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【008 バルセロナと日本 裏表の物語】

(これは2020年11月8日。新型ウイルスの騒動が起こってから初めて日本に帰国したときに再びバルセロナへ戻るときの物語です。)
 
実家からいつも空港へ向かうときに利用するリムジンバスを調べたら減便になっている

飛行機の出発は深夜0:50

スーツケースは3つ

嫁に頼まれたお土産をしこたま買ったこれは全部何としても持って帰らねばならない。ラストミッションだ!

 

流石に電車の乗り換えはムリだ

定額制のハイヤーを探したら1つだけ良心的な価格のところが見つかった。まだ出発前のお昼にやらないといけないことが残っているのでバスには間に合わない。予約した

  


出発の18:00ジャストに車が来た

トランクと後部座席に荷物を積んで乗り込む。高齢になってきた両親のいる実家には細菌やウイルスを不活性化する機器も設置できた。暫しの別れ。スペインへ帰国するたびに老けていくかと思ってたら、孫も増えて若返ってきた感。娘の成人式までは元気にいて欲しい

 

いつもの如くエモーショナルになりながら出発して、一息ついてから運転手さんを見たら鼻がとても高い。白髪の方・・・あれ?発音がちょっと・・・後ろから顔を覗き込みながら 

「運転手さんどちらの方ですか?」

と尋ねたら・・・

  


「あ、あのーワタクシは、スペインのバルセロナです」

 

エーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!


 

なんでよ!まず外国人の方が運転手さんってだけで初なのに嘘でしょ!

「嘘でしょ運転手さん!僕、今からバルセロナに帰るんです!」


「エーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、ホントですか!?」


いやいやいや

ないから

おもしろすぎるから!

ネタの宝庫かお前は!

 

もぅこっからの運転手さんとの会話が凄すぎた。兵役を逃れて夜行バスでパリへ旅立ったこと。幼少期のスペインはフランコの圧政がどれほど酷かったのか。目の前で酔っ払いが警官に時間を聞いただけで銃殺された話。ご両親を亡くされて兄弟引き離されてからの苦労。着いたパリでドカタとウエイターをしながらお金を貯めてドイツから日本へ飛んで・・・なんと45年間一度も母国に帰られてないストーリー

 

「よくあんなところに帰りますね。って思いましたよ。」

 

ここには今日は全てを書き切れないが(後日まとめます)、陰と陽、光と影とはまさにこのこと。僕が見ている日本とスペインは、運転手さんにとっては逆の世界。語り合った。なんだがドンドン込み上げてきた。運転手さんは、そのあと日本の方と結婚されてお孫さんもいる。でも、兄弟や親戚はこれまで一度も日本には来てない。オンラインでは再会したが、一度も戻りたいとは思わないそうだ・・・

 

 

あ!

マチガッチャッタカナー


ん?

あ!

間違えたね♪


 

そりゃ間違えるわ高速

ムリムリムリ

首都高複雑すぎ

しかも、45年の想いを馳せてたら読めねーよ日本語の標識


 

そのまま乗ってても別ルートで着きますよー。俺、深夜だし慌ててないから安全運転で大丈夫だからねー!とスペイン語もマジえて語りかけたのが悪かったな

 

もー慌てて高速降りちゃってから戻れない戻れない

再び高速乗れたと思ったらマチガエチャッタこと計4回

 

 

お陰で久々の東京の夜景を堪能できました。錦糸町もイケたぜ!

お名前は出さないけど運転手さんありがとう!

予定よりも45分かかったけど一生忘れられない想い出になりました。事故っててもおかしくない!何よりバルセロナ出身の方に実家から空港まで送り届けてもらえて出発できるなんて

  

ゼッテー明日怒られるだろうから、ハイヤーの会社に電話して予約してくれた人に事情を伝えて、僕が喋りすぎたせいなんで怒らないであげて下さい!すいません!と伝えたら「スペインのドライバーが・・・知らなかったです。そんなことあるんですね。」そうなのね!知らなかったのね!また利用します!ガチで

  

ってことでfacebookで繋がってお友達になりました。なんと実家の近くに27年奥様と住んでるとか!

そして今回の日本滞在中で唯一マスクしてない運転手さん!最高だったぜ!咳き込んでるし!爆笑!

そりゃ、スペイン強制になるわな! 


ありがとう運転手さん!

  

SUPER VAMOS !!


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