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レッド・ロケット(2021)

「フロリダ・プロジェクト真夏の魔法」が素晴らしかったショーン・ベイカー監督の新作「レッド・ロケット」を観てきた。

落ちぶれて無一文となり故郷テキサスへ舞い戻ったポルノ俳優のマイキー。別居中の妻レクシーと義母リルに嫌がられながらも彼女たちの家に転がり込むことに成功したが、仕事はない。昔のツテでマリファナを売りながら糊口を凌いでいたある日、ドーナツ店で働く少女と出会い再起を夢見るが…

とにかく、主人公マイキーのダメっぷりがハンパない! ほとんど誠意もなく、その場しのぎの口先だけで自分に都合良く物事を運び、周囲の人々に迷惑をかけて巻き込んじゃって、それでも全く悪びれずニッコリ笑顔で前向きに生きていく。アホで酷くて逞しい。

このどうしようもないマイキーと、彼に巻き込まれた人々の毎日を、テキサスの小さな町のカラフルな街並みの中でテンポ良く描いてどんどん見せていくので、(やってることは酷いのに)恐ろしいほど嫌味がない。

物語としての完成度よりは、映画の中で活き活きと生きるキャラクター達の姿が魅力的な一作。品がなく、クセは強いが、魅力が勝つ。

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