼の取捨選択を始める。そんなこんなで、年齢関係なく相談をしてくださるお客様を自分の周りに構築することが出来る、という流れだ。

 ちなみにフリーランス定年が45歳と噂されるからこそ、理想であれば30代のうちに①~③のプロセスを成し遂げたい。けれども誰もが30歳で独立をしているとは限らないので、35歳~45歳のうちに①~③を目指すのが恐らく現実的ではないだろうか。

 もちろん、今回ここに記載させていただいた方法論は、先輩フリーランスの皆さまからいただいたお話を纏めたもので、個としてご活躍の皆さま全てに適応できるものではないと理解しつつも、何かご覧になられた方の今後の活躍に役立つことがあるのではないかと考え、メモを残させていただきました。フリーランス定年を、知恵と工夫で突破していきましょう!


P.S.

 この方法論の冒頭にある無数の結果を生み出すために「無数の案件」を、どこから、どうやって獲得すればいいのか?という問いがあるかと思う。その答えの一つが「ご縁(人と人との繋がり)」だ。

 お付き合いする中で自分自身を覚えていただき、信頼いただき、そして紹介いただき、そこからお仕事に繋げていく、という道に他ならない。けれどもこれは言うは易し、行うは難し。具体的にどうすればいいんだろう?どうやって着手すればいんだろうと迷われる方も多いことかと思う。

 そこで今回、先輩フリーランスとしてご活躍のお二方から「ご縁」について学べる素敵な機会を設けることにしました。フリーランスとして活動中の御方は、そしてこれから独立を目指されている御方は、是非に本会をご活用ください。きっと心躍る未来の幕開けとなるに違いありません。


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