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“いつも”から抜け出し新しい未来を作る行動

挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は沖縄でエンジニアとしてスタートアップに挑戦中の銀行で融資先の事業作りを支援されている喜屋武 秀昭さん。アントレプレナーのコミュニティ作りや沖縄エコシスエムへの貢献について伺いました。


── 喜屋武(きゃん)さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

沖縄でスタートアップに挑戦しています。エアクルという運転代行配車アプリを2020年にリリースして、沖縄から本州へと拡大中です。


── 運転代行配車アプリ。

お酒を飲んだ後に利用するアプリですね。飲酒運転にならないよう、他の方に代わりに運転してもらうサービスです。けれどもこのアプリのローンチ時期がコロナと被ってしまったので、中々に厳しいところから始まりました。

ローンチがコロナと重なった運転代行配車アプリ AIRCLE


── その逆境をどうやって打破しましたか?

今までは飲食店さんで飲んだ時に代行を呼ぶ文化があったんですが、逆にコロナの影響で友人宅に集まって飲む宅飲みが普及していったので、そこからご利用いただく機会を増やしていきました。そんなこんなで無事に沖縄で10,000名の利用者を突破したので、本州展開をスタートさせたんです。


── ピンチをチャンスに変えられたわけですね。そんなスタートアップの中で、喜屋武さんはどのような役割を担っていらっしゃいますか?

僕はエンジニアなので会社の基盤システムを担いつつも、カスタマーサポート業務も担っています。その中でお客さんから「こんな機能が欲しい」「これがイケてない」なんてお声をいただきながら、アプリ改修も続けています。


── どうしてそもそも、スタートアップに挑戦しようと?

実は、会社を立ち上げるまでスタートアップという言葉を知らなかったんです(笑)この配車代行アプリのアイデアは、お酒が大好きな琉球大学の教授さんが、もっと簡単に代行を呼べたらいいのに、と代表に相談したことが始まりなんです。


── その言葉をきっかけに、何かできないかと思い付いた。

代表とは高校の同級生で、昔から、何かやろう!と話していたんですね。Airbnbが流行ったら民泊やってみないか、仮想通貨が流行ったらマイニングやってみないか、みたいに(笑)けれども、そんな話がちょこちょこありながらも、結局何もしてこなかったんです。


── 何かしたいと思いながらも、動けていなかった。

そうなんです。そこで二人で話し合ったんです。今、動かなかったら、一生動かないよね。本当にこれでいいんだろうかって。それで起業に向けて動き出したんです。いろんな勉強会とかイベントに参加して、こんな事やりたいんですって何度も話させてもらって、そうこうしていると一緒に作ってみたい!と申し出てくださるエンジニアさんやデザイナーさんが見つかっていったんです。


動き出して集まったスタートアップの仲間たち(株式会社Alpaca.Lab)


── ピッチを重ねて未来の種を蒔いていったと。

けれどもまだこの時には法人化していなくって。補助金に代表が応募してみたら見事に受かっちゃって、その時に言われたんです。個人名義にお金は出せないよと(笑)そこでStartupWeekend(以下SW)沖縄のリードも経験している勇者けいぞうさんを始め,色々な方に相談に乗って貰ったりしている中で、君たちのアイデアだったらスタートアップのやり方がいいよ、とアドバイスを貰ったんです。


── そこでスタートアップを初めて知ったと(笑)

投資家からお金を貰って上場を目指す?そこまで考えていないんですけど?(笑)なんて思いながらも、スタートアップへの挑戦を始めました。そこからはExitに至るまでは走り続けないといけなくて、もう必死ですね(笑)


── そんなスタートアップ実践者の喜屋武さんが、どうしてSWに参加を?

起業して一年経った頃に、偶然にもSWを知ったんです。そこでふと思ったんです。スタートアップを理解せず走り始めていたので、一度ちゃんと学んでみようと(笑)


── 参加してみて如何でしたか?

この地獄の三日間は、一年かけて自分がやったことと同じだと思ったんです。アイデアを練って、メンターの方々からコーチングを受けボロクソに叩かれて、本当にやっていくのかと覚悟を試され、どん底まで落ちてからまた這い上がっていく、そんなプロセスが見事に再現されていたんです。会社にもエッセンスを反映させることもできました。それからというもの、起業を目指す人は必ず参加して欲しいと思っちゃって、オーガナイザーに回ることを決めました(笑)

起業の最初のプロセスが見事に再現されていたSW沖縄(2019)


── 喜屋武さんに支えられ沖縄からスタートアップが生まれてくる未来が心から待ち遠しいです。ところで、アイデアをカタチにしようと思えば何を大切にすべきでしょうか?

No Talk, All Action. という言葉に尽きると思うんです。例えば配車アプリのスタートアップを進める中で、同じことを考えていた人には何度も出会っているんです。けれども、自分たちと彼らとの違いはなんだったんだろうと思うと、動いたということ。


── 行動の有無。

動かないと、やっぱり何も始まらないんです。過去の自分は動いていなかった。だから何も始まらなかった。動いたからこそ形になった。人と出会って、物を作って、広げていって、最後に終止符を打つところまでAll Actionあるのみですね(笑)


── そのアクションを支える側は何を大事にすべきでしょう?

足りない部分を教えてあげられる存在であることが大事だと思うんです。やっぱりアクションを始めると、人って得意な部分から着手しちゃうんですよね。僕だったら、サーバー側見ておきますよー、ってところからどうやっても入っちゃう(笑)自分たちには足りないことやできないことが無数にあって危ういからこそ、それを教えてくれ、支えてくださることが大事ではないでしょうか。


── 専門性を持っていること、と言い換えられますか?

実は支援する人が専門家である必要性はないんです。その領域に詳しい人たちに繋げることが大事だと思っているんです。例えばリーガル部分で気になるところが出てきたら、弁護士を目指している学生さんを紹介してあげるとか。何も知らない人からすると頼もしい人を連れてきてあげられることは支援者の大きな価値だと感じています。

人と人との繋がりを届けられる喜屋武さん(SW沖縄 2023)


── 自身が持つネットワークを活かして課題解決をサポート。

それこそ、コミュニティの力を活かせる部分だと思っています。コミュニティに関われば関わるほど繋がりが生まれていく。もし仮に自分が何もできなかったとしても、そこで出会った人を紹介することでみんなで一緒に発展していけるんです。


── 繋がりから生まれる支援、とってもとっても素敵です。会話の中で触れられたコミュニティには、何が大切だと考えていらっしゃいますか?

続きは下記よりお読みください。


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