【PMP】2023年12月合格体験記。異業種サラリーマンがオンライン独習したケース
こんにちは、タキツネと言います。
今回は、2023年12月にPMP資格を取得したので合格体験記をシェアします。
※PMP:Project Management Professional
■この記事の目的
これからPMP受験される人へ、試験以外で苦労しなくて済むように情報提供することです。
プロジェクトマネジメント(以下PM)の資格といえば、多くの方が、IPAのPMか、PMIのPMPで迷うと思います。どちらも価値ある資格なので、ご自身のいる業界や勤務先で評価されるかなど考慮して決められるとよいと思います。
私の場合は、非エンジニアで、IT開発ではない業界にいるため、PMPを選びました。しかし、PMPは試験制度が複雑なのに公式情報では分かりづらい事が多くて情報収集に苦労しました。
試験勉強はをがんばるのはいいけど情報収集で苦労するのは嫌だと思ったので、今後PMPの受験を検討される方向けに、私が知っている情報を書き残しておきます。
今回はこんな趣旨なので、受験要綱や申し込み方法など公式に展開されている情報は省略します。基本的な情報はPMI公式サイトなどで確認をいただき、書かれていない細かい情報をこの記事から入手してもらえればと思います。
※1:2023年12月現在の一受験者の体験談です。時間の経過によって試験方法などは変わっていく可能性が高いため、もしもご覧いただいた時点で誤解を招いたりリスクのある表現になっている箇所があったらご指摘ください。修正・削除など対応します。
■サマリ
以下のようなことを中心に書いてありますので、気になる点があったら読んでください。
オンライン独習だけで合格できる? →できる(01)
何ヶ月で合格できる? →150時間勉強するのに何ヶ月かけるかで決まる(03)
費用は結局、いくらかかる? →自腹なら20万円くらい見ておこう(04)
英語苦手だけど、プロジェクト経験の申請大丈夫かな? →ChatGPTで対応できる(08)
■私の情報
私は、IT開発とは程遠い異業種で働くサラリーマンです。
PM 的なポジションでの実務経験はありましたが、ITと英語には自信がありませんでした。
【PM実務経験:○】PM的なポジションを10年くらい経験しているが、異業種のため社内でPMと呼ばれたことはない。用語もほとんど知らなかった
【時間:○】フルタイム勤務だが幸い余裕があり、毎日勉強できる状況だった
【IT:△】IPAの基本情報技術者は持っていた。非エンジニアで、応用情報技術者以上には歯が立たない
【英語:△】高校生以下。事務的なメールでも翻訳して読む程度
■全体
01.すべてオンライン・完全独習でも大丈夫
35時間研修も、学習も、受験も、すべてオンライン・独習で行けました。
私はPMP取得に関して、誰とも対面していませんし、どこにも行かずに完結しています。
もちろん対面研修や対面授業、会場受験も可能なので、お好みで選んで下さい。
02.受験申し込みしてから勉強しても良い
私は勉強期間がどれくらい必要か分からなかったので、気が済むまで勉強してから受験申し込みをしましたが、35時間研修の後に受験申し込みをしてしまうことも可能です。数ヶ月先の日程まで予約できるようなので、受験日程を確定させて、その日に向けて勉強していくのも良いと思います。
■スケジュールと工数
03.スケジュールは、トータル150hを何ヶ月で勉強するかで決まる
PMPの標準学習時間は150h程度と言われています。
実際、異業種の私でもトータルの勉強時間は165hでした。現職PMなら大幅に短縮も可能かと思います。
私の場合は、勉強に6ヶ月かかっていますが、これは毎日1hくらいしか勉強しなかったからです。1日1時間✖️165日=6ヶ月、のんびりとやっていました。
合格者インタビューを見ていると「短期集中で1ヶ月で勉強した」とか「平日は3h、土日は8hは勉強した」みたいな声をよく聞きます。平均して1日4h勉強するのなら、150h/4h=37.5日なので、1,2ヶ月で勉強することもできるということですね。
