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自身の探求から見つかる新しい翼

挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は石川県金沢市にUターンして書道教室を手掛ける増井 大樹さん。アイデアをカタチにするプロセスやコミュニティの育て方について伺いました。


── 増井さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

2021年に地元金沢市にUターンしてから、書道教室を開いて取り組んでいます。

石川県金沢市で書道教室を手掛けられる増井さん


── 金沢にUターンして書道教室。

地元の高専を卒業してから電気メーカに就職して13年間エンジニアとして勤務していたものの、コロナ禍に人生を問い直して2021年に愛知県から地元に戻って始めたんです。最初は三年ぐらい頑張れば教室は生徒さんで埋まればいいなと思っていたのですが、半年ほど計画を前倒しする形で達成することができました。これからは、次のフェーズに行く準備を進めたいと思っています。


── 次のフェーズ。

書道教室は労働集約型のお仕事なんです。売上を増やすには一人当たりの月謝を上げるか、もしくは教室を広くして人数を増やすしかないビジネスモデル。なので、中々飛躍することが難しいんです。そこで次なる飛躍の種を探そうと思って、StartupWeekend(以下SW)金沢を開催しようと思ったんです。


── SWをブレイクスルーのきっかけに。

何か新しいことを始めるには、仲間を作った方が早いと思ったんです。主催者側に回れば、たくさんの人に出会うことができ、アイデアにも触れられる。きっと人生の間口が広がるに違いないと。そんなこんなで2023年に入ってから自分のパワーの30%ほどを割いています(笑)


── そもそもSWはどちらで出会われましたか?

2018年の豊橋開催です。ちょうど自分が牽引した大規模のプロジェクトが終わって悶々としていた時だったのでなんか面白いことないかなー、と思っていたら偶然にもFacebookイベントの案内が入ってきたんです。気になって足を運んでみたら、もう衝撃しかありませんでした(笑)

気になって足を運んだところ、衝撃を味わったSW豊橋(2018)


── 衝撃。

参加後に自分自身の意識が大きく変わったと感じました。それまでは所属している組織の秩序が全てだと無意識に思って生きていましたが、そこから飛び出すことにリスクがないと分かったんです(笑)そこからトライアンドエラーの中でキャリアを考え始め、コロナ禍を機にUターンして書道教室を開く道を選びました。


── 書道教室を故郷で作ると決めて行動を重ねた増井さんに伺いたいのですが、アイデアをカタチにするには何が大事だと考えていますか?

イメージを出来る限りはっきり作ることです。例えば書道教室であれば部屋の内装とか、どんな人がどんな会話をしているのかとか、頭の中でシミュレーションがバチっとできあがることで、物事が前に進み始めるんです。


── イメージを思い描くコツはありますか?

イメージというのは脳内のシミュレータだと思っています。最初から完璧なイメージを目指さないことが大切でぼんやりしていていいんです。あぁこんな感じになっていたらいいなぁという何となくの映像が思い浮かんだら、まずその通りにやってみる。そしてやってみた結果で生まれた気付きや学びを絶えずイメージに反映してブラッシュアップを図るという流れです。


── 試行錯誤の連続。

平たくいうと仮説検証を繰り返す、ですね。 実は書道教室のレッスンでもこの概念を取り入れていて、習字のプロセスから脳内シミュレータの精度を高めて行こうという事を実践しています(笑)

頭の中に思い描いたイメージを落とし込んで改善を図り続ける増井さん


── 仮説検証を行うアイデアそのものは、どこから生まれてくると考えていますか?

過去に自分がやったことや、見たことからしか生まれないと感じています。何か新しいチャレンジをしたいと志す時は、幼少期や小中学校で自分の心に残ったこと、嬉しかったこととかないかなって探していくんです。


── 心の中を探ることで種を見つける。

以前タクトさんから、崖の上から飛び降りながら翼を作って飛ばなきゃいけないという話を聞いたんですが、その翼は自分の持っているもので作り上げなきゃいけないと感じています。僕は書道教室をしたくてUターンしたわけではなく、Uターンしてから生きる道を探し始めたので、正に崖から飛び降り続ける感覚を日々味わいました。


── どうやって翼を作り上げましたか?

もう無我夢中でした。まずはポケットの中にあるものを全部出していったんです。すると幼少期から続けてきた書道が転がり出してきたんです。そして会社員時代に海外で外国人を指導した経験があったことや、加えて人が集まるコミュニティが好きだったことが分かってきたんです。出てきたアイテムを精査すると書道教室になりました。明確なイメージもできたのでこれならワンチャンいけるぞと思い着手し始めました。

人生を振り返ることで見出した書道教室という新しい翼


── 過去から組み上げられた書道教室だったんですね。そんな増井さんのような挑戦者を支える人は、何を大事にすべきでしょうか?

僕が書道教室を運営するスタンスと同じになるんですが、先生という立場であったとしても上に立たないようにする、ということがまず一点。そして応援するからには、自分自身が支援する相手よりもチャレンジャーであることを守りたいと思うんです。


── その心は?

さっきの崖の話に戻すと、崖から飛び降りようとしている人はやっぱり怖くて足がすくんじゃうんです。そこで支える側の人が先に飛び降りていれば、大丈夫だよと言えるんです。仮に飛び降りて大丈夫じゃなかったとしても、運命共同体として一緒に進んでいけると僕は考えています。


── そんな挑戦者と支援者が集うコミュニティ作りで大切なことはなんでしょうか?

実はまだ、答えが見つかっていなくって。僕はコミュニティが好きであるにも関わらず、コミュニティ作りが苦手なんです。輪を作って全体を調和させようとすると、この人はちょっと大丈夫かなと不安になってしまったり、AさんとBさんの間をどうやって取り持とうかと悩んでしまったりして気苦労が絶えないんです。

コミュニティに課題感を持ち続けている増井さん


── コミュニティ作りに対する課題感。

なので今は、自分自身が中心にいてみんなが集まってくる形の中央集権型のコミュニティしか作れなくって。自律分散型のコミュニティをどうやったら走らせることができるんだろうと試行錯誤している真っ最中です。実は、そういった意味でもSWを活用して学びを得ている今があります。


── SWを活用して学びを。

SWってたくさんのチームが出来がって、各々がプロジェクトを走らせていくじゃないですか?それって小さなコミュニティの種だと思うんです。そこでどうやってみんなが輪を作り上げていくのか、客観的に見て仕組化のエッセンスをいただきたいと思っています(笑)


── そんな学びに溢れたコミュニティを育てるためには、何が必要でしょうか?

続きは下記よりお読みください。


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