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こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、現在はニュージーランド在住の受験&国際教育コンサルタントのTakuです。

これまで30年に渡り、中学受験・高校受験・大学受験・帰国入試・総合型選抜入試などの各種受験や、海外大進学、留学生サポートなどを通して、日本とニュージーランドで約2000人の生徒と向き合ってきました。
このブログでは、受験からグローバル教育まで何でもありの教育の話をしていきたいと思います。

今日は多くの人が忘れがちな、「塾=会社」という真実について考えていきたいとも思います。

まず初めに、あなたにお伺いします。
「塾を選ぶ時、何を基準にしますか?」

塾の授業形式?
先生のレベル?
施設の充実度?
家からのアクセス?
教材のレベル?

なるほど、確かにそういうものも見るでしょう。
でも絶対に見るものが他にありますよね?

そう、それはお子さんが受けたい(もしくは親が行かせたいと思っている)学校への「合格実績」です。

どんなにいい先生がいて、どんなにいいシステムを持った塾があっても、志望校の合格実績が良くなかったらそんな塾には行かせないですよね。
塾に行かせるのは志望校に合格させるためなんですから。

ではここで逆の立場になって、塾側から考えてみましょう。

あなたはとある塾の経営者です。
その塾を大きくするために、色々な方法を考えています。
その時何をすれば生徒が集まるでしょうか?

マーケティングを学んだことがある方なら、集客の基本が「顧客のニーズを満たすこと」であることはご存知のはずです。
この場合の顧客のニーズは何か?
そう、合格実績を出すことです。

とすればまず何がなんでも、「一人でも多くの合格実績」を出すことに全力を尽くすはずです。
それもできるだけインパクトのある(ここではできるだけレベルの高い学校への)合格発表を、です。
これは保護者の視点から見ても、とても理に適った戦略です。

例えば以下の2つの塾(両方とも架空のものです)を比較してください。
単純化するために、在籍生徒数は両方等も100名とします。

A塾
御三家中学合格:50名
中堅中学合格:40名
偏差値50未満の中学合格:10名

B塾
御三家中学合格:0名
中堅中学合格:20名
偏差値50未満の中学合格:80名

さあ、あなたならどっちの塾に入れますか?
おそらく大半の方は、A塾を選ぶのではないでしょうか?

それも道理。
誰だってはじめは、少しでもいい学校に入れたいという夢を持っているから。
そしてみんなが入れたいと思う学校を、塾は「重点校」と位置付けて合格者を出そうとします。

ここで起こりうる事態を、あなたは理解できるでしょうか?
つまり少しでもみんなが憧れる学校への合格数を稼ごうとするのは、企業戦略的には実に理に適ったものなのです。

逆に言えば、こうした重点校でない学校の実績をどんなに稼いだとしても、保護者には評価されない可能性が高いですから、塾は合格のために必死にならない可能性が十分にあるということです。
実際に塾ではこうした重点校についての広告を強化し、生徒の受験数が増えるように上手に誘導していきます。

ちなみに私はこうした塾の行動を、一概に非難はできないと思っています。
なぜなら塾はあくまで「企業」であり、企業の存在目的は「利益の追求」なのですから。

ではここで何を言いたいかと言えば、顧客となる私たち保護者側が、塾のこうした目的を理解した上で、賢く利用しましょうということです。
塾に行かせるメリットはもちろんたくさんあり、ほとんどの場合中学受験は塾通いが必要になると思います。

しかし塾から進められる学校も、講座も、本当に子供にとって必要かを判断するのは、親の役割だと思うのです。
企業である塾が、利益追求のために重点校受験や講座受講を勧めてくるのは、企業として当然の活動です。

言ってみれば、お店に行って店員が「こちらはオススメですよ!」と商品購入を促してくるのと同じなんです。
店員さんは売るのが目的ですから、それが本当は似合ってないと思っても、「それは似合いませんよ」とは言わないですよね(笑)。

だからこそ顧客である私たち親が、本当に役に立つものなのかを判断する能力を磨かなければいけないんだと思います。
忘れないでください。
我が子の受験の責任を塾は1ミリも取ってくれませんし、そんな責任はそもそも塾にありません。
全責任を負っているのは、他でもない私たち親自身です。

その当たり前だけれど忘れがちな真実をいつも念頭に置きながら、利益追求を目的とした「会社」である塾とどう付き合っていくのかを、いつも考えていくようにしてもらえたらなと思います。

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