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インシディアス 赤い扉(2023)

「ソウ」第1作のコンビ、ジェームズ・ワンとリー・ワネルが再びタッグを組んで送り出した「インシディアス」シリーズ。

このシリーズは過去4作が時系列的にバラバラの順で作られており(正確には、整合性をとりながら後付けで1作目の前後の話を作っていったのだと思うが)、時系列で並べると、4作目→3作目→1作目→2作目となる。

そして、2023年夏にアメリカで公開された第5作「インシディアス 赤い扉」は、この2作目の10年後を描く新作であった。

今回、脚本は過去4作を手がけたリー・ワネルではなく、主演のパトリック・ウィルソンが映画監督デビューを果たしている。残念ながら日本では劇場公開されず、配信スルーになった本作を見たわけですが…

かなり残念な出来だった! なんだか、悲しいくらいに。これ、ホラー映画になってない。というか、ほとんど怖くない。

第1作、第2作で酷い目に遭ったお父さんと長男は、催眠術でその記憶を封じ込めたまま平和に?過ごしていた。長男は大学生になり、お父さんとウマが合わなくてギクシャクしている。

で、入った大学の美術の授業で「心の奥底の醜い部分を掘り返せ!」と言われて目を閉じて集中したら、記憶が蘇って再び悪霊に襲われるのだ…

まず、冒頭の親子のギクシャクなんだけど、父親がわざとらしいくらい前時代的な馬鹿親すぎて、息子への態度や発言がありえない。その流れで突然そんなこと言わんやろ!的なセリフ回しで、見るに耐えない。アタマ30分は、そんな親子喧嘩が繰り広げられる。

美術の授業で記憶が蘇るのも安直すぎ。そんなんで蘇る記憶なら、とっくにどこかで蘇ってるだろうと…。一体どうなってんだ、この粗い脚本!? と、終始ツッコミまくり。

記憶が蘇ってからも、モタモタした展開が続き、結局最後まで怖くないし、物語の閉じ方も安直。1作目があんなに怖くて、2作目は1作目との組み合わせの妙で、なんでその続きがこうなってしまうんだろう?

ダメな本に加えて、演出にもケレン味がなく、ジェームズ・ワンが撮る何もないのに緊張感を強いられる不気味なショットとは違って、何かがボヤッと映ってるけど全く怖くないショットや無駄なショットが続く。

出来・不出来はあれど、結構好きで追いかけてきた「インシディアス」シリーズがこんなことになって残念。…だけど、興収は良かったらしいので、またスピンオフが製作されるらしい。(そして、完成したら、また観てしまうだろう。)

このシリーズと「死霊館」シリーズのパトリック・ウィルソンが好きなんだけど、本作での彼の役所は損な感じだったなぁ…

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