この計算で、勉強に必要な日数はだいたい分かるので、これから勉強を始める方は一度確認してみてください。
それにしても、1ヶ月で合格しましたみたいな人はすごい集中力ですね。私はそんなに詰め込めないので無理だなあ。
■費用
04.全部で約20万円。会社の補助があるならぜひ使いましょう
これも対面かオンラインかとか、何のサービスを使うかなどで大きく変わると思いますが、私はトータル約20万円でした。なかなか高いですよね。
学習の3万円は、オンライン教材(問題集+模擬試験)と本代です。
具体的な教材内容は06を参照ください。
会社によっては補助制度があると思うので、始める前にぜひ確認してください。特にPMPは合格後の継続学習もあるので、所属している組織に補助制度があれば何十万円も出してもらえる可能性があります。
私は異業種なので会社からの補助制度などは一切なく、全額自腹でした。
無念。
■35時間研修
05.分からないところがあっても、最速で受講完了してしまうのが吉
私はオンラインだったので、ひたすら動画を見るだけでした。対面研修なら【7時間✖️5日】みたいなスケジュールになっているかと思います。
振り返ってみると、35時間研修はガイダンス的に概要を説明されるだけのものでした。この研修をどんなに真面目に受けても、それだけで合格はできません。
どうせ受講後に勉強することになるので、35時間研修は受験資格を得るためと割り切って最速で受講完了してしまうのが良いと思います。
私は、仕事の休憩中に動画をチマチマ見ていました。出てくる単語がほとんど分からず「本当に異業種の人間でも合格できるんだろうか?」と不安になったのを覚えています。
一応、分からない単語が出てくるたびにスマホのメモに追加していったんですが、最終的には不明ワードリストは100個を超えていました。この100個をこの後の勉強フェーズで1つずつ潰していくことになるわけですが、正直、20個くらいはイマイチ分かっていないまま受験しました。
別に満点を取る必要はないので、自分がイメージもできないような馴染みのない単語は飛ばしてしまってもよいかと思います。
■勉強(独習)
06.とにかく1問1分で解くクセをつける
教材は、私は【オンライン問題集+模擬試験】を選び、ほぼこれしかやっていません。
この教材にした理由は2つ。
1つ目は問題数が多いこと。問題600問と模試3回分が入っており、これさえ一周すれば4択問題の出題パターンは完全に網羅できます。
2つ目は、タイマーが付いているオンライン教材である点です。180問230分のPMPテストは、とにかく1問1分で解いていかなければいけません。「分からなくても悩んでも、必ず1分で回答する」というクセづけのためには時計を見ながら解くのが有効だと思います。
私は、1日10問を10分で解いてみたあと、不正解のものを中心に解説を読んでいきました。そこで知らない単語が出てきたら追加検索して調べていくんですが、調べてもよく分からない場合も多くありました。そんなときは「また次にこの単語に出会う問題が出てくるだろう。その問題の解説を読めば分かるかもしれないから今はパス」と先送りにしていました。
独習は質問できる先生・先輩がいないので、分からないことを無理に調べようとしすぎないのがコツだと思います。
本は、分からない単語を調べるときにこの本↓を使いました。
※私はPMBOKは購入していません。合格後にPMI会員特典で入手しました。
07.合格者インタビューを見て疑心暗鬼を避ける
さて、独習の私にとって、PMPの情報収集に一番役立ったのはイトーダさんのYouTubeチャンネルでした。
PMP受験者にとって本当に役立つ動画ばかりのチャンネルで、ほぼ全ての動画を見たと思います。
用語解説や業界動向なども耳寄りですが、一番ありがたかったのは合格者インタビューのシリーズです。
↑不定期で直近の合格者にインタビューしてくれているので、最新情報が入手できます。
どれくらい、どうやって勉強した人が合格しているのか?
