見出し画像

大阪で最も美しいと思う

中之島で蚤の市が行われていたので、家族でちょっと見に行った。公会堂前は車道がなくなったのはいいものの、だらんとしたひどい歩道は残念だが、川の側の階段や安藤さんの子ども本の森、リニューアルされた東洋陶磁美術館(開館前だけど)などは素晴らしいと思う。
イベントをするために設えられたような粗末なランドスケープの歩道だが、蚤の市のような品のあるイベントならもっとやってほしい。肝心の市は思っていたよりも規模が小さく、値段も高めで、あんまりフレンドリーではなかったが(それでも出品されていたものの質はさすがに高く、花の絵とクリスマスカードで計一万円も買ってしまったけど)、これから定例化していくといいな。今後に期待。
ちょうどバラ園が咲いていたので、子どもたちと天満橋まで散歩。近くで働いていて、結婚前に天満橋に長く住んでいたこともあり、中之島公園はとても馴染みが深い。ちょうど夕暮れどき、夕焼けが西の空に広がっていく時間のこの公園、特にバラ園から梅田方面を眺めるこの風景は、大阪で最も美しいんじゃないかといつも思う。
大阪は日本でも珍しい、夕焼けが落ちる海をもつ都市だが、その夕焼け空に、近代的な庭園や建築、その奥や脇に広がる現代的な高層ビルで構成されたこの風景は、完璧に近い都市の風景だと思う。
特に今日は、公会堂前の少しざわついた賑わう雰囲気から、図書館前のほのぼのした青空ライブラリー、バラ園のまったりした恋人たちや犬たち(娘はあまりの犬の多さに、犬園やな!と何度も叫んでいた。やめい)、その後、高速道路の高架下では若者たちがダンスの練習をしていて、芝生公園ではくつろぐ大人たち。剣先の噴水前では何かしらのライブセッションのようなことをしている人たちもいた。
とても自由だ。これこそ都市。京都の鴨川にも負けない、美しい市民たちの休日。

賑わうけど、けやき並木だけの粗末なランドスケープ
こども本の森の青空ライブラリー
北浜テラスと対峙する水面に近いデッキ
高架下ではダンスの練習
芝生では大人たちがくつろぐ
剣先の噴水は早く直してほしい
はちけんや浜にちょっと人工芝とファニチャー

八軒屋浜に行くと、階段のところにちょっとした人工芝と水色ときれいなファニチャーが設けられていた。ここの階段は、かつての僕らにとっては、まるで隠れ家のような場所だったな。人工芝に子どもたちが寝転んで、まるで別世界。
子どもたちが巣立ったら、またこの辺に住もうかなんて妻と話しながら、帰途に着いた。

そういえば、バラ園の脇の水辺にヌートリアがいた。初めて間近で見たけど(昔なにわ橋の上から見つけたことはあった)、なかなかデカかったし、可愛かった。

人間の視線など気にせず沖に上がる
器用に泳いで去っていった

古いもの、新しいもの。大人と子どもの自由で奔放なアクティビティ。自然と人工。人間と植物と動物。過去と未来と現在。たしかに、よく出来てる。私情もあるけど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?