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人生への対話が導く新規事業の起点

挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象はものづくり会社で事業企画を担当しつつ、スタートアップとの連携を進められている上原 和也さん。熱を生み出し続けるコミュニティについて伺いました。


── 上原さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

本業は自動車部品メーカーで勤務しています。具体的には海外の拠点を活用してバイオマスのエネルギー関係の事業企画を担当しています。そしてそれだけではなく、新規事業の探索の一環としてスタートアップとの連携も手掛けています。


── スタートアップとの連携。

いわゆるオープンイノベーションですね。ベンチャーキャピタルへの出資や社内アクセラレーションなどにも関わっています。その一環としてStartupWeekend(以下SW)も活用して社内の文化醸成へと繋げています。

SWと連携してオープンイノベーションを進める上原さん(SW静岡 2023)


── 事業企画やスタートアップへの想いはどちらから?

大学で就職活動をする際、時代が変わって新しいものが生み出されていく場所に行きたい想いがあって。それもあって自動車関係で駆動系の会社を選びました。昔、NHKのスペシャルドラマで本田宗一郎のドキュメンタリーを視たことも影響してか、そんな風に人生の時間を使ってみたいなと心に決めたんです。


── 変化を生み出す想いが起点にあるんですね。海外にも関わっていらっしゃるのはどういった背景があるのでしょうか?

やはり日本企業、特にメーカーが生き残るためには海外への展開が必須だと感じているんです。国内市場は縮小しているものの、世界に目を向ければインドやアフリカのように成長している場所はまだまだある。だからこそ遅々として進まない国内のデジタル化を待つのではなく、海外をターゲットに挑戦すべきなんです。


── デジタル化を待たない。

もちろんデジタル化することで業務効率化などを果たして国内だけでも勝負し続けることはできるかもしれませんが、これまでの商習慣が邪魔をしてDXは中々に進まない。であるなら、今までと同じようなことをやって儲けを出す必要が直近ではあり、となると戦う市場を変えるしかない、という選択肢になるわけです。


── 国内の改善を待っている暇はないからこそ外へ、というわけですね。少し話を戻して、SWと社内の連携についてもう少しお聞かせいただけますか?

社内に事業開発プログラムが用意されているものの、事業のフェーズを問わないんですね。アイデアを作るところからプロダクトの試作設計まで様々な領域を横断したプログラムになっているんです。なので、SWを通じて事業開発の大枠をざっくり掴んでもらってます。言うなら練習試合に出て貰っているようなイメージです(笑)

安心安全な事業開発の練習試合へと社内の仲間を送り出す上原さん(SW静岡 2023)


── 社内で事業開発に取り組む前の練習として。

やっぱり新規事業開発って向き不向きがあるんです。向いていない人がプログラムに参加して半年間も取り組むとなるとやっぱり損しちゃう。なので、アイデアをカタチにするってこういうことだったんだ!というのをSWを通じて体得して貰うことで、認識の齟齬が起きることを防いでいるんです。


── そんな風にして会社で活用されているSWはどんな価値を持っていると考えていらっしゃいますか?

心理的安全性が担保された様々な人が集まる場、ですね(笑)メーカーの中だけで働き続けてはどうしても閉鎖的で考えも固まってしまうものの、それを安心安全な環境下でチャレンジをさせて視野や学びを届けてくれていると感じています。新規事業開発の研修としてのコスパは圧倒的No.1ですね(笑)


── 会社としてはそのような観点で活用されていらっしゃるのですね。上原さん自身ものめりこんでいるように見受けられますが、上原さん自身はどこに価値を見出していらっしゃいますか?

狂ったような本気の人、それこそオーラが溢れ出るような人たちにたくさん出会えるところですね。その場に足を踏み入れるだけで、そこから漏れ出たオーラを貰えるんです(笑)


── オーラの場(笑)

もちろん、自分を補正できるという観点もあります。会社の中でどれだけ冷静に客観的に取り組んでいると思っていても、どうしても慣習や昔からのやり方、いわゆる会社色に自然と染まっていっちゃうんですね。けれどもSWに飛び込むことで自分自身の考え方や自信を取り戻すことができてるので、定期的に参加しているんです。

自分自身を補正するためにも場に飛び込む上原さん(SW浜松 2021)


── 自分自身を補正する機会、という考え方に共感しかありません。そんな場を何度も手掛けている上原さんの考える、アイデアをカタチにする本質とは何でしょうか?

事業開発に関する書籍に目を通していると原体験に刺さる課題を見つけるとか、助けたい顧客を見つけるとか、色々なことを書いているんですが、やりぬく力に勝るものはないと感じています。


── その心は。

事業を興す時には大変なことがたくさん起きます。それこそ本に書いてあるような杓子定規なことばかり言っていても絶対に前に進まないんです。何をするかを決めて、それを期限内にやり切ること。これを繰り返すことでしか物事は始まらない。


── やり抜く力はどうやったら磨かれますか?

自分自身の原動力、いわゆる源泉になるものを見つけることが大切ではないでしょうか。もしかすると自分自身の原体験かもしれないし、もしかすると一緒に事業に取り組む仲間かもしれない、もしかすると課題解決をする顧客かもしれない。何故、自分はその取り組みに本気で挑むのかを理解しておくことが重要ですね。


── そんなやり抜く挑戦者を支える人は、何を大事にすべきでしょうか?

迷いなく活動できる人たちは放置して、迷って足が止まっている人たちに対話を、と考えています。

迷って足が止まっている仲間に対話を届ける上原さん(SW豊田 2023)


── 対話を届ける。

何が正解かは本人が決めるしかないからこそ、何故ここに来たのか、そもそも何をやりたいのか、といったところから対話を重ねて自分探しから始め、アクションへの一歩を後押ししたり、やり抜く力の在り処に気が付いてもらうんです。ビジネスコーチングをするのではなく、ライフコーチングから始めて、今後の継続したチャレンジの起点へと繋げていきます。僕の役目はただ問いを投げ続けることです(笑)


── ビジネスではなくライフから入る。大切な在り方をお伝えくださりありがとうございます。そんな挑戦者と支援者が集うコミュニティを育てるには何が重要でしょうか?

熱は熱でしか生まれないと思っているので、まずは無理やりにでも熱を作ることが大事ですね(笑)


── 無理やり熱を作るにはどうすればよいでしょうか?

続きは下記よりお読みください。


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