日本の会社員にやる気がない理由
突然ですが、みなさんは会社の仕事にやる気がありますか?
大半の人は「ない」と回答すると思います。
実際、僕もJTC(Japanese Traditional Company、古き悪しき日系企業の蔑称)にかつて勤めていた頃は、仕事への熱意なんて1ミリもありませんでした。
仕事なんてしたくないから、給料だけ欲しいと心の底から思っていました。
そして、日本人が会社の仕事にやる気がないという事実は、データでもきちんと論証されています。
2017年5月26日付『日本経済新聞』に、こんな記事がありました。
内容を一言で要約すると、こんな結果が明らかになりました。
この結果は、世論調査と人材コンサルティングを手掛ける米国のギャラップ社が、世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)を調査したものです。
惨憺たる結果です。日本人は仕事に熱意のカケラも無いわけです。経済大国でもある日本が、なぜこうなってしまったのでしょうか。
今回のnoteでは、日本の会社員にやる気がない理由と、その解決策をお話ししていきます。
日本企業の多くは、「減点主義」の脅しの経営を実践している
今回の記事を書くにあたって、書籍を一冊ご紹介します。
日本の会社員にやる気がない理由について、徹底的な取材をもとにわかりやすく書かれている良書です。興味ある方はぜひ読んでみてください。
さて、本書には日本の会社員にやる気がない理由について色々書いてあったのですが、その中で僕が最もピンときたのは「脅しの経営」という単語です。
本書では、社員のメンタルヘルスの専門家として活動しているコンサルタントが、
と意見を述べていました。
これ、とても共感します。
具体的にいうと、多くの日本企業では、仕事やノルマを無理強いし、できなければ減点するというクソみたいな評価体制と減点主義が蔓延しているのです。
社員ができなかった仕事に着眼し、そこをひたすら追求してくるわけです。仕事が嫌になって当然ですよね。
僕自身も、新卒で入社したJTCでたくさん体験しました。
僕の体験談をお話しすると、僕にとって最も苦手な仕事だったのは「電話応対」の仕事です。
1年目の仕事は電話応対ということで、3コール以内に電話を取ることを強要され、取れないとそれだけで怒られました。言葉遣いも下手だと怒られる、と、受話器を取れば何をしても怒られる環境でした。
挙句の果てには、終業後に電話応対の練習までさせられました。電話応対の練習については残業代も出ませんでした。
上司や周りの先輩方は、僕の苦手な電話応対の仕事だけをひたすら責め続けてくるのです。
もちろん、僕の仕事は電話応対だけではなく、パソコン作業もありました。
ただ、パソコン作業に関しては特に何も言われたことが無かったです。恐らく仕事ができていたのだと思っています。なぜなら、仮に仕事ができていなければ、何かしら言ってくるはずだからです。
要するに、できることに対しては何も言わず、できなかったことを執拗に追及する文化が日本企業に蔓延していたのです。
「仕事はできて当たり前であり、褒めるまでもない」という社風が日本企業にあるわけですね。できないことに関してのみ、必要以上に責め立ててくる最悪の教育制度です。
本来はこの逆をやるべきで、できることを存分に褒め、できないことに関しては無理に強要せず、その他の適任者に回すべきです。
ちなみに本書では、自分の会社が減点主義的だと感じる人たちに、「それはなぜですか?」とアンケートを取った結果、
….という回答が大半を占めたそうです。
つまり、多くの日本企業では、減点主義の無責任経営が当たり前という環境に陥っているのです。
失敗を許さない、某大手電機メーカーの「脅しの経営」の実態
僕の経験談だけでなく、知り合いのお話もしていきます。
先日、YouTuberとして活躍されているはたしゅん2.0さんとお会いしてきました。
彼が10年前、某大手電機メーカーに入社した際、このような悪しき文化を経験したそうです。
軍隊ですか?戦時中の日本国ですか?って感じですよね(笑)
「1人でもテキストを忘れたら、連帯責任として全員がスクワット」と、まさに失敗が許されない、脅しの経営を研修段階で実施しています。
全員でスクワットなどは体育会系の部員がやることで、会社員には全く必要ありません。日本の会社に嫌気が差すのも当然です。
しかも、彼は研修で人事部から
と言われたそうです。
この時点で仕事のやる気、消失しますよね。彼の会社はチャレンジ精神のある人材を募集していたそうですが、これではチャレンジ精神もクソもないですよね。
日本の就活では「チャレンジ精神のある人材を求めています」とよく企業が言っていますが、いざ入社してチャレンジ精神を発揮しようとすると、このように怒られてしまうのが現実です。これが今の日本企業の実態です。
チャレンジしてもミスをしたら怒られ、失敗の責任を追及させられる。1人の失敗を攻め、周りはフォローせずに責任を押し付け合うという汚い現状が、日本企業の度重なる不正問題にも悪影響を及ぼしているのかもしれません。