直近の試験の内容は? 例えば、計算問題は出るのか?
合格者はPMBOKは読んでいるのか?
異業種の人なんて、ほんとに合格しているのか?
勉強が進んでいくなかで、こんな疑問が次々と浮かんできます。WEBで検索してもそんな細かい内容は出てこず、不安から疑心暗鬼になりそうな時期がありました。
そんなとき、合格者インタビューをいくつか見ていると、直近の合格者から貴重な情報を聞かせてもらうことができ、背中を押されました。
「勉強方法はサンドイッチ方式(模試→勉強→模試)が効果的
「計算問題は1問あるかないかだから捨てたけど受かった」という声
「PMBOKは読んでない」という人が意外と多い
「異業種だけどPMPを取った」という人も何人かいる
※詳細は、合格者ごとの文脈や時期による部分も多いので、合格者インタビューをご自身で見て判断してください。
この合格者インタビューがなかったら、私は受験する前に勉強をやめてしまっていたかもしれません。
イトーダさん、インタビュイーの方々、本当にありがとうございました!
■受験申し込み
08.プロジェクト経験はChatGPT(か翻訳)で大丈夫だった
受験申し込みの鬼門は、なんといってもプロジェクト経験の申請でしょう。
私のように英語が苦手な方の場合、これが原因で受験を諦めている人もいるくらいの障壁だと思います。
私は11月に意を決して申し込みをしましたが、結局、丸一日かかりました。
これまたイトーダさんのこの動画を参考に「PMPは英語ネイティブでない受験者も多いから、完全な英文でなくても受け取ってもらえる」と信じることにしました。
具体的には、
日本語で原稿を書く
ChatGPTに英訳させ、ワード数もカウントさせる
英文で200ワード程度になるよう、日本語を修正して再度ChatGPTに英訳させる
完成した英文を自分で読んでみて、なんとか文意が通じるように思われたので完成とする
PMI申請欄に貼り付けて提出
という手順で実施しました。
まぁ、翻訳さえできればChatGPTである必要はないかと思いますが、対話型の方がアシスタントに助けてもらってる感もあって良いんじゃないでしょうか。
幸い、調査?が入ることもなく、5営業日程度で無事に承認されました。
念を入れるのであれば、英文から日本語へ逆変換してみて、おかしくなっている部分はリライトすれば、より精度が高くなるかと思います。
09.申し込み以降のメール連絡は、英語のみで来ることが多い
申し込み完了から受験案内、合格通知に至るまで、何度かPMIなどからメール連絡が来ますが、しれっと英語のみで来ることが多いです。
私は、日頃は英文メール=迷惑メールみたいな認識でいるくらい英語に接していないので、この時期はメールboxを細かくチェックしていました。実際に届くメールは英文とはいえ事務的で簡潔な内容ばかりなので、読み解けないということはないとは思います。
ただ、プロジェクト経験の英文提出の難易度も含めて考えると、PMP試験は日本語対応しているとは到底言えないと感じます。PMPは日本語で受験できるんだし、PMI日本支部だってあるんだから、日本語のみで受験できるように改善してほしいなと思います。
(個人的には、こういう目に遭うから英語はやっぱりやらなきゃいけないなという課題感を新たにしました)
10.オンライン試験は毎月2回ペースで開催されている
申し込み時のカレンダーを見る限り、オンライン試験は毎月2回ペースで行われているようです。私は直近日程で申し込み、受験日確定の返信メールが届きました。
会場受験する場合、「予約が取れなくて1ヶ月以上先の日程になってしまい待つことになった」という話をちらほら聞きます。予約は早めに済ませた方が良さそうですね。
■受験当日〜合格通知メールが来るまで
11.オンライン環境構築は不備に備えてリハーサルを
自宅でオンライン試験を受けるにあたって、私は以下機材で対応しました。
PC+正面カメラ+マイク:ノートPC
周辺監視カメラ(イーグルアイ):三脚に立てたスマホ
iPadなどタブレットでは受験できず、PCが必要です。
