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【全文無料】【オンバーンex】を真剣に調整した男たち

 令和5年4月14日、衝撃の新カードが登場した。
それがこの、【オンバーンex】である。

・前書き

 私は兵庫県姫路市に住んでいる今津といいます。
今回は四国に住んでいる友達3人と真剣にオンバーンexを調整しました。
本記事はその記録になります。

・オンバーンexとの出会い

 スノーハザード、クレイバースト環境、それは、

・サーナイト
・白ルギア
・ロストバレット
・ロストギラティナ
・ミュウ
・パオジアン
・ディンルー 
・ミライドン etc…。

 といったようにパッと環境デッキをいくつもあげられる環境である。
故にそれら全てに勝てるデッキを作ることは非常に困難を極め、
ある程度このデッキは切る(当たって負けても仕方ない)といった判断が必要になる。といっても適当に切るデッキを決めるわけではない。
先週までの大会データ、メタの回り具合などを見て今ならこのデッキは少ないだろうと予想を立て切るデッキを決める。
 現状、最も数が多いサーナイト、時点の白ルギア、ロストバレットあたりは切ることが難しく、他のデッキをいくつか切ってもこれらのデッキには明確な勝ち筋があるデッキを探していた。
そんな中ある一通のlineが私に届いた。

「オンバーン強くね?」

衝撃だった。目から鱗が落ちるとはこのことだと思った。
なんと理論上、このオンバーンexは先に挙げた3つのデッキに対して明確に強い動きがあったのだ。
一つずつ説明する。
 まずサーナイト、このデッキはリファインやアルカナシャインで手札を増やしサイコエンブレイズによってアルカナシャインのサーナイトやザシアンVが高火力を出してくる。しかし、このデッキの高火力を支えているのはサーナイトexの特性であり、頂きへの雪道を貼ってしまえば、ただのたくさん引けるデッキに成り下がるのである。だがそんなこと当然サーナイトを使うプレイヤーも分かっている。スタジアムを貼り返せば良いのだ。サーナイトにはそれを容易く実行できるドロー力がある。普通のデッキならここで終わってしまうだろう。しかしオンバーンexならどうだろうか。ドミネートエコーを打てばサーナイトを倒しながらスタジアムを貼られずそのままゲームエンドまで持っていけるのだ。

 次に白ルギア、このデッキもルギアVstarのアッセンブルスターからアーケオスのプライマルターボにより半永続的に状況に合わせた様々なアタッカーを使い攻撃してくる。単純だがこのデッキ以上にただ攻撃するだけで強いを体現したデッキがあったどろうか。
しかし、このデッキの根幹もサーナイトと同じルール持ちの特性である。しかも特殊エネルギーしかはいっていない。
つまるところ、雪道+ドミネートエコーでアッセンブルスターを言わせなければ攻撃されることがなくそのまま勝てるのである。

 
最後にロストバレット。最速後攻1ターン目からの攻撃、中後半のロストマイン、後半のカイオーガやかがやくリザードンと終始スキがなくそれでいて安定感も高い。さぞこのデッキに苦しめられた人々が数多く居ただろう。
しかし思い出してほしい。このデッキを苦しめたカードも存在したということを。そのうちの一枚がこの、【空を飛ぶピカチュウ】である。

 この「次の番、たねポケモンから技のダメージを受けない」という効果でたねポケモンしか入っていないロストバレットを苦しめた。
このテキスト、見覚えがないだろうか。そう、本記事の主役、オンバーンexも同じ効果を持っているのである。これはもう控えめに言って勝ったと言っても過言ではないだろう。

 この他にも考慮すべきデッキは多いが、デッキを作る前段階でこの3つの他にも先に挙げたミュウ、ディンルー、ミライドンには勝てるビジョンが浮かんだ。
そして満を持して私は調整グループのlineにこう言った。

「オンバーン強くね?」

・オンバーンex調整開始

 早速上の理論をメンバーに説明した私はオンバーンの調整をしたいと伝えた。ありがたいことにメンバーは快く引き受けてくれた。ただ、私が就職活動真っ只中で中々時間が取れない状況が続いており、メンバーが代わりに形にしてくれることとなった。いつも無茶を聞いてもらって本当に頭が上がらない。
そうして作ってもらったデッキがこれだ。

初期案

 最初ということもありとても丸い形になっている。また後攻をとった場合ドミネートエコーを打つ前にアッセンブルスターを使われてしまうため1エネで同じ技の効果を持ち森の封印石を使えるこくばバドレックスVが採用されている。
実際対ルギアではドミネートエコーがぶっ刺さり、何もさせず勝つことが出来た。しかし問題だったのはサーナイトとロストバレットだ。
 この当時サーナイトはまだナンジャモが入ったサンプルリストが少なく前環境から継続してさぎょういんが入ってくるか分からなかった。しかしナンジャモの登場でドローサポートが増えたことによりさぎょういんの枠はスタジアム現物になっていくだろうと環境の変化を見守ることにした。
そしてロストバレット。まったく勝てないことはないがヤミラミを倒せない70打点、穴抜けのひもなどこちら側がきつい動きが多く、少なくとも有利と言える状態ではなかった。
 さらに切っていたギラティナの母数、入賞数の増加により、無視できないデッキになってしまった。