さて、ここまで「脅しの経営」についてお話してきましたが、解決策はあるのか?最後にお伝えしたいと思います。
減点主義の「脅しの経営」をやっている日本企業からは、今すぐ逃げるべき
解決策としては、減点主義の「脅しの経営」を実践する日本企業からは逃げるべきです。
そもそも論として、減点主義の会社なんてロクなもんじゃありません。
できなかったことを追及してくる会社より、できたことを伸ばしてくれる会社の方がいいに決まってます。
実際、僕は「電話応対の仕事」が苦手すぎて、このままでは自分がダメになると思い、業界と職種を変え、電話応対をしなくても良いWebの仕事へ逃げることによって人生はどんどん楽になっていきました。
特に、今の日本はそんなに一生懸命働かなくとも生きていける社会なんですから、無理に今の職場にしがみつく必要なんてないんです。
仮に現在、皆さんが大手企業に勤めていたとしても、「せっかく大手企業に入ったのだから、辞めるのは勿体無い」などと、こんな風に思ってはいけません。
いくら大手企業に勤めていようとも、職場環境がクソだったらその時点で仕事選びは失敗しているのです。
経営の神様であるピーター・ドラッカーは、人のキャリアについて、以下のように言っています。
この質問を自分に問いかけてみましょう。
要は、「自分が今から就活を始めるとして、今の会社に入社したいか?」ということです。
大半の方は、「ノー」と答えるのではないでしょうか?
つまり、この問いにイエスと答えられない限り、あなたは今の勤め先に満足していないということになります。
今の会社に入社するためにどれだけ頑張ったかとか、今の会社でどれだけ頑張って働いてきたかとか、そんなものは何の判断材料にもならないのです。
なぜなら、それはあくまで過去の話だからです。
まっさらな状態で、「今の会社に入社したいかどうか?」
これだけを考えてみましょう。
答えがノーなら、今の会社にいる理由はないんです。
近年の日本企業では、理不尽な上司の元で働き続けても、嫌いな仕事に耐え続けても、給料が上がるわけでもないし、ましてや成果が上がるわけもありません。
精神科医の樺沢紫苑先生は、「精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方」という本の中で、様々な研究結果を引用しつつ、人間の能力について次のように言及しておられます。
つまり、「会社の仕事が嫌だ…」と思って働いている時点で、あなたの能力は半分になっているということです。
それは皆さん自身にとっても、社会にとっても損失です。自分の能力を半分しか活かせていないなら、自分の能力を最大限に活かせる環境へ転職すれば良いだけの話なのです。
ちなみに僕自身は、そんな日本企業からは逃げに逃げ、3回の転職を繰り返した結果、最終的にWeb業界という素晴らしい業界に巡り会うことができ、文字通り人生が変わりました。
Web業界は合理性を重んじる業界ですので、部下のミスに対して理不尽に頭ごなしに怒鳴りつけてくる昭和脳の上司なんて存在しませんし、社員の欠点ではなく、長所を伸ばそうとしてくれます。
何かミスをした時でも、理不尽に怒鳴られることなんてありません。理路整然と、
「なぜミスをしたのか?」
「次にミスをしないためにはどうすれば良いのか?」
これらについて淡々と聞かれるだけです。
参考までに、Web業界の良いところを以下のようにツイートさせていただきました。
もう、最高ですよね…!
ということで、「理不尽な上司にうんざりだ…」「会社の仕事が怖い…」「ちょっとミスをすると、すぐに上司が怒鳴る…」という悩みを抱えておられる方は、Web業界のような合理的で、社員の長所を伸ばしてくれる業界に転職するのが一番の解決策だと思うのですよ。
ポジショントークにはなってしまいますが、Web業界は若者にとって最高の環境だと思います。
僕は少なくとも、Web業界に転職してから人生が変わったと本気で思っています。
今はもう、いつどこで働いても自由の環境なので、目覚ましをかける必要もありませんし、会社からの電話にビクビクする必要もありません。
PC1台さえあれば、いつでもどこでも自由に働ける、最高の環境を手に入れることができたのです。
もちろん、自分に向いている業界に入社するのが一番ですので、別にWeb業界でなくとも構いません。
重要な点は、「脅しの経営」を実践する会社からは逃げて、もっと自分の能力を活かせる環境にさっさと身を置くべきだということです。
参考までに、今回のお話でWeb業界に興味を持った方へ。
未経験からWeb業界に転職する方法は以下記事に詳しく書いておりますので、興味のある方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
今回のお話が、多くの方の参考になれば幸いです。
ではでは今日はこの辺で。
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