カメラ付きノートPCなら、一台で正面カメラもマイクも対応できて便利かと思います。
また、特にスマホを使うであろうイーグルアイの置き場や接続は意外と手間取るので、必ず事前にリハーサルしてみた方がよいと思います。当日に不備を指摘されて受験無効になったら絶望しますよね。
きちんと全身が写る場所に設置できるか?(部屋の片付け必要かも)
充電ケーブルがコンセントに届くか?(ケーブル買い足し必要かも)
4時間以上、スマホが安定して固定されるか?(アームなど使う場合は徐々に動いてしまうかも)
ネットワークは安定しているか?(Wi-Fiかモバイル通信か)
私はノートPCもスマホでテザリングし、全部スマホのモバイル通信で対応しましたが、通信量は全部で2GB弱でした。パケット買い足しが必要かも確認してくださいね。
12.試験本番。見直しの時間はないと思った方が安全
オンライン試験は
回答60問
休憩10分
回答60問
休憩10分
回答60問
の順で進行します。
全部で4時間30分くらい。長い。
06で記載の通り、1問1分で解くクセは付けていたつもりでしたが、やはり本番となると悩んでしまうこともありました。
いざ本番となれば、普通のレベルの受験者は「正解している自信はないんだけど、この問題で迷っている時間的余裕もない」というプレッシャーを感じるはずです。
一応、あとで見直すためのマーキング機能はありましたが、結局、見直しに戻ってくる時間は取れないでしょうし、戻ってきても正答率は上がらないようにも感じました。
とにかく全問回答できないことには合格はないと思いますので、1問1問に時間をかけず、次々と見切っていく覚悟をしておいた方がよいと思います。
13.オンライン受験の休憩は10分強制取得。スキップも短縮もできない
これはオンラインだけかもしれませんが、60問回答し終えると休憩に進み、【10:00】からゼロになるまでカウントダウンが始まります。受験者からは何も操作できず、ゼロになったら自動的に次の60問の画面に切り替わります。
つまり、2回の休憩は10分強制取得で、スキップや短縮はできません。
私は休憩を早く切り上げて次の60問に進みたかったのですが、何も操作できないので待つしかありませんでした。休憩を早めに切り上げて試験時間に充てるといった対策ができるのかと思っていたので、この仕様は意外でした。
試験時間は厳密に230分しかないということですね。
230分/3=約76分
を目安に60問を回答していかないと、最後で時間が足りなくなってしまいます。時間管理はくれぐれもご注意を。
14.オンライン受験の合格通知は2段階。直後のPDFと後日のメール
受験終了時、受験していたアプリにPDFファイルへのリンクが出てきたので開いてみると【Pass】との結果通知があり、自分のドメインごとの評価も記載されていました。
てっきり、受験後何日か経ってからメールで通知が来ると思っていたので、受験直後の合格通知にはびっくりしました。
PMIのマイアカウントを確認してみても「受験スケジュールが確定しました」のまま。もしこれが仮通知で、後から不正などを疑われて不合格になったら嫌だなと思い待っていたところ、翌日に改めてメールで合格通知が届き、PMIアカウントも無事に更新されました。
試験結果の通知方法は不正対策なのか頻繁に更新されているようですが、毎回の受験者に対して今回はどういう手順・スケジュールで通知するのかは丁寧に通知すしてほしいと思います。
受験者にしてみれば、いつまでに何で結果が届くのか、どこで確認したら合否が確定なのか分からないと不安になりますよね。
私からの情報提供は以上です。少しでも役立つ情報があれば幸いです。
また、noteで「PMP」と検索すると、同じように最近合格された方の記事がいくつかありました。そちらもぜひ参考にしてください。
これを読んでくださった方の苦労が少しでも少なくなればと願っています。
それでは、お互いに頑張りましょう!
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