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モノづくりにおけるデザインの役割②

こんにちは、先日「デザインってなに?」の話をさせていただきました。
デザインってなんともふわっとした話ですよね。

今回は、前回の概念論を踏まえつつ、「デザイン」という文脈で私たちがこれまで取り組んできたことと、どんな結果につながったのか、話をしたいと思います。

今振り返ると、いろんなことやってきました。
大きなカテゴリーで言うと

①すでにある会社をリデザインする
・ビジョンとバリューを言語化してありたい姿の解像度を上げる
・ビジョンとバリューの理解を深めるために全社総会を実施する
・事務所を引っ越したりリフォームしてビジョンとの一貫性をつくる
・ロゴや名刺などビジュアル物を見直してビジョンとの一貫性をつくる
・働くルールを見直しビジョンとの一貫性をつくる

②今ある資源を生かして新商品をデザインする
・アジャイル型のモノづくりに取り組む
・枯れた技術で「意味のイノベーション」を起こす
・革新と改善を一緒のフローで推進しない
・社外パートナーとの協業で社内で足りない力を補う
・モノだけでなく「顧客体験」全体をデザインする

会社のリデザイン=コーポレートブランディングは、会社自体への信頼を高めていく上でめっちゃ大切な取り組みです。これだけモノがあふれた豊かな時代となり、技術も陳腐化するスピードが速いです。

だからこそ、商品自体の差別化に加え、誰がその商品を提供しているかその会社らしいコンセプトと一貫した行動で会社自体への信頼を高めていくことも重要です。

それと並行して、どうやって新しい価値を生み出すかも大変なことです。どうやってアイデアを考え、コンセプトに落とし込み、ユーザーが満足する商品となるよう量産化するか。経営資源の乏しい中小企業では、限られた予算でそれらを実行しなきゃならんので、知恵を絞る必要があります。

記事や番組にすると、こういった大小様々で相互が絡み合う複雑な取り組みを「えい」って単純に切り取っちゃうんですが、実際はそうでもないんですよね。いろんな角度から試行錯誤や仮説検証を繰り返し、時間をかけて平安伸銅が平安伸銅らしく成長していくのです。

なので、元記者とは思えない乱文で恐縮なんですが、回を分けて一つひとつ(丁寧?に)説明しますね。

「ビジョンとバリューを言語化してありたい姿の解像度を上げる」

一つ目はこちらの話なんですが、私たちの「現在」のビジョンとバリューは以下の通りです。

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ここに至るまで、いろんな方のお力借りて、会社のゴールのイメージと大切にしている価値観を言語化する作業を続けてきました。

はじめは中小企業の経営者団体(大阪府中小企業家同友会)に参加して、そこが実施している理念策定セミナーに参加。その後、組織開発のパートナー羽渕彰博さんや、エグゼクティブコーチの北端康良さんのお力を借りて、メンバーが大切ている価値観を言語化したり、そこと経営者個人の価値観、平安伸銅が綿々と受け継いできた価値観を重ね合わせる作業をして、足掛け10年で今のスタイルになりました。

ちなみに、私たち個人の大切にしている価値観は、カンブリア宮殿のYouTube上でお話ししています。

かよこ「自由闊達な場で、新鮮な驚きを得る」
かず「やられた、ワイワイ」

これは、北端さんの才能プロファイリングのセッションでまとめました。

後継者は創業者と違って、はじめから強烈な原体験やビジョンをもってるわけじゃないです。会社のビジョンを自分事として語るのは、はじめは難しいです。でも、自分自身と会社の歴史を振り返ると、そこに重なりや、自分自身がここにいる意味が見つかります。

だって、会社に関わることを自分で選んでいるのですから。

そんなことをしながら、後継者自身の中で会社のビジョンの解像度が上がり、それを追いかけるように社内外への発信ができるようになり、それを見て周囲の理解度、共感値が上がってくる。ってな感じですかね。

自分と向き合うので、結構しんどかったです。時には、セミナーで泣いたりしました。こういうと、結構宗教っぽいと思う人もいるかもですが、経営ってもっとシステマチックと思うかもしれませんが、それを実行しているのは「人」。

私は、組織も生き物みたいで、経営のプロセスも有機的や情緒的であってもいいのではと思っています。

私の場合はこのプロセスがあったからこそ、会社が何のために存在しているのか、一貫したストーリーを「自分の言葉」で話すことができるようになりました。それを軸に、ホームページやカタログ、取材記事など、いろいろな媒体通じて発信できるようになりました。

このプロセスも、会社の「らしさ」を研ぎ澄まし伝えるという文脈で言うと、デザインの範疇だと解釈しています。

まとめると
①会社の歴史から会社のビジョン、バリューを明らかにする
②自分自身の人生を振り返り、経営者自身のビジョン、バリューを明らかにする
③①②の重なりから、最新の会社のビジョン、バリューを言語化する
④メンバーと会社の重なりからビジョン、バリューをさらに更新する
⑤①~④どのステージでもいいので、その都度最新のビジョンバリューを社内外に発信する

なんとも泥臭い話ですが、私の場合こうやったよ、という話。
参考になれば幸いです。

なかなかモノづくりの話にたどり着かんね…。

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