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大前研一 名言集 『サラリーマン再起動マニュアル』(36)

『サラリーマン再起動マニュアル』(36)

今回から『サラリーマン再起動マニュアル』から名言を取り上げます。

大前研一氏は、私にとってメンター(師匠)であり、グールー(思想的指導者)の存在でもあります。

大前氏の著作を読んでいつも感じるのは、物事の本質を捉える、ずば抜けた能力です。

凡人である私は大前氏の足元にも及びませんが、不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、と思っています。


『サラリーマン再起動マニュアル』

目次
 [イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない

 第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?

 第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動

 第3章[実践編]「中年総合力」を身につける

 第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件

 第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ

 [エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある

✅ 小学館  出版年月日 2008/9/29 

 

新大陸はデジタル社会であり、見えない世界である。見えない世界は数字にならない

旧大陸企業と新大陸企業では、コミュニケーションの方法が根本的に違う。

旧大陸企業は、数字がコミュニケーションの基本である。

たとえば「売上高1000億円を目指す」「3%コストダウンする」といった具合である。まず数字を示して目標を立て、その目標に到達するための行動計画を作り、それに必要なヒト、モノ、カネを手当てしていく。

数字がすべての物差しになっている。
 
一方、新大陸はデジタル社会であり、見えない世界である。見えない世界は数字にならない

たとえば、デルのマイケル・デル会長が1984年に同社を創業した時、数字の目標はあったのか? おそらくなかったと思う。

まず、消費者に選択肢をほとんど与えていなかった既存のパソコンメーカー に対する憤りがあって、それなら消費者から電話(現在はインターネット)で直接注文を受けてテーラーメードのパソコンを提供すればいんじゃないか、と考えたのである。

これは「発想」と「コンセプト」であり、「数字」ではない。

 『サラリーマン再起動マニュアル』 大前研一の名言 1 〈480〉                                               
                            
                                            

➳ 編集後記

『サラリーマン再起動マニュアル』 はタイトルから推測すると、マニュアル本のように感じられたかも知れませんが、いわゆるマニュアル本ではありません。

私たちが身につけるべき、本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている普遍性のある本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います

私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の言葉は、いつでも私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔶 旧大陸企業新大陸企業の違いを具体的にかつ分かりやすく説明していますので、理解しやすいと思います。

他の著作でも何度も取り上げられている3つのコンセプトは、あなたもよくご存知のように「ボーダーレス」「サイバー」「マルチプル」です。

新大陸はこの3つのコンセプトが特徴となっている、ということです。

いつも思うことですが、大前氏は物事の本質をキーワードで表現し、分かりやすく解説してくれるので、私のような凡人でも理解することができます。

大前氏のように本当に頭のいい人は、難しそうな内容を平易な言葉に置き換えて説明することができます。

相手に理解してもらわなければ意味がない、と十分に認識しているからです。

この点は、大いに見習い、ものを書く時や、言葉で説明する際に、意識していきたいと考えています。


🔷 安倍政権とアベノミクスを振り返る 大前研一氏の見解

大前氏は、安倍政権発足当時からアベノミクスを批判してきました。
アベノミクスのどのような点が失敗だったのか?
その点を中心に大前氏の見解を振り返ってみましょう。
2年前に週刊ポストに掲載された記事です。


やってる感出していただけの安倍政権 コロナで負の遺産噴出

2020.10.01 16:00週刊ポスト から

私は安倍政権発足時から一貫して安倍首相の政策を批判してきた。通算8年8か月の歴代最長政権が終わった今、安倍政治の問題点と、今後それが引き起こす後遺症をきちんと検証する必要がある。

やってる感出していただけの安倍政権 コロナで負の遺産噴出             


安倍政権が残した「負の遺産」のうちの一つは、これまでも指摘したアベノミクスの失敗だ。アベノミクスの成果は400万人超の雇用創出と歴史的な低失業率、株高、景気拡大などと言われているが、雇用の増加と低失業率は団塊の世代が大量リタイアした後の人手不足と非正規雇用の拡大によるもので、正規の日本型安定雇用が大きく増えたわけではない。

やってる感出していただけの安倍政権 コロナで負の遺産噴出             


景気回復も「異次元の金融緩和」を続けて市場にカネをジャブジャブと供給する事実上のMMT(*現代貨幣理論。ある条件下で政府は国債をいくらでも発行してよいという考え方)政策による見せかけであり、実際、景気拡大局面が5年11か月続いたといっても、それはほとんど横ばいの地を這うような「ミミズ景気」でしかなかった。

やってる感出していただけの安倍政権 コロナで負の遺産噴出             


今後はテレワークや業務のDX(*デジタルトランスフォーメーション。デジタル技術で人々の生活をより良くしたり、既存のビジネス構造を破壊したりして新たな価値を生み出すイノベーション)化で正規社員の仕事も大幅に削減され、失業率が急上昇してくるだろう。

ってる感出していただけの安倍政権 コロナで負の遺産噴出             


つまり、アベノミクスは副作用が強いカンフル剤や鎮痛剤のようなものであり、効き目が切れたら、激しい後遺症に見舞われるのだ。
振り返ってみれば、安倍政権は次々と看板を掛け替えて国民の目先を変えながら「やってる感」を出していただけで、結局、何もできなかった。

やってる感出していただけの安倍政権 コロナで負の遺産噴出             


✅ 出典元: 週刊ポスト 2020.10.01 16:00 やってる感出していただけの安倍政権 コロナで負の遺産噴出 



⭐ 関連書籍



🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。

大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。


🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。


大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。

⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ



大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。





🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。


大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は7年前にAmebaブログで書きました(2015-04-04 19:13:34)。
「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。


⭐ 今までにご紹介してきた書籍です。















⭐ 私のマガジン (2022.08.22現在)




















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