モメの作法
・モメられる人
・モメ事をとにかく避ける人
の二種類がいる。
バンド、芸人、役者、仕事……
何をやるにせよ、この『モメへの耐性』は若い時から鍛えておいたほうがいい。
これは「おまえらケンカしろ!」と大和龍門的な話ではなく、たとえば
・金銭の交渉ができる
・違う意見をぶつけることができる
・クレーマーにやられない
などの合法レベルの、まぁ生きていたらたまに見られるような、ストレスのかかる話し合いのことだ。こういう話し合いから逃げるクセがつくとロクなことがない。
しかし「もっと金くれ」とか「安くしてくれ」という話ができるひと、できないひとがいる。
意見が異なる場合、話し合えないひとがいる。
クレーマーにやられると、何も言えなくなるひとがいる。
反対に『普段おだやかだけど、なんとなく自信があるひと』というのはこういったモメ事への耐性が強い。
「モメてもかまわん。モメるだけじゃん」と思っているのだ。モメ慣れしているということだ。
「ケンカなんて見るのもいや!固まっちゃう!」というのは女性ならば、分かるのだけど、男だったら「おいおい。やめんかい!」とわって入れるぐらいになっておくほうがいい。
モメになれると、相当生きやすい。
ケンカやモメているシチュエーションに遭遇しても慌てないぐらいになっておくと、マジであらゆる行動がしやすいのだ。
自分の主張を通すときにビクビクしないで良くなるからだ。
要求する前段階で「もし怒らせたらどうしよう」と「もし怒らせちゃってもいいや」にはそれぐらい大きな差があるのだ。
僕たちは生きていく限り、どこかで他者に指示・要求しなくてはいけない
「オモチャ買ってー‼️」とオギャオギャしていた頃から僕たちは要求している。
付き合ってくれ、金くれ、休みくれ、飲みに行ってくれ、店員さんちょっとこっち来て、遊びに付き合ってくれ、バンド組んでくれ、この曲作ってくれ、番組出してくれ……
振り返ると僕たちがどれほど他者に要求しているか分かると思う。
この要求前に「怒らせないように…」というストレスを抱えすぎているとそりゃ生きづらい。
もちろん意味なく怒らせるのは良くないけれど、自分の主張や要求に相手が怒ることもある。
ここで「怒られるから主張しないでおこう」という行動原理だと少しずつ不自由になってしまう。
僕は幸い、モメ事が苦ではない。
上手かヘタかは分からないけれど、全然モメることが嫌ではない人間に育った。
だけど二十歳ぐらいのときは怖くて仕方なかった。
たくさんモメたり、筋トレしたり、格闘技したりして、ちょっとずつ耐性ができた気がする。
「まぁいざとなったら一捻りできるしな」という深層心理があるのかないのかは自分でも分からない。
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