※ちなみにこの時点ではミュウには雪道ドミネートエコー(+エネ割り)、パオジアンはセグレイブに対しておんみつひこう、ディンルーにはおんみつひこう、ミライドンにはミミッキュを入れれば勝てる(なんとかなる)と考えていたため形になったら試す予定だった。

■この時点での評価
ルギア、ミュウ、ディンルー、ミライドンには勝てる(有利)
パオジアンにはボスが必要に見える
ロスト系統に対してもう1アクション欲しい。
サーナイトは様子見

・オンバーンexの苦悩

 そうした背景がありリストを変える必要があった。そうして出来たのがこれである。

前回からの大きな変更点が博士→ナンジャモへの変更、ビーダルと学習装置の追加である。
コンセプトはそのままに継続的に雪道を貼った状態で手札干渉+オンバーンの技を使っていくことで相手の動きを鈍らせる方向にシフトした。主にロストバレット、ギラティナ、パオジアンを見た変更である。これによりこの3つのデッキに対しての勝率は前回と比べ向上した。向上したといっても対ギラティナは依然きついままであったが…。
 しかしこのくらいの時期からパオジアンのリストに変化が見られ始めた。
かつてインテレオンを従え環境に君臨していた水ポケモン、そうパルキアVstarが入ったリストが増え始めたのである。これは我々にとって大きな痛手だった。おんみつひこうさえ打っていれば倒されなっかったオンバーンがパルキアに突破されてしまうのである。ベンチを絞って耐えるようにし2回で倒すためドミネートエコーを打ちたいが青天井の怪物パオジアンが控えている。成すすべはなかった。完敗である。オンバーンではパオジアンには勝てない。我々の脳裏にはその事実が刻まれた。
 しかし悪い話だけではない、その日、サーナイトにチャンピオンズフェスティバルが入ったデッキが入賞リストにあった。そのリストにはさぎょういんが入っていなかったのである。
 まだ、、、まだ終わっていない。たとえパオジアンに勝てなくともルギアとサーナイトを完封しほかのデッキにも不利がつかなければ環境をみて使う価値のあるデッキになる。細い希望を胸に調整を続けた。

■この時点での評価
変わらずルギア、ミュウ、ディンルー、ミライドンは有利。
ロストバレットは勝ちやすくなった。
ギラティナはアビスシーク→入れ替えカートされるとベルトがないと2パン出来ないので入れたい。
パオジアン、どうする…?
作業員が入っていないサーナイトが増えれば…!

・オンバーン最終章

次に出来たのがギラティナとパオジアンに対して強く出れるカードを採用したこの形である。

前回の問題であったアビスシーク→入れ替えカート問題を解決するべくこだわりベルトを、またパルキアやギラティナをワンパンしながらサイド1を挟めるリザードンを採用した。雪道を貼り続けるこのデッキとアンチシナジーだがパーツが手札になくてもペパーからロストスイーパーとこだわりベルトを持ってくることでオンバーンが2体取られてから即起動出来、使い勝手は悪くなかった。
 まだまだパオジアンやギラティナに対してお世辞にも有利とは言えないが微かな希望は繋がれた気がした。

■この時点での評価
リザードンを強く使うためにクララを入れる?
ベルト増やしたい。
少し無理している関係上安定感が下がってしまった。

・オンバーンex終幕

後日、私は大会の入賞リストをまとめてくれているサイトをいつものように眺めていた。
私はそれを見てグループにこう投げかけた。

「オンバーン、解散かもしれない」






この笑顔になんど〇されただろうか


そう、さぎょういんである。サーナイトのレシピが固まってきたのだ。
ナンジャモが出る前はスタジアムを割るドローカードとして採用されていただけだったが前環境、サーナイトがアタッカーだったころと比べ、フワンテをアタッカーとして使うことによりサーナイトラインの場持ちがよくなったためサポートを持ってこれるエルレイドを立てる余裕ができ、それに伴い確定サーチ出来るさぎょういんもほぼ全てのリストに入ってしまった。

終わりである。環境トップのサーナイトに勝てないのだ。

少なくともこの問題が解決されるまでこの形のオンバーンは研究する価値が低いと判断した。オンバーンというポケモンが好きだったのもあり、とても心苦しい。また救ってやれなくて不甲斐ない。
我々のオンバーンは終わった。


・後書き

ここまでこんな文章を読んでいただきありがとうございました。
たまにはこんな記事も書いてみたいなと書いてみました。
これを読んでくださった誰かがオンバーンを救うことを願っています。


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